ちょっと面白いお寺さん

葬儀業界のお寺さん事情

私自身、ほんとに大した人間では無いのでこのような事を申し上げるのもどうかと思いますが、限られた少ない出会いの中でこれまで素晴らしい人格者、宗教者と思うお寺さんには知り合う機会があまりありませんでした。

いらしゃらない訳ではありませんよ。圧倒的に少ないという感想です。(ステキなお寺様の話しは、後日アップします)

こんな人間が、お寺さんの悪口をいうのではありません。あくまでも「見聞録」ですから… 特に、葬儀屋さんから紹介を受けようとするお寺さんの中には、もぅ、会社?企業可してる? と思うくらいのところもあります。そんなちょっと変わった、面白いお寺さんのお話です。

その寺は、会社かっ⁉︎

依頼の電話をすると、「はい。宗教法人◯◯寺でございます。お悔やみのお電話でしょうか」とウグイス嬢のような声で第一声。いやいや、紹介でおたくのお寺さんに来てもらうので、確認したい事があるから電話しました旨を伝えると「お世話になりましてありがとうございます」と丁寧に答える。

その後、間髪入れず亡くなった方のお名前とか、住所、連絡先電話番号など、必要な事柄をテキパキと聞いてきます。で、葬祭業者からなら最後に一言。

「いつもお気遣い下さいまして、お世話になりましてありがとうございます」

すんばらすぅぃ~~とです。なかなかお寺さんでこんな電話対応は聞いた事がない。普通は、坊守さんが電話に出て、ちょと上から目線で対応される感じなのに、めっちゃくちゃ丁寧にされると、次、また依頼したくなります。一流企業並みの女性スタッフのスキルは素晴らしいの一言です。

成功者と呼んでいいのかどうか?

しかし、紹介される事が常態化しているからこそ、こんなスタッフを入れてやっているんでしょうけど、これもどうかと感じてしまう部分もあります。システム化されたその流れは、紹介による寺院運営が成功しているパターンですが、もう、お寺ではなく会社になってます。

このお寺さんは、葬儀社からの紹介でかなり大きくなりまして、在籍している僧侶もサラリーマン化しています。歩合給もあるそうで、次の指名を得ようと思ってかどうかはわかりませんが、皆さん丁寧なお勤めをされます。そこのところは喪家にとってはいいのですが、葬儀社の担当者と個人的な癒着も生まれますので、ちょっと面倒くさい部分もあります。

また、このようなお寺が幹事となり、紹介寺院グループに他の宗教者がなかなか新規参入しにくい状態も生まれます。結果、新規に参入を目指す者も接待、既存の在籍するお寺さんもその立場を失わないようにと接待をし、いつしか幹事寺も勘違いを始めるようになります。偉くなったように思うのでしょうね。こんな事、お釈迦様が望んでいるのでしょうか…

こんな方もいますけど・・・

最初の葬儀社にいた頃、紹介で来るお寺さんにこんな方がいました。このお寺さんは住職が一人のところで、お布施の金額については決まりがなく、いくらでも来てくれます。ですので葬儀社には紹介料は支払っていません。会社としてのメリットは、時間や金額について便利なお寺さんなんで利用するわけです。

で、この方、葬儀会館の事務所に来て、担当者と打ち合わせする時「いつもありがとう。これでお茶でも飲んで」と1万円ほど包んで出してくれます。入社当時は「こんなの頂いてもいいのだろうか」なんて、純粋に思いますから断るのですが、基本、断ってもポケットに押し込んでくるので、そのうちに当たり前のように頂くようになります。

ちょっと大きな(お寺さんの人数が多い)時には、3万円くらいくれたりします。担当者には、お小遣いをくれるんですから人気はあるのですが、ただ、難点が二つあって、一つは事務所に来てから位牌(本来は、法名軸)に法名を書くのですが、この基準がテキトーなんです。私らに「こんな感じでいいかな」なんて聞いてくるのですが、そこ… 違う感じです。

もう一つは時間に超ルーズなんです。いつもギリギリにしか来ない… ギリギリに来てからダーっと走りこんできて、先の法名を書くからより一層テキトーな感じになるのですが、なぜかいつも遅い。

仕事獲得と営業に欠ける努力は見上げたものです

ある時のお通夜。ほとんど家族だけの密葬、お通夜が午後7時からなんですが、来ない。6時30分… まぁ普通やゎ。 45分… 事故? 忘れてる? 50分… さすがにお寺に電話して確認しました。こっちが通夜の日時を伝え間違えてるかと不安になる程に来ないのです。

7時少し前にやって入ってきて「ゴメン、ゴメン、すぐ位牌書くね」、「今日は、忙しいいねん。この後、もう一件お通夜行かなあかんから」よく聞くと次の現場は7時30分からの通夜らしい、それやったらこっちを6時からにして、次を7時からでいいのにと思うほど、いつも無理な時間の取り方をするのです。

実は、先にこちらが依頼してお通夜が午後7時。その後、別のところから依頼があり、7時は入ってるから、6時ならと言ったら拒否され、違うお寺さんに発注されそうになって、今更こちらの7時も変更できないし、「う~~ん、7時30分からならどうかな?」となったらしい… こっちの通夜を早く終わらせてとの意図が見え見えですけど。

それでも、どんなに時間無くてもお小遣いは渡してくれます。「ゴメン、お茶代。時間無いからハダカで悪いけど」と1万円札をピュっと… どれだけ忙しくとも、営業努力は忘れません。ハイ。

そんな通夜、ないわ!

