終活・直葬・ネットでの葬儀紹介 東京vs大阪で見る死の商人の違い 

東京のビル群
東京のビル群

日本の首都、東京はやっぱり違うよね

東京へは幾度となく、目的地としてまた通過点として車と電車で行きましたが、(あっ、飛行機も2回あった)一番最初にビビったのが、首都高に入ってから都内中心部に向かって行った時、高速の両側にオフィスビルがドーンと出てきて思った以上に切れないと言うかその景色が終わらない。

大阪の感覚だとピューっと走っていたら視線から一つのビルが切れてまた次のビルが入ってくるんですがちょっと違うんですね。「えっ?いつまで同じビル?ちょっとでかすぎちゃう」と、あれだけのビルに何人入るのか? その朝の光景は? そこだけでも大阪とエネルギーが違いまんなと思いましたわ。

そんな東京周辺の葬儀情報をネット上を徘徊しながら色々と参考にさせていただくのですが、やはり東京発の情報や葬儀ビジネスの活発さはさすがだなと感じます。

葬儀に関する小さなセミナー、対談会でもこまめに開催してますし、終活ビジネスは東京でないと発信できないというか、東京に拠点を置かないと地方へ流していく情報ソースとしての価値をつけにくいとも感じます。

私感で申し訳ないですが、東京を中心とした関東周辺地域での人・モノ・金の動きは関西に比べてかなり活発で、景気が悪かろうが良かろうがそんな事は関係なく今さらこの動きを止める事はできない。止めてしまうと、それこそ日本沈没ですよね。

流動的だからこそ正規も非正規もビジネスが成り立つ。そんな風に捉えています。
だからうまく隙間を狙えるヤツはパイが大きいだけにビジネスになっちゃうんでしょうね。

東京でないと価値がない… かも

ウェイブ上の集客のための葬儀サイト構築サービスや葬儀人材紹介の会社も東京にありますが、これも大阪でビジネスとして成立させるのはなかなか難しいところがあります。こういったものにすぐお金を出す感覚は、大阪の葬儀業界的にはあまりないと感じるのです。

ホームページ作成のため外注先に何百万と支払うなら、それをできる人材を募集してついでに事務仕事もさせちゃうようなノリがあるので、どうしても時間をロスしてしまう傾向にあります。

仮に発注するにしても、値段交渉はかなり激しいものがあります。 ”ナンボにしてくれる?” ではなく、 ”ナンボでやったら買うたるわ” がノリですから、東京から仕事を売り込みに来る方は大変だと思います。

関西人同士なら値引き分をあらかじめ計算に入れてますから、その先のギリギリのホンマにやばいところの攻防をします。

「今回は損しても次回は儲けてな。損して得取れって言うやろ」なんて言いながら、駆け引きが下手な方なら次回も儲けさせてもらえないかもしれません。逆にこれを理解、活用できる人は「いやぁ〜 社長さんの交渉はきついですわぁ」とか言いながら、ちゃっかり利益を乗せて売り抜けるのもスキルかもしれません。

わかった風でいると弊害も

この ”まけてな文化” は、相手のビジネスの仕組みをガッツリ理解していないと成り立たないのですが、調子に乗ってわかった風でやっちゃうのも関西のダメなところでしょう。

形のあるモノ、世間相場である程度の値段が付いているモノを値引き交渉するのは得意なのですが、形のないモノへの価値を理解できない土壌は時にして大変な事態を招きます。特にIT分野にはなかなかお金を出さない。

実際、本部とそれ以外の部門のデーターを集中管理して入力、出力までを統一化するなんて作業をお手伝いしましたが、ITでメシ食っている専門家に任すべき案件でも、素人が集まってIT化について議論する無駄な時間を多くかけて進まない。

ゴール&スタート時期は決まっているのに商品マスターを構築することさえままならない事になるのも出し渋りが背景にあったと思います。

予算が少ないと、IT屋さん側は時間のかかる入力作業を嫌い、その作業を葬儀屋さんに振ろうとする。葬儀屋さんはシステムの事なんかわからず、エクセル感覚で捉えているので安易に振られた作業を引き受けてしまう。

結果、入力に際して様々な問題が発生するのですが、マクロで理解できていないのでそれぞれ好き勝手なフォーマットで仕上がってくるので、はい、やり直し。みたいな事が延々と続くのです。

葬儀人材サービスの方から大阪でも事業を進めたいと相談を受けた際にも、東京発で地方へ売り込むならともかく、大阪周辺の人材を大阪周辺の葬儀社に紹介・斡旋してもらい、その紹介手数料を支払うかなぁと疑問を伝えておきました。

