16万人の川西市に進出する典礼会館、対立なのか共存なのか、互助会さんって怖いわ

対比を表現した、前向きの白いパーカーの子供と青いパーカーの子供
対比を表現した、前向きの白いパーカーの子供と青いパーカーの子供

先日、兵庫県川西市にオープンした典礼会館をちょっと覗いてきました。イベント開催日とあってかなりの来場者があり、最近の葬儀会館でこの集客にはちょっとびっくり。この勢い、見逃せませんなぁ。

いや〜、よ〜出ててる… いや、ぎょうさん来てはりますわ

廃業したパチンコ店を改装した物件ですが、当日は、まさしくパチンコ店の新装開店か⁈ と見間違うほどの賑わい。皆さん、なぜそんなに集まるの?と、ちょっと不思議な感じもしました。というのも、最近の葬儀会館のイベントではなかなか集客が見込めないのです。新規オープンにしても然りです。

昨年、ベルコ本社(本店)の近くに会館を建設した、玉泉院・京阪互助センターの豊中北会館の新規出店イベントでもこれほどの賑わいはなかった。今回は地域性なのか、ちょっと異常なほどの盛り上がりを見せていました。

この会館が建つ場所は国道173号線沿いで、並びの近くにはベルコの川西会館と、国道の横を流れる猪名川を挟んで多田飛翔殿(現在は、株式会社セレ・ナス)があり、まさに死のトライアングル状態。

川西市の葬儀会館地図
川西市の葬儀会館地図

川西市のデーターによると人口は16万人ほど、年間で約1,500人、月平均で120人ほどの死亡者数があり、これを奪い合う形での出店です。

これ以外にクレリもあるし、小さな葬儀社が点在するので、新規参入した典礼会館の件数が伸びれば伸びるほど、既存の葬儀社の施行件数は減少するでしょう。葬儀単価も下落している現状でどのような戦いが繰り広げられるのか見ものです。

おばさまにウケてましたよ

各葬儀社の特徴を見てみると、セレ・ナスは1982年:昭和58年に川西市平野で葬祭業「永楽堂」を開業以来、地元で35年の歴史がある一般の葬儀社です。一方、ベルコ(1969年:昭和44年創業)、愛グループ典礼会館(1972年:昭和47年創業)は共に互助会で、600億円前後の売上を誇るモンスター級の組織です。

しかし、互助会さんはお金持ってますねぇ。今回の川西会館はかなり豪華な作り。主にハウス葬形式での家族葬をターゲットにしていて、控え室に使われる調度品一つ見てもちょっと上級のホテル仕様並みの仕上げです。

典礼さんを持ち上げるつもりは全くないのですが、シャレ感もあって地元のおばさまの人気は出そうな感じ。当日も互助会会員に加入しそうな人をチラホラ見かけたので、典礼さんの思惑通り、施設でおばさまのハートをがっつり掴んで成功ですなぁ。

後出しジャンケンが有利なのは葬儀会館のお決まり。日本人の新しもの好きをくすぐってくるので、その辺りはイメージとしてプラスに働く可能性は高い。ま、逆に飽きるのも早いのが日本人ですけどね。

会員プランは2,000円×120回払いの24万円満期。この辺りはベルコさんと同様、入口を下げてお得感を出すという最近の互助会の傾向としてよくあるパターン。ま、これだけでできる訳ではないのはお決まりのコースです…

元の満期額が高いと、さらに追加も増えるシステムではより高く感じてしまう。狭い室内で飾った式場は特に豪華に見えるので、わずか24万円でこんな豪華な祭壇や、会館が利用できるのか… と、割安感を持つのです。綺麗な会館、真っ白の大きな祭壇、そして賑やかな来場者と、三点セットが揃えばイチコロです。

仁義なき戦いと、意外と仁義のある共存の道

一昔前の互助会は、お互いの営業エリアを守りながら、相手エリアには進出しない暗黙のルールのようなものがありまして、紳士な付き合いって感じだったのですが、ここ数年は大きく様変わりしました。

愛グループ典礼会館は山口県に本社を、ベルコは実質的には池田市が中心で、一応、兵庫県に本社を置いているのですが、この両者のエリアにも互いに出店しあっている。ベルコ・京阪互助センターの発祥の地、京都セレマのエリアにも典礼会館は出店しているし、もう、互助会戦国時代さながらです。

一見、互助会同士が戦っているように見えますが、この方々はそんな風には思っていないと三日坊主は見ます。互助会系VS(全葬連&一般の葬儀社)というのが正解で、最終的には全国各地で互助会だけが残ればいい。そんな戦略じゃないかなと。

さてさて、こんな互助会との戦いを挑まないといけない、セレ・ナスさんを始めとした地元業者はどう戦いを挑むのか。売られた喧嘩は買わない訳にもいかない。まさに、仁義なき戦いの火蓋が切られてます。

どうしてそんなに出店するの?

全国に会館や拠点を競い合って出店している互助会ですが、これらの会館の全てが黒字って訳でもないのにここまでやるっていうのは、絶対的に独占して事業を営むなんてのは葬儀業界にはあり得ないからです。

だから互助会は焦って全国各地に出店する訳ですし、それだけ無理してでも出店を続けないと生きていけないからです。逆にいうと、葬儀の世界は隙間がいっぱいなんです。だから、直葬専門業者やサイト紹介業者が生き残れる世界でもあります。

ベルコ川西にしても、開設以来そんなに件数が伸びている訳でもない。独占的に葬儀を行なっている状態でもない。むしろ、施行単価が減少している分、全体的な売上は下がってもいますので楽観視できないですね。

そして、葬儀単価の下落は互助会にとっては致命傷です。これまで平均売上150万円なんて当たり前、200万円オーバーもざらって世界で今や100万円を死守できるかどうかの瀬戸際。互助会始まりの時代、高度成長の時代、その遺産を追っかけていかないと体制が維持できないんでね。

う〜ん、いつまでこのやり方にこだわるのかな

でもね、もう時代が違うんですよ。互助会や会員制の仕組みで葬儀が安くなる? 消費者はそんな言葉を信じてはいませんよ。お決まりの会員に加入して、棺と施設という箱に掘り込まれ、タイムスケジュールに沿って進行していく葬儀で、はい100万円なんて、いつまでも通用しないと思うけどなぁ。

それをカモフラージュするのが目新しい施設や商品であって、消費者の求める本質はそんなところにはないと思うのです。会館を利用するのは便利というよりも、亡くなる予定の方が皆に、特に子供に迷惑をかけたくないって気持ちからであって、自分で自分の葬儀費用を出すのも迷惑をかけたくないから。そんな価値観を満たす事を競い合っていては、いつか葬儀社そのものが不要になりますよ。

地域とがっつり繋がるかどうかは、その葬儀社の基本的なスタンスが消費者に見えるか、声が届くかです。目先の新しさを競うよりも、もっと大事なことに気付いたところが最終的には生き残るんじゃないかな。

だって、今は施設が新しくってキラキラしているけど、1年も経てば感覚的にはお古です。同じスタートラインに並びます。その時に頭一つ飛び出せるかどうかは、最終的には葬儀社のスタッフにかかってますよ。その手腕が問われるのがこの1年じゃないでしょうか。

そういう意味では、互助会よりも小回りのきく葬儀社の方が有利だと思うんです。多くのヒントは身近なところにあります。それをいち早く見つけて頑張っていただきたいですね、セレ・ナスさん。

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