通常、式場で待つ皆さんには、事前にお通夜の流れを話しています。「お寺様が読経いただくのが、だいたい30分くらいです。お寺様のご焼香が終わりましたら、喪主様から順番にご焼香なさって下さい」なんて感じで事前に説明をしておくのですが、先のルーズなお寺さんの場合ではイレギュラーの神様ですから一筋縄ではいかない。

ある時、そのお寺さんに依頼した時の事、相変わらずバタバタとやってきて7時を少し過ぎてからおもむろに式場に入りました。この時も事前にお通夜の説明はしています。

「お寺様がお入りになられます」

一同、足元を整えて、厳かな雰囲気で迎えます。着座の後、開式の文言を私が言ってお通夜が始まりました。いつもと違い着座の後にすぐ焼香をしていました。そして厳かに読経が始まり「んっ、今日は焼香を先にしてはるなぁ」なんて思っているといきなりお寺様が立った?

「ん? 何をされるのじゃ…?」

普通は、お通夜の始まりの読経があり、時間的には早くても3分くらいは過ぎてからお寺様の焼香です。しかも、お通夜の焼香は大抵が着座のままです。

ところがその日は座って読経が始まる前にいきなり焼香をして、なぁまんだぶぅと何度か唱えた後、お寺さん何を思ったかその3分でいきなり立ちました。次の瞬間、皆さんの方を向いて一礼して控え室にスタスタ。担当していた私は何が起こったのか意味不明状態。

「はっ?」

「忘れ物でも取りに行ったの?」

「あれ? 帰ってこないんですけど」

「ひょっとかして… 終わり?」

「やっぱり終わり?」

「マ… マ… マジっすか?」

皆さんを見渡すと、何となくこれまで他で参列したのと違うってお顔をしています。そりゃそうです、私もこんなの初めてですから、皆さんがビックリするのも当然です。しゃ~~ない、なんとかしなければこの不信感はぬぐえない。

「お寺様のご焼香がお済みになられました。お浄めいただいたお寺様のお席までお進みいただきましてご焼香下さい」

「どうぞ、喪主様。ご焼香下さい」

皆さんの焼香なんて5分もかかりません。で、お通夜は10分もかからず終了しました。親族の中には葬儀の経験が少ない方が多いですし、地方から来られている方もありますので、大阪のお通夜ってこんなものかと、そう思ってくれていたらありがたいなぁ〜と、顔をひきつらせながら翌日のお葬式の説明をする私がそこにいました。

これで、お通夜とお葬式、で、初七日まで入れて10万円と、お膳料、お車代が各1万円。
併せて12万円っす。ちなみに、このお寺さん、翌日のお葬式も予定より30分早く終わりました。はぁ… 

特殊な世界ではありませんよ

こんなお寺さんだけでは無いですが、普通の常識的なポイントがズレている方もたくさんいました。人間臭いといえばそうですが、宗門に身を置く方ならば、皆さんの模範となるべき部分も必要だと思うのです。

ところが、我々がこのような事を申し上げるとお寺様は一斉に反発されます。「我々も人間だ」と、もちろんです。しかし、その行に身を置き、その世界で生きていこうと決めたのはお寺様自身ですから、衆生はそのような見方をしません。

お布施に対する理解を求める必要もあるでしょうし、宗教を生活の中に留めるか否かは、宗教者自身の行動の写し鏡だと思うのです。私たちがとやかく申し上げるよりは、お寺様自身が一番わかっていると思うのです。

今回のお寺さんも、その背景には人間臭い生存競争があるが為に止むを負えないところもあるかもしれません。神様ではないのですから、ご飯を食べないと生きてはいけないし、人しての欲望も当然あるでしょう。だからこそ、より一層の高みを目指して、その身を修行の中に置いているのでしょうからと期待するのでしょうね、われわれ衆生は。

※今回のお布施の考え方を、あくまでも目安程度に記載しました。地域により全く違いますし、
お布施とはこのように取決め、価格表があるようなものではありません。
本来は、自分の発心から行う行為であって、それはお金と決まっていません。
お金は方便だと思います。

心で思う事も、物品でする事も全てお布施と私は思っています事を、私が尊敬する、少数の
お寺様にご迷惑をお掛けしない為に申し上げておきます。

枕経(亡くなってすぐに上げていただくお経):1万円、3万円、5万円など
お通夜:1万円、3万円、5万円など
お葬式:5万円、7万円、10万円~
火葬場でのお経:5千円とか1万円とか
遺骨となってから戻った時のお経も、5千円とか1万円とか
初七日:1万円、3万円、5万円とか
2日間のお膳料、お車代が、各5千円か、1万円づつ

今回の場合、少ない金額を合計した9万円を繰上げて10万円とし、
お膳料、お車代を二日分として2万円で、合計12万円としています。

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