5万、10万円ならともかく、そこそこまとまった金額を請求するとなると、たぶん利用しないと。紹介手数料以外に何か付加価値をつけないと、大阪ならムダ、効果がないとしても、形のある一口5万円の求人広告にしかお金をかけないと思うので商売にはならないと思うと伝えておきましたが、現在でも動きがないという事はやはりビジネスとしては成り立たないのでしょう。

成功した大阪発のネットビジネスとその弊害

そんな関西の傾向の中でもネットビジネスで成功したと思うのは「小さなお葬式」でしょうか。創業者は株式会社ユニクエスト・オンライン代表取締役の田中智也氏で、現在は、大阪市北区に本社を置いている。出身は関関同立で有名な関西大学です。

この業者を互助会のアルファクラブが10数億で買収したと週刊ダイヤモンドで報道されたのですが、事実なら、売り抜けに成功した大阪相場師の血筋を引く方なのかと思います。

自分の育てた事業をいいところで売り抜ける相場観は、時代背景も味方にしないとなかなかできることではありません。ベタベタな関西ビジネスの感覚では、こうもいかないのではと思うのです。

ただし、報道後も代表取締役はそのままなので、買収の事実が無いのならば、小さなお葬式やアルファクラブ側からダイヤモンド側に対してアクションがあるはずでしょうし、そう言った声も聞かない。静か〜に、時が過ぎるのを待っているようにも思えます。

憶測でありますが、いわば雇われ社長のスタイルをとっているのなら、互助会が世間の批判をかわすために取った手法に乗る事になるのですが、そこはちょっと残念な感じもします。売り抜けというより運命共同体になっちゃいますから、結局、葬儀紹介業が葬儀屋の一部門化になり、否定した相手に協力する事になります。

起業時の理念として不透明を透明にしていくとありますが、これでは逆に不透明に戻っていませんかね。葬儀紹介業で葬送儀礼をおざなりにする行為を行いながらも、一応、葬儀システムやその価格構成に一石を投じ、葬儀業界を一瞬慌てさせたのですから透明化に貢献したかもしれません。

しかし、買収が事実で、未だご自身が代表者として存在するならば、不透明な業界と定義するその世界にご自身が一役買う事になりませんかね。一緒に古い葬儀屋感覚を持ってどうするんですか。そこのところだけベタな大阪気質だされてもと思っちゃいます。

創業者利益は良しとしても、両社(者)とも法人として、人間で言うところの ”人格” にあたる、 ”法人格” は存在しないのかもしれない。起業家に夢があるとするならば、法人になってからもその存在意義に夢があるべきだと思うのです。上場はせずとも、法人は個人の社長のものではないのですから。

買収の事実もなく、起業家としての理念も変わっていないなら、田中智也氏から情報やメッセージを発信するべきだと思うのです、でないとネットを使って不透明を透明にするという理念がズレちゃいませんかね。

しかし、金のために文化をぶっ飛ばしたんですよ、あなた達は

ただ、これ以前の東京品川区に本社を置く、アクトインディ株式会社 代表取締役下元敬道氏が行ってきた葬儀サポートセンター(2014年12月19日同サービス終了)もそうですが、これらの ”葬儀紹介業” から生まれ続ける負の遺産は大きいと思っています。

彼が起業した頃は

「こんな便利なサービスがあったなんてしらなかった」
「最後にこんな素敵な葬儀社さんに出会えたのは、がんばってきたおじいちゃんへの神様からのご褒美だと思います」
「葬儀社に対する見方が変わりました」

との声が寄せられたそうだが、それがやがて

ただ、近年は葬儀社自身がネットを活用して情報を発信し、かえって間に入って葬儀社を紹介することが不審がられるようになってきました。また、我々が最も大切にしている”心”でつながるようなご相談をご希望される方が減ってしまい逆に費用だけで比較するような相談が増えてきてしまいました。

となり、最後には

ご逝去から四十九日法要までの間、どんな人にサポートしてもらうかによって全く違う心持になりますし、ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんがその後の人生が変わるくらい影響があると思います。

通夜や葬儀、告別式という会葬者の目に触れる部分はそれらのほんの一部なのです。このことを伝えきれず、結局は費用で比較して葬儀社を選ぶという文化を根付かせてしまったことに悔しさと責任を感じております。

と、サービス停止に至った経緯を代表者自らのブログで説明しています。

そうなんですよ。下元さん。便利なシステムを構築したのはいいけれど、もう少しその先を考えて発信して欲しかったな。しかも、その事について質問のメールを送ったのに返事もくれないんだもん。

あなたの危惧を受け継いで田中さんは会社を大きくして売り抜けて行ったけど、それも引受先は葬儀業界の行く末を考えているようなところじゃないんでね。老婆心で申し訳ないですが、そこを心配するんですよ。

