供花について 色花はOK? 値段はOK?

お葬式に使う花

私が葬儀の仕事に就いた頃は、基本的に祭壇の花は白の菊がメインで、供花には白菊と黄色の菊を少し挿してました。 

祭壇も供花も基本は白でしたし、白のユリ、特に鉄砲ユリが多かったですね。
今みたいにカサブランカなんて無かったです。

トルコキキョウもありましたが、これも白がメインでよく使っても薄いピンクくらいです。 後、カスミ草とシンピジュームくらいでしたね。そこに高価な花として胡蝶蘭がたまに入るくらいでした。

今は、様々な花が安く入るようになったので、洋花のオンパレード状態。 赤い花も、あまり気にせず使ってます。

ま、時代の流れですし、綺麗に飾るなら私はいいと思います。宗派的にダメなところもありますから、お寺さんとか宗教者の方によく聞いてくださいね。その際、「なぜダメなの」かも聞かれた方がお勉強になると思いますし、宗教界の根深い問題の一端に触れる事ができるかもしれません。

私がお世話になったお寺様は、花も水代わりに供える物として新鮮な物をその方の為だけに使うものと話してましたね。(使い回しの業者もありますが)いくら綺麗な花でも、いつか枯れて朽ち落ちてしまう。 水も流れていないと腐ってしまう。 この様が、人の命を表しているんだともおっしゃっていました。

仕入れは下がったけど

飾る事にはなんら問題は無いのですが、問題は値段でしょうか。 白の菊しか使わなかった時代に比べて、洋花がかなりの量の輸入が増えました。値段も昔と比べて格段に安くなっています。特に蘭系統に関しては、びっくりするほど値段は下がりました。 ハウス栽培の技術も上がり、日本をターゲットととして世界中から流れてきます。 

しかし、消費者にはその恩恵は少ないですね。 種類は多くなって良かったのですが、実際、挿している本数はほとんど変わらないのです。色が増えた事によって豪華に見えますが、同じ本数なら仕入が下がった分、安く提供できるはずなのですが変わりません。

以前から申し上げているように、葬儀社は祭壇や供花など他社も大体同じような金額設定の「売価」が先にあっての商品の場合、コストを削減しながら売価を下げていい商品を提供する努力はほとんどしません。 供花以外の商品では、原価がこれだけかかるから売価はこれでって感じで決めています。しかも、キリのいい金額設定が多い。(10万、20万とか)

例えば

1万円の供花を販売するときに、世間がその値段で販売しているからまず売価が1万円。で、その1万円に対してかける原価があり、その原価分もしくは原価分以下の花材を挿していきます。 「他社と同じ内容の供花を我社では8千円で販売することができました」なんてことはしないのです。

この努力をしたところで、その情報が届くのは施行地域の限られた範囲だけ、そこには当然ライバルもいる。 そのライバルとは反するところもあれば、相通じるところもある。

値下げすると、自社だけが供花の値段を下げると、相通じる部分では相手も下げなければならなくなり迷惑がかかる。 自社の値段が安くても、ユーザー側から見れば特に比較対象になるものが少ないためパフォーマンスが低い。(葬儀に関わるスパンが長いため記憶に残っていない)

たかが、一基の花が安くても、総合的に「あそこは高い」と噂されてしまえば全く意味が無いため、葬儀社の気持ちとしては、「損するだけ」で終わってしまいます。

こんな感じで全ての祭壇や棺、その他の葬儀備品に至るまで葬儀社と喪家との間でしかわからないし、単価などの情報は二者でしか流通しないため他社との個々の商品についての価格の違いをアピールしても、その場での好印象を得ようとするパフォーマンスにしかなりません。

また、その個々の商品は日常流通するものではないため消費者側にすれば、一つ、一つ何に使うのかわからない。いわば葬儀社の新入社員の研修1日目の状態。

ネットでの情報が多すぎて

で、最近ではネットで「私どもは他社に比べてお安く設定しています。以下の商品をごらんください」と、ダ〜〜〜〜っと並んだ祭壇やプランの写真や金額を並べたページ設定に繫がってきたのでしょう。

これを、一般の方が他社の商品やプランと見比べてみてもわからない。
そもそも構成が違うし、使う商品も違う。
そうなると、消費者側はチンプンカンプンになります。
これが現状のサイト上での葬儀社の姿です。

