早稲田大学 インキュベーション推進室さん、葬儀をベンチャーにしないで〜

オークションの木槌
オークションの木槌

おいおい、遺体のセリか?

『≪業界初≫ 葬儀社による逆オークションで葬儀費用が決まる』って、おいおいとツッコミが… クリック葬儀というサイトで進めている葬儀の提供方法です。

このサイト「株式会社ライフエンディングステーション」という早稲田大学インキュベーションセンターに籍を置く企業が提供しているのですが、同センターでは、入居するベンチャー企業と早稲田大学インキュベーションコミュニティ会員の形態があり、同社は後者のスタイルで事業を行っています。

このインキュベーションセンターは、

早稲田大学インキュベーション推進室は、起業を志す早稲田大学の学生および教職員の支援を行い、ベンチャー企業の育成によるイノベーションの創出を図る目的で、2001年に設立されました。

との趣旨のもと設立され、それまでにも、それ以降にもどうやら「早稲田大学発ベンチャー」と、「発」を付け加えて自由に起業する者でもたくさんいたんでしょうか、ベンチャーの呼称の取扱いについて、大学側はこのように定義しています。

早稲田大学では、早稲田大学に在籍する学生、研究者の手による起業の支援およびベンチャー企業の育成を行っていますが、個別特定のベンチャー企業に対して、“早稲田大学発ベンチャー”およびこれに類する呼称を早稲田大学のもとで認定ないし付与することは行っておりません。

したがって、特定のベンチャー企業が自らを“早稲田大学発ベンチャー”と名乗っている場合は、一般的な「大学発ベンチャー」の定義に拠って名乗っているものと考えられますが、それは早稲田大学が関知、認定するところではなく、同様にマスコミ等による“早稲田大学発ベンチャー”という表現、記述の使用に関しても、早稲田大学はコメントする立場にはありません。

と、学生の自由奔放さを感じる文章です。

インキュベーションセンターの各企業との関係も、

早稲田大学インキュベーションセンターは、早稲田大学の教職員および学生を対象としたインフラ提供(オフィス、会議室など)などを行う施設であり、インキュベーションセンターで活動している個別企業の事業活動については、当該企業の責任のもとに行われ、早稲田大学及び早稲田大学インキュベーション推進室は関与しておりません。

と、定義し、「関与していません」とあります。

また、コミュニティ会員企業へのお問い合わせの説明においても、

早稲田大学インキュベーションセンターは、早稲田大学の教職員および学生を対象としたインフラ提供(オフィス、会議室など)などを行う施設であり、インキュベーションセンターで活動している個別企業の事業活動については、当該企業の責任のもとに行われ、早稲田大学及び早稲田大学インキュベーション推進室は関与しておりません。

そのため、個別企業の事業活動内容を早稲田大学及び早稲田大学インキュベーション推進室にお問い合せいただいても、早稲田大学及び早稲田大学インキュベーション推進室はこれを回答させていただく立場にはございません。個別企業の事業活動内容については直接、当該企業にお問い合せいただきますよう何卒、よろしくお願い申し上げます。

 と、まぁかなりの苦情でもあるのか、企業協力は積極的にするけど大学は、その事業内容については「無関係ですから」と、かなりのアピールを感じます。

自由奔放な学生さんが多いのかな?

早稲田大学発なんて呼称を勝手につけるやつもワンサカいる様子ですし、大学が環境を提供する「早稲田大学インキュベーションセンター」に籍を置く入居ベンチャー企業と、コミュニティ会員が推進する事業においても、その個々の内容については関与しないとの姿勢です。

しかしですね、ベンチャー企業活動支援については、

早稲田大学の教職員および学生を対象として、インフラ提供(オフィス、会議室など)、経営指導などを行っています。

 と、企業活動支援として経営指導している訳です。

どのような事を指導されているかはわかりませんが、大きなジャンルで経営指導を行うと表記したらですね、そのベンチャー企業が発信する情報にも注意が必要なのではないでしょうか。

単に、指数、戦略など実地研修的に指導し経営学として体現させているならそのように記述するべきでしょうし、万一、設立趣旨から相談を受け、独立までの事務的、法的指導、協力の上に設立された企業であればその後の企業の情報発信や目的が当初の趣旨とずれていかないかを見守るべきであり、会社ができたからあとは知らんよ、ではあまりにも無責任ではないでしょうか。

これらの企業の設立趣旨に沿った各言動が、社会的なコンセンサスを得ないものであった場合に、結果として市場に受け入れなかった、倒産した、だけではない責任はある思います。

自己主義の偏った情報をベンチャーという野心の元に放置し、大学ブランドをイメージさせる環境の中で発信し、消費者を間違った方向へと誘うことにもなります。それらに対する指導管理責任は、金銭的な関係はなくとも責任が全くないとは言い切れないと思うのですが、いかがでしょうか。

