病院へお迎えに行く時、担当者が見るところ

見上げる子供
見上げる子供

 電話で依頼を受け病院へ向かう。いざ、遺族と対面した時からモニタリングは始まっています。色々な情報を積み重ねていい葬儀を行うのか。いや、それはクレーム回避と、出る葬儀かを値踏みしているんですよ。

まず、病院から探ってますよ

お葬式の依頼連絡が入ってから病院へ向かう訳ですが、この時点から担当者の「値踏み」は始まっています。また、担当者にとっても自分のアピールポイントにもなっています。

病院へ着いて担当者から喪家を見るのは、皆さんの雰囲気・言葉使い・服装・持ち物などですが、私が一番大切にしてたのは「全体の絵面」といいますか、収まり加減なんです。

たとえ高級な服装、持ち物を持っていても会話の内容が「?」と思う事があったり、喪主の存在感であったり、故人に対する皆さんの配慮・言葉などがどこかギクシャクする。凄く微妙なところなんですが、「空気感」といいますか、それを嗅ぎ取る「感」が働くのです。

逆にシンプルなラフな服装をされていても、その所作などを拝見していると、育ちがいいと言いますか、かなり真っ直ぐな故人に対する尊厳の思いや考えを感じ取るのです。百聞は一見にとも言いますが、私は自分の感じる「インスピレーション」を非常に大切にしていました。

葬儀ぐらいじゃないですか、簡単に家に入れるのは

私にとって葬儀は人間観察の場でもありました。葬儀の仕事は簡単に家の中に入り込み、消費者が受け身で始まる営業です。喪家は依頼した以上、違和感なく家の中に招き入れるのです。それだけ、消費者側は「心を開いてしまっている」、「油断」しているのです。

死を現実に迎えた非日常な時間の中、様々な人間性の赤裸々な部分が出てくるのです。それらを本当に数多く経験すると、自然に人間観察のスキルは身についてくると思います。それらを駆使しながら、まるで肌で吸収するようにその家の空気を分析します。

ここで、何かおかしいと感じた場合、一つ一つの所作に対して普段以上に配慮しながら注意します。受け身の立場が喪家から担当者へ変わってしまうと、商品販売のリードもできませんし、何より、クレームが発生しやすくなりますから。

こんなワードで探ります

さて、病院内での品定めを終えた担当者は、自宅へ戻るまでの寝台車内での時間を利用して、各ワードから背景を聞き出そうとします。

 「親族さんは多いのですか?

  • う~ん料理をたくさん用意するかも。
  • ひょっとして高額な返礼品が出るかもしれない。

会社関係などのご連絡には、訃報案内を作成しますのでご安心ください

  • はいって言ってくれているので、会社関係のお参りは多いのか?
  • 祭壇もそこそこイケるかも。供養は出るなぁ~… 当日返しで行くか?

死亡診断書はお持ちですか? 通常は一通でいいのですが、保険や簡保などで多数用意される方がいまして、それらは専用の書式が決まっていますので多く取ると無駄になるんです

保険会社によっては、病院の診断書コピーで代用できるケースも多いので

これ、親切、丁寧に説明してくれているように聞こえますが、「貯金はありますか?」なんて直接聞けないので、故人が保険に加入しているのか? 預貯金はあるのか? などを探り、聞き出すための「ワード」です。

うかつに言ってはダメですよ

このような話を振った時に、よく喪家から返ってくる言葉で「亡くなったら、銀行からお金を下ろせないんでしょう?」と、疑いもなく葬儀担当者に言う方が結構います。銀行から下ろせないと言う事は、下ろすお金があるという事です。

そんな話を葬儀屋さんにしたら「お金ありますやん」ってなりますから、お金や保険に関する事は、それぞれの銀行や保険会社に聞いてください。葬儀屋さんに聞くのは「葬儀の事」だけです。

お金は、身内に話しても相続の問題で口を挟む人もいますし、子供さんにも言えない状況もありますよね。

また、外部の専門家に話しても、そこも自社金融商品を販売しようとめんどくさい事にもなりかねませんが、まだ、身内で揉めるよりもマシです。できるだけ事前に専門家に相談する方がベターだと思います。

万一、銀行口座が凍結されても、葬式の請求書を提示すれば銀行から直接支払いが可能です。社会通念上の葬儀にかかる費用は支払い可能ですからご心配なく。

家では何を見る?

お家に着いたら、まず担当者は「玄関」を見ます。靴が散らかっているか、物は片付いてるのか、綺麗な玄関なのかそうでないのか。玄関はお家の「規律」を話してくれます。

安置する部屋を確認しますね~と言いながら奥へと。その間にも各部屋に置いている調度品、家具、テレビなどを拝見。

仏壇があれば「ご先祖様にお手合わせさせていただきます」と言いつつ、しっかり中身を見ます。「おっ、院号ついてはる」とか、「金仏壇… 結構高いんですよねこれ」とか、ちゃんと品定めします。それらを総合的に判断して「支払えるのか」を必死で探しています。

喪家が担当者を見極めるチャンス

安置後、ドライアイスの処置をするのですが、この時、ドライアイスの包装紙などを利用し汚さないための工夫をする。歩くところに、床に、故人に対して肌に触れるドライアイスを置かないなど、ごくごく当たり前の事を出来る者、できない者の二つに分かれます。

直接、床に綿花を広げている担当者なら気をつけて下さい。いくら丁寧な言葉使いでも、こういう人は、故人を「物」と思っている、または、「尊厳」という言葉をしらない人です。こんな細かなところにも配慮ができない担当者はレベルCです。

また、故人を安置する際に口だけで行動を率先しない。お供え物の準備や意味を丁寧に説明しない。など、細かなところを注意深くみていれば、その担当者の性根というものが言動から見えると思います。なので、タイミング的には喪家側が推し量れるチャンスでもあります。

ご注意! 知らない間に主従の関係性を構築されています

おもむろに担当者は「故人にお供えしますのでお水をここにいただけますか」、「故人のためにご飯を一膳、一合で炊いていただけますか(宗派により不要な場合あり)」などと、タイミングよく言ってきます。

初めての事だし、宗教的な専門性を必要とする雰囲気のモノばかりなので、葬儀屋の言う事に疑いも持たず、故人のためにと皆さん動きます。

担当者が指示をする→当家はそれに従う。

これを繰り返しているうちに、いつの間にか担当者の話が「主」になり、喪家は「従」となり、この関係性が見積りの場面へ持ち込まれていくのです。

そうなると、普通なら「このような葬儀をあなたのところなら、いくらでできるのか」の立場が、「いくらぐらいかかりますかね」と、多くの方は従の立場に自らを置いてしまいます。

この後も、様々な「トラップ」が潜んでいますが、お見事にハマっていくのですが、そのあたりのお話は「葬儀見積りでの担当者の狙いどころ」でご説明します。

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葬儀見積りでの担当者の狙いどころ
今回は、見積り担当者の狙い所です。立場や事情から見る彼らの狙い所とは何か、なぜ、消費者の意向より葬儀社の都合が優先されるのかを、その背景から読んでみます

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お葬式の流れに沿ってポイントを説明する記事ガイドです
お葬式の費用を構成する項目別に、葬儀社側の思惑と皆さんが置かれる状況を説明するため「葬儀アドバイス」としてカテゴリーにまとめたものを再編しました。

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