『祭壇周りの花と遺影写真』のポイント

古くは、祭壇に花を飾るなんてしなかった。祭壇は高価なものだし、白木の板にシミなどついたらさあ大変、社長に怒鳴られてしまう。それが葬儀を葬儀社の会館で行うようになってから、一気に進化したのです。

祭壇周りの花飾りと遺影写真

最近は祭壇周りにお花を飾ることが増えました。祭壇横の花飾りと繋げてみたり、祭壇そのものが花で埋まっているようなものも多くなりました。それに伴い費用がかかるようになった背景があります。

以前は、遺影写真の前にオアシス(花を生けるためのブロック状のスポンジで、オアシスは商品名になります)に少しばかりアレンジして花を挿す程度で、花屋さん(生花部)には、ワンブロック(オアシス一個)3,000円から5,000円程で発注していました。

オアシス一個、約23cmほどあります。祭壇に飾る昔の白木の「写真台」は45cmから60cmぐらいなのでオアシス二個で収まりもちょうどいい感じに仕上がります。

お身内が少なく、葬儀の予算もかけれない喪家の担当をした時には、よく生花部のメンバーに余分に持ってきている花でオアシス一個だけでもサービスで置いてあげてほしいと伝えていました。たった一つですが、あるのとないのとでは雰囲気が違います。

時代とともに写真が大きくなってきた

自宅での葬儀から会館での葬儀に変わり、祭壇の幅が大きくなり、それに伴い過去の葬具ではとても小さく見えて使えないようになってきました。すると業者は祭壇の上に置く葬具(盛り物台や灯籠など)を大型化していきます。

しかし、遺影写真に関してはしばらくは四切りサイズ(おじいちゃん、おばあちゃん家の壁に掛けてあるサイズ)が続きまして「なのこれ?」というほど小さく見えました。

昔は自宅で飾るのが主でしたから、祭壇の幅だけでも一間(約1.8M)から一間半(約2.7M)が多く、二間(約3.6M)の祭壇を組める家は少なかったのです。今や会館葬になってからは、祭壇を飾るスペースが小さいところでも三間(約5.4M)大きいところでは五間(約9M)以上ありますので、昔の自宅用祭壇を最低3台は飾らないと「スカスカ」になるぐらいの大きさです。

余談ですが 『葬儀の業界では昔から、横幅を◯◯間とか、天井までの高さを◯◯尺、飾り用の色幕などの巾は、「二巾 ふたはば」や「三巾 みはば」など古い単位名称で呼んでいまして、自宅用では白い幕を張るのに「今日は八尺の幕を6枚と二巾と三巾を積んでいくから」なんてことをよく言っていました。一巾(この巾の幕は使いませんが)を約30cmとして、二巾で60cmの幕を張るということになります。一尺は約30cmとしておおよその目安にしていました』

バランス悪いわぁ

祭壇が大きくなると当然、写真は驚くほど小さいですよね。なぜ、写真は小さいまま使っていたのか。これは、手軽に写真を大型化できる設備や業者が少なかったからです。

社葬などで使っていた「大型遺影写真」は、写真を大型に「焼き直し」てその裏に「発泡スチロール」を張って強化した物が主でしたが、特別に発注する性質のもので、一般には馴染みがなかったのです。

遺影写真が大型化したきっかけは、ネットワークを利用して、加工するところと出力することろを分けることができるようになってからです。ただ、当初はシステム導入は非常に高額だったため一部の業者は取り入れましたが、余力がなく自社に取り入れられない葬儀社は、まだしばらく四切り写真が続きました。

このシステムを取り入れるのに当時はISDN回線をあらたに引いて、パソコンに専用ソフト、スキャナー、大型プリンターなど一式を用意するのに何百万円とかかったのですわ。もちろんリースも設定してあるのですが、とにかく高いというイメージと葬儀社の中には「仕上がりが悪いなぁ」という評価を下していましたので。

このシステム、要はPhotoshopをインストールした葬儀社のパソコンと加工センターのパソコンをISDN回線でやりとりし、エンジニアが遠隔操作で加工した物を葬儀社のプリンターで出力するという手法でした。プリンターの印刷能力が、いくら業務用の物を使っていても、現在のクオリティとは雲底の差がありました。確かに印刷品質は良くなかったですね。

新しい商品も生まれました

さて、遺影写真の大型化に伴って、このポイントに花を飾って売ろうと「写真前飾り」なんて。ごく普通の名称をつけて3万円とか5万円、高い場合は10万円以上で受注するようになってきます。

元々、祭壇の横に飾った花飾りが、祭壇を設置できるスペースに限りがあったから外側に伸びることができないので遺影写真の方へ伸びてきて、オアシスで飾った小さな花を囲むようにしていた感じの物が、会館で行うようになって外へ伸ばせるようになった。

すると、祭壇中央部、すなわち遺影写真の部分が空いてくる。なら別商品として販売しようと考え、オアシスで1個何千円で売っているよりは、「ゴージャスに行こうぜ!」と、このような流れで消費者は新たに負担する商品が増えたのが歴史です。

供花は切ってもらいましょう

これらが大型化するのに伴い、今度は「親族一同」として祭壇の後ろに飾る「親族が献上する供花」も大型化して金額も上がってきます。一対5万円が普通になり、7万円、10万円と、どんどんエスカレートしていきます。

皆さん、今すぐ街の花屋さんに行って「5万円分の菊、百合、ランなど適当に見繕ってちょうだい」なんて言ったら、手に持てないほどくれるでしょう。それが、生花のポットに使い回しの菊や色花を適当にあしらい、最後に胡蝶蘭を2本挿して、かすみ草を散らしたら一対5万円になります。比べたらよくわかるのですがねぇ。

見積りの時に「この花は切ってくれるのか」と念押しすることが大事だと思います。「会館のシステムで」とか「お別れの時間をゆっくり取るため」などと言って「切らない」というなら「切ってくれ」と強く言ってください。

一対2万円、一基1万円でも高額なものです。切って、お棺の中に収める権利は皆さんにありますから。

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