せどりと直葬業者

せどりの親分

せどり」というネットビジネスには、まったく関心なくこれまで過ごしてきましたが、つい最近、国立の大学院を卒業し、かなり優秀な頭脳をお持ちの方が行っているとても有名な「せどり」のシステム開発、起業理念などを読む機会がありましてつらつらと拝見いたしました。

私と同じように「せどり」に関して、まったく関心がなければこの言葉を聞いてもピンとこないと思いますので、ウィキペディアから引用しますと

語源と意味[編集]

一般的にはひらがなで「せどり」と書く。辞書では「競取り」という漢字が当てられているが、元々は「糶取り」という字が使われていた。

「糶取り」の「糶(ちょう、せり、うりよね)」とは、「米を売りに出す」の意で、そこから「米の競り売り」や「行商」のことを指す。漢字としては「出+米+翟(=擢:抜き出す)」から成り、貯蔵してあった米を選り出して売りに出すことを意味し、そこから転じて多くの物の中から選び出して売ることを「糶取る(動詞)」または「糶り取る」と言う。「糶取り」とは「糶取る」の連用形である。

『書物語辞典(1936年 古典社)』によると、語源は不明。漢字は当て字で「糶取」「背取」などと書き、『せどりの營業は、店舗から店舖を訪問して相互の有無を通じて口錢を得るのを目的とする。即ち甲書店の依頼品を同業者間をたづね歩き値の安きを求め其の間に立つて若干の利得をする(同書より)』との事で、書店同士の売買の仲介をする事、またはそれを生業とした者を指す。

とありまして、現在では「せどり」を生業とする方は、中古品・レア物などをブックオフ・ゲオ等の中古市場から購入・仕入を行い、ネット上でアマゾンであるとかオークションで転売します。

商品を仕入れ、その品物がいくらで売れるのかを即時に検索するシステムを販売する会社や個人が「儲かりまっせ」のフレーズでブログをガンガンあげています。

会社の場合は、ITシステムの企画、開発を行い、インターネットを利用した事業を進めて、そのプランの成功例につられてくる方をユーザーとして確保し、会社の売り上げとしていく訳です。

個人の場合も同様に、その企画する会社のシステムをアフリエイトしながら、または、自分でプログラミングしたソフトを販売するなどを行いながら、自身もちょこちょこ転売するのです。

システムの主流は、バーコードリーダーとスマホを連携し、棚にある本等のバーコードを次々と読み込み、ソフトで確認しながら儲かりそうな商品を購入、即時にアップし販売していくわけです。

ふ〜ん。儲かるんですか

これらを見て、ふ〜んと関心したのですが、仕入れ元はリユースを構築した企業。販売先はこれまたネットビジネスを構築した企業と、現在の私たちの生活の中では便利になったシステムに資本を投入し、ここまでに育てた訳です。

この方達もお手本となるヒント、事業モデルがあり、そこへいかに資本をブチ込んでいち早くリードする企業となるかが成功の一歩であり、二番煎じを封じ込めるだけのシェアを確保する。トップを確保したならば、以降は、果てしなくリードを保つためのシステムの向上と維持のためにかかる資本力の差によって差が広がっていきます。

仕入れ元のブックオフやゲオ等にしても、販売先のアマゾン等にしても店舗を構えているところはそのための資本投資もかかりますし、配送システムをより便利にするための施設を建設し、維持管理するためにも資本がかかります。

ご存知の方にとっては「当たり前ですやん」ですがm(_ _)m

で、この一連の流れの中を生き抜いている「せどり」族(あえてグループ化させていただきますが」の長が、これまでの自身が行ってきたせどりのノウハウを売り物にして、子せどりをたくさん世の中に生まれさせていく訳です。

私が思ったのは、「そんなにせどりさんが増えて大丈夫なん?」
購入する人は限られているだろうし、パイに限度がある以上、出品者がレア物を探し出すのも大変じゃないのかと。

もうひとつ言えば、そのブックオフとかゲオに売りにくる人がオークションで販売する方がいいじゃんと思えば、市場に出回る商品が少なくなり、昔よくあった町のファミコン屋さんのようにいつの間にか姿を消すんじゃないのと。

最後まで利益を得れるのは、せどりの長、すなわちせどりに必要な商品を探し出すシステムを子せどりに販売している会社だけじゃないのと。

直葬業者と子せどりの長

この流れ、直葬を行う、いや直葬を推進する葬儀業者と似たところがあるなと感じまして考えました。

直葬を行う業者の大半は、多額の資本投資を必要とする会館等の施設を持たないところが多く、公営の葬儀場を利用しているところがほとんどです。直葬をネタに、あわよくばそこそこ金額の出る葬儀につながればとの思惑もあります。