どっちもどっちですが

特定のニーズを持つ顧客(単価のみ)へのアプローチと、葬儀の仕事がほしい直葬屋(個人葬儀屋)を結びつけるためにネットを利用した事で、世間一般の葬儀に対する価値観を著しく低下させた。葬儀を選択する基準が内容から金額になってしまった。このような業者を追いかけて、まだ一攫千金の夢を追う人間が後を絶たない。そんな弊害もあります。

彼らに言わせれば、不透明を透明にしただけという。葬儀業界から見れば、先ほどの関西気質ではないが旧態依然とした世界観の中で、奢りが改革を良しとせず、自己利益、既得権限を優先させて、他を排他してきたツケが回ってきただけです。

そんな ”ゆったりとお金を勘定” しているような隙だらけの業界は、彼らから見れば絶好の獲物であり、まんまと乗せられている。

今や、葬儀紹介業者からどれだけの葬儀社が仕事を流してもらっている事か。そして、IT業界で一旗上げてやろう思っている人間を、成功という欲望のために文化を捨て去ることへ何の疑問も抱かさせず突き進めているのもこの葬儀業界だと私は思います。

関西気質の ”形のないモノへ価値を見つけにくい” 気風は、古い体質を未だに持つ葬儀業界にも蔓延していると感じています。IT産業によって便利になるのはありがたいことですが、それによって葬送儀礼がおざなりになってい行く事への懸念の方がとてつもなく大きいのです。

業界を仕切る人、募集中

イオンや小さなお葬式などが派生し、消費者目線を盾に葬儀商品を売り込んでくる。その存在に懸念を抱きながらも無視できない存在になってくると、そこからの仕事も受注しようと考える輩もいれば、紹介業者の真似事をして自社へ施行誘致を試みようとする者もいる。

終活が流行りと見れば、あっちもこっちも終活カウンセラーだらけ。これもまた施行誘致に結びつけようと躍起になる葬儀社。経営としていかに施行を誘致し売上を維持するかは大きな問題だとは思いますが、葬儀業界のこれまでの怠慢さが今の時勢を生み出しているとしか考えられません。

葬儀屋だから葬儀を提供できる。葬送儀礼を理解している。そして、それを大事にしている。そんな文化を育ててこないから、葬儀がお金儲けの手段になり下がるのではないでしょうか。

スーパーやIT錬金術師に葬儀の主導権を握られて、慌ててそこへ加盟するなんて、どっちも魑魅魍魎にしか見えないっすよ。異業種が参入した時に「あっ、葬儀はここを大切にしないといけないんだ」って思わせなかったのが葬儀業界の最大のミスです。

葬儀の仕事をしようと新卒者が就職するこの時代までに何十年もあったのに、業界全体のモラル、商品のシステム、業務の流れ、葬儀商品の提供理念などを第三者的に監査する事を行ってこないから、誰でも簡単に始めちゃって、挙句は値段が勝負になっちゃうんじゃないですか。

上場企業の葬儀社にしても、個人商店の葬儀社にしても、葬儀の仕事を行う事に関しては事業免許もいらないし、仕事さえあれば、即、葬儀屋です。自由競争も大切ですが、お金を集める事業を行っている葬儀社もあるんですから葬儀業界全体を監督する省庁が必要じゃないですかね。

自分が死ぬ時の事も考えてみてくださいね、そして、死に出会う機会を減らさないでください

そんな錬金術師の皆さんにもやがて死は訪れますし、その時に見送ってくれる家族もいるでしょう。その時、あなた方の子供たちがどのように ”人が死ぬ事” を感じて、その時に何を思い、何をしなければならないのかを考える機会になるのです。

本来なら、死は生きている事を考える機会であり、その命の存在に感謝を抱く機会だと私は思います。当たり前と思っている事が、実は当たり前ではなく、有難い事なんだと思う機会かもしれません。

その時、初めて親に感謝する人もいれば、感謝すらなく、自分で人生を生きてきたと思う人もいるでしょう。でも、親がなければ子供は生まれないんですよ。どんなに嫌いな親であっても、ロクでもない親であっても、その人が存在しなかったらあなたは生まれてこないし、この世に存在すらしないのです。

子供達の未来が豊かで心ある世界を実現できるような、優しい世の中になるようなために頑張っている父母の後姿を見せていただける商売を、葬儀業界に関係するみなさんがしていただきたいと願っています。

形はないものですが、価値を作るのはお得意な分野でしょうし、そんな価値観を大切にした情報を東京から発信してくださいな。そうしたら、みんなもっと応援すると思いますよ。

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