葬儀を軽く扱わないでほしいんですけど

で、問題は、この早稲田大学インキュベーションコミュニティ会員のクリック葬儀です。
代表者は、工藤 元氏で、ウェイブ上のプロフィールは以下のように紹介されています。

【プロフィル】工藤元
 くどう・げん 早大院修了。1997年国内アパレルメーカー入社。2013年8月ライフエンディングステーションを設立。14年10月から現職。42歳。茨城県出身。
                   ◇
【会社概要】
ライフエンディングステーション
 ▽本社=東京都新宿区西早稲田1-22-3 早稲田大学インキュベーションセンター内12室
 ▽設立=2013年8月
 ▽資本金=400万円
 ▽従業員=4人
 ▽売上高=5000万円(15年3月期予想)
 ▽事業内容=終活に関連する商品・サービスの企画開発など 

サービス内容については、

「10月に『終活準備室』というサイトを立ち上げた。葬儀、相続、介護など生前の準備に取りかかっている人と、葬儀社、介護施設、保険会社、士業といった事業者を結びつけている。ウェブや電話で終活に関する疑問について質問すると、各事業者が相談員として回答する。相談は無料で年中無休24時間コールセンターが対応する。葬儀、相続、墓地だけでなく、旅行や生涯学習、老後の資金作り、バリアフリー化へのリフォームなどを取り扱う」

 とあり、どうやらサイトを見る限り、終活についての市場拡大を狙って情報提供し、「終活準備室」をメインにしたい様子が見て取れるのですが、その終の住処として葬儀をオークション形式で紹介するというサイトなのです。 

魚河岸のマグロか!

この終活準備室とリンクするクリック葬儀が、葬祭業に携わるものとしては如何なものかと思える仕様なのです。

自身の地域を指定して、葬儀の種類を決めると、それを受ける施行業者が値段の安い順に並んで表示されるとのシステムです。私には、この並びを見ていると、値段のところに魚河岸に並ぶマグロのごとく、ご遺体が並んでいるように見えるのです。

しかも、この代表者は経歴をお見かけする限り葬儀に関わることがなく、新たなビジネスモデルとして事業を立ち上げたのでしょう。終活とういうジャンルでのビジネスを主体にされるのはどうぞご自由にと思うのですが、自分のビジネス(金儲け)のために葬送儀礼までバカにするなと言いたいのです。

肯定と否定

終活での事業モデルは、昨今の葬儀業界も、「特定非営利活動法人」であるとか、「一般社団法人」などの法人団体名を住処に消費者に触手を伸ばしています。終活、事前相談、資産管理なども含めて、いわば、こぞってお金を取りに来ているのです。

そこに目をつけて、新たなビジネスモデルを打ち出すのは早稲田大学インキュベーションセンターを活用して何ら問題はないと思うのですが、終活を大切にするならば、もっと葬送儀礼について勉強して、研究して、今後のビジネスにいかに結びつけることが将来の日本に役立つのかくらいのスケールを持って取り組むべきでしょう。

これでは、葬儀社の足元を見た「小さなお葬式」と趣旨は全く同じで、終活に集まる方への一つのサービスとしながらも、やっつけな感じがしますし、代表者には死や葬儀に関する尊厳を全く感じないのです。

死を、あくまでも利益を得るための道具としているのは、既存の直葬業者と何ら主体は変わらないと感じます。

紹介先の葬儀社から金銭の授受が、仮にあってもなくても、掲載することは掲載者としてその紹介先の事業者の趣旨をチェックしていく責任はもちろんありますし、何かしらのガイドラインも設けているでしょう。

申し上げたいこと

私が申し上げたいのは、そのガイドラインに「死の尊厳」と「葬送儀礼」をテーマに持っていただけないかということなのです。

早稲田大学インキュベーション推進室は、個々の事業についての責任は放棄していますが、サイト上に「指導する」と明示している以上、大学として「死」や「葬儀」についての専門家のアドバイスは入っているのかと聞きたいのです。

終活準備室のビジネスを立ち上げることについては、インキュベーション推進室の趣旨に沿ったものでもあり、ベンチャー精神で世に問うことは結構だと思いますが、葬儀はその国の文化ですよ。そこを巷のゲスな紹介業者と同じことをさせてどうするんですか?

ま、こんなサイトに一つでも仕事が入ればありがたいと思って自社を宣伝するために掲載する業者も、そんなこと一切考えてもないでしょうし、そんな業者がいるから日本の葬儀は、葬送儀礼はますますダメになっていくのではないですか。

どうか、日本の将来のリーダを世に送り出すことが早稲田大学の責務なら、文化を大切にすることもビジネスには大切なことも教えていただけないでしょうかね。

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