葬儀業界に入って1年目までの方に読んでいただきたい事

葬儀の仕事って、最初はしんどいですね

葬儀屋さんを家族に持つ方は、その時間の不定期さ、長さ、突然さなどに理解を持っていただていると思いますが、葬儀屋さんに勤務する者と付き合いがない方のために、葬儀という仕事の流れを簡単に説明します。

葬儀屋さんに勤めて最初に戸惑うのは、とにかく勤務時間が長い時は、超長い!朝8時なり、9時なりに出勤してその日に通夜があれば、自分の担当でなくてもお手伝いする事がありますし、通夜が終って、手配の確認をし、会社を出るのは21時や22時。勤務時間は13〜14時間。家に帰ってお風呂に入って、ご飯を食べたらもう23時を回っている状態。

そして、昼夜問わず、施行の発生状況によれば、夜中に2度、3度と病院にお迎えに行く事も有り、慢性的な寝不足に襲われる。

かと言って、電話1本すら鳴らない時もあり、これが2日、3日と続く事もあります。夜中の施行担当待機が1番手で数日過ごす時の辛さは、一般の方には、中々ご理解いただけないと思います。(業界的には、どこにも行けない状態です)

葬儀の施行発生は、「いつ?」というのが見えないので、公休日であってもすぐに動ける状況で待機する事もあります。そんな感じですから、なかなか決まった日に休みを取りにくい、予定を決めれない仕事でもあります。

ちょっと改善されてきました

で、それではいけないという事から、最近は、業務の分業化を進めて対応に当たっているところも増えています。

  1. 見積り専任者は、見積りだけを担当する
  2. 施行担当者は、見積り担当者から引き継ぎを受けて、納棺、通夜、告別式、後飾りまで
    全てをつきっきりで担当する
  3. 会館での細かなサービスは、専属の女性スタッフが担当する
  4. 精算担当は、集金業務と葬儀後のアフターを担当し、香典返し、仏壇、墓石などを販売
  5. 寝台担当は、寝台車と出棺用の霊柩車の運転を担当する
  6. 当直は、当直専門で雇用し委託する

と、大まかにはこのような感じで分かれていまして、各セクションは数人のグループで運用し、それでも無理な時は、見積り専任者が施行のフォローも兼ねる感じでしょうか。

業界をご存じない皆さんにはわかりにくいかもしれませんが、結構、ハードです。ただ、その割には恰幅のいい、ふくよかな者も多いのですが、たくさん儲けている訳ではなく、昼食、夜食などを取る時間も不規則なので、ストレスからか肥満傾向が高いです。

ざっと業界のお話をしましたが、これは葬儀業界の方なら「当たり前やん」的な話ですが、
一般の方には分からない部分をご説明しました。

葬儀の担当者にはそんな背景があるのね、と知っていただければと思います。

真っ白な人間から、あなたは何色に染まるのか

1年ほど経験を積んでくると、要領がわかってきます。この要領というものはちょっと厄介で、頭で先に結論を導いてしまう事に繋がります。

例えば、通夜が始まる直前に供花の追加注文を依頼された。当然、締切り時間がありますし、もう間も無く通夜が始まろうとしている。こんな時に、この要領が邪魔をして不満足な対応になってしまう事があるのです。

供花を依頼した方の気持ちはどこにあるでしょうか。付き合いの加減で、供花を出すべきかどうか… あまり出しゃばっては、喪家に不要な心理的な負担をかけてしまうかもしれない。同じ取引先の他社はどうしているのか?私が出す事でその方にご迷惑をかけるかもしれない。

なんて事を考えながら通夜の式場に来て、出ている供花を見たら「げっ、これは出しておかないとヤバイ」なんて状況もありうる訳です。受付で慌てて発注する方の心理には、私たちが知りえない事情も存在するのです。

そんな時、あなたはどうしますか?

普通は、「申し訳けございません。締切りが過ぎておりまして、献上は明日になります」と、その場で対応する事もあるでしょうが、これではすごく丁寧にお断りしても、相手様は満足な返答とは受け取りません。

これが、1年ほど過ぎてから出てくる要領による弊害だと思っています。このような状況の時、私はまず相手の申し出を受けるべきだと思います。無理と分かっていても、まず、「何とかします」という行動を取るべきだと。

「締切りは過ぎておりますが、すぐに確認いたしますので、しばらくお時間を頂戴できますか?」と、できる可能性を考えながら手を尽くします。たとえ、1基の供花のためでも。

[生花部が帰ってしまって、花が出せない]

じゃ、生花部の担当者に連絡して、鍵はどこにあると聞いて自分が取りに行きます。

[名札がPCから印刷できない]

とりあえず、手書きでいきましょう。

[生花部に連絡がつかない]

他に会館のある会社なら、そこには生花部の部署が一緒になっているところもあります。
そこへ走れば済む話です。

とにかく、今すぐは無理にしても、通夜が終わる頃にはなんとかできるメドはどこかにあるはずです。そして、なんとか段取りがつくなら供花を発注された方のお席にすっと向かって、目線の高さを合わせるために膝をつき、状況を説明します。

「先ほどの件ですが、お通夜が一段落したら、私が供花を取りに行ってまいります。本日中には献上できるようにいたしますがよろしいでしょうか?」

万一、どうしても準備できなかったとしても、そこまでの経緯を申し上げれば、多少の不満は残ったとしても、冒頭にいきなり断られる態度よりは理解をいただけるのではないかと思うのです。

そして、この経緯を喪主・施主にも必ず報告します。ベストなタイミングを見計らって。

サービスを受ける側の気持ち

締切り時間は業者の都合であって、参列者や遺族にとっては関係のない話ではないでしょうか。そんな気持ちで何時になろうが私は用意しました。追加や不足なんて事は当たり前にある事ですし、また枯れてしまうかもしれない、倒れてしまったら?なんて事を事前に想定し、シミュレーションする事も大切だと思います。

経験による要領はパターンを生み出します。パターンで反応すると、自分の中で固定概念が生まれます。固定概念を常に崩す気持ちが、お客様に満足していただく原動力だと思います。

供花だけでなく、仕上料理でも数量不足、急な追加はある事です。用意する側、もてなす側の気持ちを考えた時、たとえ追加で用意できる料理の内容が変わって、お子様メニューしか用意できなかっても、それを喪主か喪主の伴侶にでも召し上がっていただいて、その分を追加に回せばいい事だと思います。

要は、とりあえず形に収める事が出来ないと、相手様に失礼になると考える喪主のメンツを潰さないように、柔軟な発想と自分の工夫でアクシデントを乗り切っていただきたいのです。

いい経験を積むためには、自分の気持ちが大切です

冒頭で述べたように、葬儀社に勤務して慢性的な疲労感、睡眠不足に悩まされ、忙しく仕事に追われる状況が多いのですが、その揉まれた結果として要領で生きる方法を学んでいただきたくないと思います。

せっかく葬儀という仕事に巡り合ったのですから、お金儲けのスキルだけを磨くのではなく、要領をかまして手を抜く事を学ぶのではなく、心を磨いて、長く語り部として葬儀の大切さをお客様に伝えていただきたいのです。

1年目から3年目にかけて、方向性を間違わなかったらきっと素敵な担当者になれるはずです。そして、そんな方々が次の葬儀業界を担って頂ければ、安易な葬儀は減っていくかもしれません。

今の皆さんの考えが、将来を創る一歩になります。皆さんの子供達のためにも、ぼちぼち、頑張って欲しいと願っています。

目線の違い、自己都合、自社都合で考えてませんか?

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