直葬→家族葬→そこそこの葬儀→間違って受注できた社葬(ま、ほとんどないですが)って感じです。

というのも、最近の公営施設は、お金をふんだんに掛けて建設する互助会などの葬儀会館とひけを取らないぐらいにグレードが高く、司会台の設備は本格的ですし、BOSEのスピーカーが設置されていたり、ライティングも司会台から行えるほど設備も充実していて、業者から言えば「お金取れる会館ですやん」と思っていますし、社葬をおこなえるだけの設備は整っています。

せどりの長は、このケースでは公営施設を利用して直葬を施行する人間であり、子せどりは直葬をネットで誘致しようとする業者と感じました。

取り合いですわ

子せどりも直葬業者も、大手企業がせっせと資本投資したビジネスモデルに対しての隙間商売ですよね。人が投資した事業のおこぼれを取り合いする訳です。

互助会に加入した会員を、自社でも会員証は使えますよ、買い取りますよと施行を狙う。
大抵は、事務所や会館施設を持たず、いや資本を掛けず、利用できる公営施設の写真をホームページ上にベタベタと貼り付け、親切に利用料金の一覧表まで作ってくれてます。

大手企業が施行を誘致する、会員を誘致・募集するために経費を掛けている訳ですが、そこを端折って、募集した葬儀社で葬儀をしたくない客を探し出し、(相手の悪口を言う者もいます)横取りする。

横取りされる業者の募集に関しても、商品説明にも、いろいろな部分で問題はあると思いますが、直葬業者はその施行を取るために値段を売りにし、値段なりのことしかできる訳がないので当然、内容は簡素になります。

簡素葬なんて言えないから、直葬なんていかにもお葬式ぽく名前をつけてネットや電車・バスの広告に掲示します。そのために犠牲になるのは葬送儀礼であり、故人の尊厳ではないでしょうか。

葬儀業界への淡い期待

値段が安くても、葬儀に必要とする物などは、直葬業者も葬儀社に勤めていた頃の経験でわかるでしょうし、なぜ、低価格でもそれらを準備して提供しないのか。

直葬を依頼される方は、やはり金銭的な事情、親族間での事情など様々な要因があって、致し方なくお葬儀をされている訳です。また、葬儀社が直葬というプランや言葉を作り、堂々と勧めてくる訳ですから、遺族にとってはお葬式なんですが、それでもいいんだと思ってしまう。それしか選択肢がない状況です。

どちらの事業形態にしても、商品の開発や施設への投資、その商品に対する思いやコンセプトなど一切関係なく、いかに手っ取り早く、企業理念の裾野であぶく銭を得ようとする人たちが競い合っている訳です。

自分が経済的に豊かになれるなら、やり方はいとわない。儲かればなんでもいい。
この意識が、せどり族と直葬業者に通じる部分かなと思います。

迷惑な商行為

だって、ブックオフの棚にある本のバーコードを、端から順にスゲーえスピードで読み込む映像をPRビデオとして流しているんですが、(ブックオフさんは買ってくれるから文句は言わないでしょうけど)本当に欲しい本をじっくり探している方の横で、ピッ、ピッと店員さんのようにされたら迷惑じゃないのかなぁと思いまして。

それを、バーコードシステムを販売するために流す訳でしょ。
やれやれ!と言っている訳ですよ長は。ブックオフやゲオに行った時に、子せどりがいっぱいいて片っ端からピッ、ピッとしている姿を想像してみてください。

せどりは、仕入れた商品に対してのニーズがあるから成り立つ商売です。
これは、これでお互いに納得の上での取引きですから誰からも文句を言われる筋合いはない。もちろんです。

不要になった物をオークションに出品する。その商品がオークションに出品されなかったり、リユース業者へ買ってもらわなかったら、貴重な資源がゴミになっていたかもしれないのです。

いい葬儀をして儲けてください

どんどん生産して、いらなくなったら廃棄する、大量消費時代からエコな時代へ進むことは地球に優しい事だと思います。

CO2の問題にしても、その権利を売買する企業がいる訳ですから、リユースするシステムに介入して利ざやを得る事には、なんらかの努力もいるでしょうし、頭脳で儲ける方には私のような者にはない特権ですから、ビジネスモデルとしてはアリだと思います。

ただ、悲しいかな冒頭のせどり企業の方の年商をみても1億ちょっと。
やはり隙間ビジネスでは、頭脳明晰でも三木谷さんのようにはなれないんですね。
私は、もっと、もっと下ですが(笑)

直葬と世間で呼ばれる葬儀であっても葬送儀礼に必要な物をセットした良心的なプランを打ち出していただいて、著名な方に「お葬式はいらない」なんて言わせず、「葬送儀礼は大切にしよう。日本の葬儀文化から子供たちを育てよう」くらい言わせる、社会的使命を持っている業者が増えればいいなと思い、せどりと直葬業者の意識を考えてみました。

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