アスカネット VS 小さなお葬式 三日坊主は裏を読む

ゴリラとピエロ
ゴリラとピエロ

東証マザーズに上場している、遺影写真の加工で有名なアスカネット。この事業分野に「小さなお葬式」を運営する株式会社ユニクエスト・オンラインが参入してくる。これまでの加工料金に比べて3割ほど安い料金で提供すると聞けば、消費者は乗りそうだけど…

敵は微妙なポジションですわ、アスカさん

小さなお葬式が提供するサービス名は「nocos」。その名の通り、事前に遺影写真を残すイメージ。サイト上で注文が可能で、発注後、約二週間で到着するという商品です。

インターネットで定額・低料金の葬儀「小さなお葬式」を運営する株式会社ユニクエスト・オンライン(本社:大阪市北区、代表取締役:田中智也)は、11月15日(火)遺影写真加工サービス「nocos(ノコス)」をスタート致します。終活の一環として遺影写真を準備する必要があると考えている方が46.8%いらっしゃること。お葬式の際に最適な遺影写真が見つからず困ったというお客様からの声。これらのニーズを受け、スマートフォンやデジカメで撮影した写真を、Webにアップするだけで遺影写真を作ることができるサービスです。

どうも、きな臭い匂いがするなぁ

消費者は、葬儀に関して事前に相談したり、見積もりを作成しておく事にはあまり抵抗を感じないと思うのです。セミナーなどでも、話を聞いている時は神妙な気分にはなるけど、お昼ご飯を食べる頃にはもう忘れていますよ。なにせ実感がないからです。

ところが、遺影写真が手元にあったら、毎日、死ぬことを強制的に意識する生活する事になり、それをどこに置いておくか問題。まさか、葬儀までご先祖様と一緒に並べてって訳にもいかない。まだ生きているので、リアル感は避けたいのが本音じゃないでしょうか。

なので、事前に「遺影用の写真を撮影しておく」行動はあるけど、遺影写真を作成し、手元に置く人っているだろうかと思うのです。葬儀慣れしている葬儀屋さんでも、おそらくそんな行動は取らないんじゃないかな。

アスカネットさん、少し安心してください

祭壇に飾る四切写真と、仏壇などに置けるL版のセットで額付き一万円です。葬儀社で2〜3万円かかることを思えばお得感はありますが、アスカネットの強みは「歴史とスピード」なんで、そこをクリアできない以上、現状では勝負にはならない。

発注から納品まで二週間かかりますから、死を調整しながら発注する人もいない。現時点では、完全に事前の申し込みを狙っての事でしかない。となると、よほど自分の死を段取りしておきたい方ぐらいしか注文しないんじゃないかな。

ニュースを見た時には「アスカネットさんもオチオチしてられないね」とは思ったけど、よく考えたら同じ商品でも、ニーズが違うのでそれほど強敵にはならないだろうなと。遺影用の候補写真をクラウドサービスで預かるサービスも先にやってますし、そのデーターを元に葬儀社ですぐ作成できますからスピードが違う。やはり強い。

自社製品を開発し、守り、発展させ、継続する苦しさを知るべき

自社の加工技術者と葬儀社を専用回線で結び、写真データーの読込み・加工・出力を手軽に、早く作成する事を実現したアスカネット。遺影写真界の先駆者は、現在はAI (エアリアルイメージング)を開発し、空間に映像を映し出す事に成功しているなど、やはり自分達で商品を開発する強みを思っている。

それに比べてこの葬儀紹介業は、既存の葬儀や、葬儀社のやり方を否定しながら、その否定している葬儀社を利用して「カスリ」を取る。自分で開発したのは、儲ける企画とサイトの仕組みだけ。対象者の中抜きやってやり方は、怖い組織が行うやり方と同じだと思う。

未だに葬儀紹介事業として、新たにサービスを始めようとする起業家モドキもいるし、現在、名の知れている彼らも所詮は二番煎じから始まっている。時系列的には、2003年にアクトインディ株式会社を立ち上げた葬儀サポートセンターが先で、それを真似ただけと見てます。

そんな彼らの基本姿勢は、既存の葬儀社を否定しながらも葬儀社そのものとなんら変わらない。結局は、真似する事が「楽に儲かる」って解ったからですし、自分たちでモノを創造せず、今回も先駆者のシステムに乗っかって、マネ事を事業とするのかな。

もっと、自分でモノを作り出すって事しないと長生きできないよ。

うがった見方を一つ

アスカネットとは需要が違うし、葬儀の現場でリアルタイムには全く活用できないのにとも思ったけど、その背後には、別の思惑が存在するんじゃないかと三日坊主は見ています。

葬儀会館や事務所には、遺影データーをプリントするための設備機器をすでにあります。これらはリースもあれば購入しているケースもあり、加工ソフトのライセンスなどの関係、受注件数の多寡により、その契約形態は複雑かつ多様です。

業者にすれば、自社と取引をするために設置しているので、全ての遺影オーダーを依頼する前提で加工料金や消耗品販売価格などの単価を構成しているのですが、この一部でも奪われてしまうと、取引形態がなし崩しにもなりかねないし、成り立たなくなってくる。

今回、アスカネットが一番恐怖するのはそこではないかと思うのです。以前にその互助会に買収されたと報道された小さなお葬式が、同様のサービスを低価格で行う事の意味するものは何なのか。

あくまでも仮説としてですが

以前、小さなお葬式が買収されたと報道されていましたが、もし、資本関係の一部に食い込んでいる程度の買収ならば、その力関係を利用して、遺影加工事業を自分たちで行いたいのではと推測するのです。

無理と思っても、現受注者は渋々と受け入れざるを得ない。反抗して取引全てをバッサリと切られたら、自身の存続すら難しくなる。なんせ、立場は小作人ですから。

しかも、このカリスマ経営者たちは、物事を手中に収めて支配下に置く能力に長けている。受注者がギリギリ生きていけるところを与え、残りは自社の権利にしてしまうバランス感覚がすごいと思うのです。

今後、小さなお葬式が生前に預かる写真データーが増えた場合、それら全てが死ぬ予定者であり、他社へ流れない施行予定者なのです。これは、これまでの互助会システムとは違い、会員募集に経費をかけなくとも、見込み客の集客と包囲ができます。

このような発想は何も目新しいことではありません。葬儀施行・会員募集など、固定経費が高くつく人間は裏切りもあるから、そんなところには資本をかけない。なので、仕入れも支払いも出来高制で、庄屋・名主と小作人の関係を維持し続けることがビジネス成功の肝なのです。

そうして、葬儀関連事業、全ての受託事業者のトップに君臨し続けることがカリスマたる所以ですから。

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