霊柩車とバスの話

意外とご存知ない、霊柩車やバスの仕組み。料金を言われるままに支払っているけど、もし事故なんか起きたら誰が責任を取ってくれるんですか、なんて聞かないでしょう。時折、白ナンバーの送迎バスも走っているけど、そんな怖い車に乗れなくなる情報です。

営業用車両の決まりごと

霊柩車やバスは、基地とする出発点から目的地まで空走し、目的地の葬儀式場で初めて乗車(積み込み)を行い、搬送先となる火葬場へ向かうのですが、目的地から最終的な搬送先までの距離が請求料金になります。

寝台車も同様で、これらのグリーンナンバーの車両は基本的に有料です。なので「込み」とか「サービス」なんてのは存在しません。表示はそうであっても、葬儀プラン料金に含まれるのでそこから搬送料金が支払われているという形をとります。

グリーンナンバーの車両運行に関しては、乗車前後の点検はもちろんの事、3ヶ月毎の車両点検などが法で定められています。これら全ては安全のためです。ところが時折、葬儀社の中でも自社会館での法事や通夜・告別式の送迎に白ナンバーのバスを使用するところがあります。

これ、ダメです。営業車である霊柩車は、貨物(遺体)を搬送する上での搬送料金なので、遺体も遺骨も積まず、生きている人を乗せての搬送料金は取れません。逆にバスは生きている人の営業搬送料金です。なので、白ナンバーは有料も無料もダメで、営業上の搬送は違反です。

生きている人が多く乗るバス

火葬場への往復、送迎など、バスには基本的に生きている方がたくさん乗ります。もしこのバスが、20〜30名の方を乗せて横転事故なんて起こしたらと考えると恐ろしいと思いませんか。なので、ほとんどの葬儀社はバスには利益を乗せません。

バスを外注している場合、葬儀社が利益を上乗せすると、万一の事故の際には葬儀社も対応に出向かないといけないし、補償にも関わる事態となりかねない。なので、単なる自動車事故として処理できるよう、利益を乗せず仕入金額をそのまま喪家に請求するのです。

関わってませんよ。この姿勢が大事なんです。これは子会社のバスでも同じ。基本的に葬儀社は危ないことから避ける習性がありますので。

すでに一名死亡している霊柩車

霊柩車の場合、死亡事故に遭遇しても、棺の方はすでに亡くなってますから問題なし。運転手、同乗している喪主などが補償の対象となるだけです。関西では慣例的に、同乗者は葬儀社の人間が多く、喪主はタクシーなどを使いますので、被害者は業者だけになり処理しやすい。

車両事故となれば、これらは自賠責保険なり任意保険で対応しますから、霊柩車にはたっぷりと利益を乗せて喪家に請求します。外注での場合、仕入れ金額の倍売りが相場です。自社で霊柩車を持っている場合でも、同様の金額を請求しますのでガッポリ行きます。

また施行が多く、霊柩車やバスを複数台持っている場合は、自社で車両部などとして子会社を設立しますので、これまたガッポリです。毎日、毎日、せっせと霊柩車やバスは売上を積んで葬儀式場と火葬場を往復しています。

霊柩車について

この霊柩車、古くは車体の上に金襴の飾り物を乗せて走っていました。
関西では「白木」の霊柩車に値打ちがありました。特に剥きたてといいますか、日に焼けていない「総ヒノキ」の作りが一番で、ベースになる車両の車種により「特A」とかのランクをつけて、ランクが下がるごとに料金が安くなるシステムでした。

日に焼けると、バラして木目を出すために「剥き直し」をしていきます。で、最終的に「もぉ~剥けないよぉ」となると、黒色(カシュー塗り)に仕上げて、市営葬儀や民生葬儀用になっていきます。

よもやま話、霊柩車はバックしてはダメ?

よく、霊柩車はバックしてはダメ。バスや自家用車の火葬場への往復は道を変えないといけない。などと言われますが、全て迷信です。ですが、霊柩車は若干意識はしています。あれこれ言われないように気をつけて運転しています。

それよりも致命傷なのは道を間違えるというケースです。都市部では、遺族・親族も火葬場の場所を知らない事も多いですし、仮に間違っても遠回りになる程度で修正は可能です。ところが地元の場合、皆さんよく知っています。火葬場まではこの道しかないという事を。

こうなると先ほどの「バックしたらあかん」が出てくる訳です。行き止まりなんて入ったら、バックしますけど迷信ですからとは言えない。迷信ではないとの確証もないのですが、ここは利益を乗せてる以上、文句を言われても仕方がないのです。

バックはダメとか道を変えろっていうのは、同じ道を通ると御霊が迷い成仏できないと言われる迷信なんですが、バスは利益を乗せていないのでバックはOK! 霊柩車は利益を乗せているから迷信と戦わなければいけない。これが今も残る由来です。

安全第一ですが

最近は葬儀業界の霊柩車・バスの運転手も高齢の方が増え、年金をもらいながら運転している方もいます。安全第一なんですが、いつ事故は起きるかわかりません。万一の時に補償ができる会社ならいいのですが、利益搾取の構造上、葬儀社は逃げます。

自動車の事故なんだから、自動車の保険で対応すればいい。事故が起きたのは葬儀社のせいではなく、そのバス会社だ。との方程式です。これが、子会社であっても本体の葬儀社は出てきません。

あり得ないですが、車検が切れていた・自賠責保険しか加入していない・運転手が飲酒していたなんて、保険が下りないケースも無いとは言い切れません。それでも本体の葬儀社は出てきません。裁判ぐらいにならないとホント出てきませんから。

このような事故で揉めた前例もないので、見積り時に万一の事を確認してくる方もいませんでしたが、私なら、見積り時に担当者とのやりとりをICレコーダーなどでこっそり録音しときますね。だって、適当な受け答えをする葬儀屋さん、まだまだ結構いますもん。

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