供花だけを安くあげるにしても、持込みを禁止していたり、持込みに対して一基に付きいくらと持込み業者に請求する葬儀社もあります。

せっかく世界中から色々な花が日本に安く入ってきているのですし、持込みを禁じて自社だけの売上を死守しているのですから、単価の比較などの情報が行き来する範囲が少ないのであれば、喪家の印象に強く残る手法を考えていただきたいものです。

消費者には選択の余地はない

消費者は、葬儀社を選んだ事により他に流通する商品についてもそこからしか発注できないのです。これは飲食店で「持込み」できないのと同じ理屈だと思います。

その事業者にはハードを用意、建設した費用がありますから飲食店でスーパーの方が安いからと言って、ビールなどを屁理屈をこねられて持ち込まれては商売になりません。ビール1本が1万円であっても、そこで食事をする限り仕方がないのです。

でもぉ〜、葬儀とは利用頻度が違います。「まずいし、ビールが高い」と思えば二度と行かなければいいという選択があります。

でも、お葬式はそんなに頻繁に施設を利用するものでもありません。「次」という選択肢は忌事からしても考えたくない事です。葬儀社を選ぶ事によって、なかば強制的に付帯する商品を選択しなければなりません。

そして、総合的に「いくらかかった」となり、高い=Yes,No サービスが良かった=Yes,No
そこでお葬式をして良かったですか=Yes,No の評価へ、ひとまとめされていきます。

ならば、もう少し個々の商品についての意識、関心を葬儀社は持つべきではないでしょうか。
供花ひとつとっても、1万円の供花を8千円で販売可能なら、一基につき20%分余るわけですから、親族一同(高いヤツね)も含めた供花の代金に対して仮に10%から20%の範囲で出た金額を、切り上げ、切り捨てどちらでも構わないので整数にしてお返ししてあげたほうが印象はいいと思うのですが。

皆さんの気持ちでお供えするものですから

受付で「皆様からお供えの供花代金につきましては、一部を故人様のお供えとして喪家様に還元させていただきます」として、その横にでもつらつらと当社がそれを行う意義を宣伝すればどうでしょう。

当日行われれる初七日の時にでも、集まっている親族に対して「皆様からお供えいただきました供花代金の一部を故人様にお供えさせていただきます。当社では◯◯…」なんて、大きな声で皆さんに聞こえるように言って、表彰式みたいに喪主に渡して、祭壇にお供えしていただくとかすれば、参列者の葬儀誘致のための布石として、親族のリピートを狙うために、また、互助会なら新規会員を獲得する広告宣伝費として考えても高くはないでしょう。

ネットでややこしい宣伝にかかる費用を思えば、かかる経費で次へつなげる努力の方がいいと感じます。

実際、エンディングノート勉強会とか、葬儀見学会などと言って無料で誘致して食事を用意し、結局、集まらないから社員の知り合いばかり「昼食を食べに」集まるイベントにかかる経費よりも効果的だと。

発注、支払先も限定されている喪家からすれば、キャッシュバックのおかげで他社の花より「安く・豪華」にできるわけですし、香典以外に供花のお金の一部も入ってくるわけです。
「供花・香典辞退」なんて言わずに喜んでお花を供えていただけます。それを葬儀費用や葬儀後の関連する費用の原資の一部にも使えますから助かります。

そんな機縁で生まれた口コミによる評価を、喪家、親族の背景にある「友人・知人」に広げる事で互助会や会員制による顧客の囲い込みにつながる可能性はあると考えますが。

ただ、葬儀の評価については、スキルが高い社員が担当しても、新人の方が担当しても余程のクレームがない限り「ありがとう」とは言ってくれます。また、感謝もしてくださいます。

この中には「社交辞令」としての言葉も含まれています。感謝の言葉の裏に「感動」がない限り、一時の印象でしかありません。精算が済み、四十九日が終わってからでもお家に上がり、ご仏前に手を合わせる事を快く許してくださる関係が何時まで保てるかが、本当の評価だと思っています。

葬儀を機縁(仏縁)に生まれた関係がビジネスとして終了するのか、人間関係にと繋がるのかは担当者の心の在りようだと思います。

そんな気持ちを1本の花に託していただければお葬式の意義が高まると信じていますが、いかがでしょうか全国の葬儀社の社長さん。

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