なぜ、あなたは葬儀屋の社長なのか

葬儀屋の親分向け

昔は葬斂屋、今は一端の企業風の葬儀屋

葬儀屋なんて、一昔前は誰もやらなかった仕事。誰が好き好んでご遺体を触るんですか。昭和の葬儀屋の多くは、金回りだけはいい仕事だったので親の後を継ぐケースがほとんど。

最近でこそ一端の企業みたいな顔をしてやってますが、中身は何も変わってはいない。もちろん体質も。

今は湯灌専門の業者もいるし、納棺師という職業も確立されている。それらが出てくるまでは納棺は葬儀屋の仕事。どんな状態のご遺体でも触らないといけない。

30年近く葬儀に携わってきても、非常に傷んだ状態に当たったのは数える程。今と違って、当時は亡くなるまで入院できたのでエンゼルケアが済んだ状態がほとんど。

孤独死しても、そんな状態になる前に発見される確率は高かったし、余程の事がない限りそこまで進まなかった。

それでも当たったら、きちんと仕上げてあげないといけない。最後の身だしなみを整えてあげるのは葬儀屋の仕事。

人手の無い町の葬儀屋の社長と息子はそんな過酷な経験を積んでいるけど、親が苦労して立ち上げた互助会の恩恵に預かる、後継者連中はそんな経験も少ないだろうな。

ま、別にそれを経験したから偉いという訳でもなく、ただ、他人の飯を食って苦労した経験があるならまだしも、ボンボンには理解できない世界があるっていう事です。

レクサスでほかほか弁当へ

そんなお坊ちゃん社長を相手にしてきた経験で言うと、人の気持ちを全く理解できない人が多いって事。なんかズレてる。

親父が凄すぎて、小さい頃から経済的には恵まれている事が多いので感覚がおかしい。確かに先見の明でその事業を立ち上げて成功まで導いた親父は凄い。

町の葬儀屋の社長が互助会を批判したりするけど、その人も同じ時代を生きてきたんだから、やれば良かっただけ。

できない、やらなかった人が、できた人の文句を言うのはおかしい。それはただの僻み。その人の話を聞くたびにいつもそう思ってきた。

そんな社長でも自分の子供には甘い。表ではヤクザ仕事をしていても、どこかの企業の社長と勘違いしてるから、「ご職業は?」と聞かれて、「葬儀関係です」と、わざわざ「関係」なんて付けてくる。

恥ずいんか?と思うけど、それが当時の実態。だから車とか、家とか、持ち物とか、何かと金をかけれるところは派手になってくる。

だからその息子は、自転車で行けるような距離でもレクサスに乗ってほかほか弁当を買いに行くような感覚のズレたバカに育つんですよ。

なんで君たちはズレてる事が理解できないの?

私が勤めていたボンボン会社では月に一度、会議をするんですが、これがまたズレまくっている。例えば、3月の結果が出るのは末日以降。なので4月に数字がわかる。最短で言えば4月1日ね。

で、結果が出た時にはすでに次月が始まっている訳です。なのにその月の10日前後、ひどければ2週間もすぎているその日に会議をやる訳です。

みんな真面目な顔をしてボンボンに今月の結果と来月の目標を話すんですが、来月って、もうすでに始まってますやん。2週間経ってますやん。っていつも思ってた。

始まっているのに目標を言う。例えば売り上げ平均を全年度比で5%上げるよう、こんな商品を新たに販売したいんですが、と言っても始まっているのに承認を得ないといけない。

OKが出ても2週間過ぎてます。なのでお互いに何をしたいのか分からない。その会議風な事をやるのは成績の悪い責任者や、嫌いな責任者をイジメるためのストレス解消の場。

そうなると、皆、表向きいい事しか言わなくなる。絵に描いた餅の試食会で、朝から始まって午後2時、3時、4時まで平気でかかる。

そんな会社が伸びる訳ないし、伸びているのは親父の後光が衰えずに輝いているからまだ成長をしているだけ。ボンボンの力じゃない。

でも、それを分からない。理解できない。だから、そんな無駄な会議のやり方を何十年とやり続けて改善しようともしない。てか、改善という言葉が頭の中にはないんでしょうね。

でね、このボンボンはケチが多い

ボンボンなだけに金は持っている。ブラックやプラチナカードはもちろん。数億の事業だって「やりたい」と言えば親父が出す。

このボンボン会社の新規出店なんて、上空からセスナで飛んで空いてる土地を見つけたら買ってこいだけ。リサーチも何も関係ない。金があるから買い叩く。

漏れ聞こえた話では、「個人資産は信用金庫より多いやろな」と言ってましたからね。信用組合でなく、信用金庫ですよ。しかもそれ親父個人の資産ね。

数多にある関連会社名義の資産を合わせたら、庶民感覚では天文学的な数字になるでしょうね。そりゃ、潰れへんわ。アホなボンボンが4代くらい続いても大丈夫。

そんな裕福なボンボンと出張などで一緒になっても飯を奢ってもらったことはない。ま、嫌われていたのかもしれないけど、他の人も言ってたからケチなんだと思う。

アンタが偉いんとちゃうで

2つも3つも関連会社の代表や役員をやり、地元の商工会議所へ顔をだす。何かの集まりに出れば手をこすりながら提灯持ちが集まってくる。

チヤホヤされるから、その立場を自分の実力と勘違いする。だから「良い人」は続かない。そんなところで社長のためになんて、アホらしくなってくるんですよ。

私なんて、一緒に提灯を持ちたくないから、会社にとって真っ当な意見を言うと逆ギレされて「辞めてくれ」と言われましたよ。

そんなところの葬儀会館を見かけるたびに金満パワーの象徴にしか思えない。今となってはそんなでかい建物要らんやん。

一般の葬儀社なら仕事が入らないとお金が生まれない。でも互助会というのは、施行というモノを売らずに先に金を集める互助会費が毎月、数億円単位で入るんですからそんな心配はない。

だから、能天気なボンボン社長が生まれ、周りの甘やかしで裸の王様になる。稼げる環境を作り出したのはアンタ達の親父ね。その人達が時代の空気を読んだだけ。

その勘違いと提灯持ちがなくならない限り、葬送儀礼の文化はますます衰退するだけです。
誰か一人くらい、花の慶次みたいな奴は出て来んかね。

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