Pepper導師よ!って・・・ う〜ん、言葉が出ない

ソフトバンクpepper君
ソフトバンクpepper君

一言、「絶句」 私には、絶句以外の言葉はありませんでした

先日、フェイスブック上で知ったこの葬儀。

Pepper導師が読経や説法を担当 SF感ある“IT葬儀”登場
導師姿のPepperくん。

ご存知のようにPepperとはソフトバンクロボティクスが開発した自律型ヒューマノイド・ロボットで、それを使って独自開発したアプリケーションで稼働させ、Pepper導師として葬儀をって話なんですが・・・

これを行っているのは、神奈川県藤沢市に本社を置く株式会社ニッセイエコ。しっかりとされた社是を掲げ、特に仕事に対する「考え方」にこだわりを持っておられます。

当社はプラスチック成形のグローバルメーカーとして、自動車、建機、農機、医療、住宅設備、電気通信など様々な分野の製品を開発し、パイオニア的役割を果たしてきました。実績に基づく専門知識・経験豊な技術者・充実した設備の総合力で幅広いお客様のニーズに対応いたします。

株式会社ニッセイエコホームページ・製品情報より引用

別途、葬儀事業にも関連する事から、物故者慰霊祭の動画も紹介したかったのですが、YouTubeの標準ライセンスでは著作権に関して問題はないと思いつつ、若干引っかかりそうな雰囲気もあり、あとあと面倒くさい話になるとちょっとあれなので、後は各自で・・・(ニッセイエコのホームページから見れます)

当社に貢献いただいた物故者の方々に感謝の意を込め、年に2度慰霊祭を執り行っております。できるだけ多くの方に参加して頂けるよう毎回、宗派、宗教を変えて追悼しております。

毎回、宗派・宗教を変えて・・・?

慰霊祭を行う事は大切だと思いますし、儀礼を重んじていらっしゃると感じたのですが、特定の宗教・宗派が困るなら、慰霊祭では黙祷と献花というスタイルが無難かもしれませんね。これは、あくまでもアドバイスです。

なお2017年春季物故者慰霊祭は、神道の装束を召された楽師が雅楽を担当し、社内から選出された有志4名の方が略礼服に身を包み導師を務め、般若心経を上げておられます。以上。

グローバルメーカーとしての葬儀部門の立ち位置

この会社の葬儀部門として、2000年に創業した「じぶんで葬儀」というのがあります。プラスチック成形のグローバルメーカーとしてパイオニア的役割を果たしてきた会社がなぜ葬儀をやろうと考えたのか。そして、Pepper君と葬儀部門の関係がとても気になりました。

このシステムは、喪家が搬送・納棺・出棺など葬儀に関する全ての作業を自分で行えば基本料金内で収まる仕組みで、専門的な部分をコーディネーターが電話やメールでサポート(無料)します。ただし、その作業のためにコーディネーターの手を借りればオプションとして別途費用がかかります。

ここで重要な役割を担うコーディネーターは20名以上のスタッフが在籍しており、これほどの人数がいれば、通常はもっと派手に葬儀会館などをベースに事業をやっていそうなのですが、その雰囲気は見えてこない。(ちなみにPepper君はコーディネーターにはいなかった)

葬儀の最低価格は68,000円からとなっており、その料金には次の3点が付いています。棺・旅支度セット・収骨容器直送。直送?って、時間的余裕がある商品については極力在庫を置きたくないのかな?と勘ぐってしまいます。ここ、ちょっと引っかかりました。

う〜ん、この葬儀屋さんは一体なんなんだと、ホームページを検索していて「コーディネーター募集」というのを見つけました。

最近の葬儀おいての運営スタッフは派遣サービスから派遣された方や一人でフリーランス的に起業されている方が大活躍されています。じぶんで葬儀のサービスでのコーディネーターはその様な一人で葬儀に携わっている方に打って付けのお仕事です。葬家の方に自分自身で葬儀をしていただく中でコーディネーターと言う立場でアドバイスをしてあげたり、ご要望に応じてコーディネーター自身が業務を手伝ったり、今までの葬儀の業務とは別によりお客様に寄り添える形になっております。

じぶんで葬儀・コーディーネーター募集より引用

とあり、どうやらですね、巷の一人直葬屋をやっているような葬儀経験者を登録させて、いざサポートが必要になった場合、その人間の力を借りて葬儀を行う仕組みのようなのです。

つまり、葬儀会館などを構えて本格的に葬儀事業を行うのが狙いではなく、今回紹介したPepper君を活用しての葬儀であったり、ライブ中継などを行う試金石としての可能性が高いのではないかと考えられるのです。

奇をてらうのは、わからないでもないのですが

建設会社が設計・施工増を狙ってドライブスルー形式の葬儀会館を提唱し、本質からかけ離れた話題作りに躍起になったり、自社が強みとする関連商品を開発・販売しようという意気込みは理解できるのですが、ご自身の側にどなたか葬送儀礼に関して詳しい方、それこそコーディネーターはいなかったのかなと、いつも残念に思います。

これは今に始まった事ではなく、葬儀に関連する棺・葬具などを卸す会社の担当者でも意味不明な商品企画をよく出してきました。葬儀に近い事業者ですらこれですから、業界を存じない方ばかりで協議されたら、それこそ突拍子もない発想に結びつくのかもしれません。

今回のPepper導師にしても、宗教界では到底受け入れられないでしょうし、そんなものを使って仏教を語る事はやめてくれと思っていますよ。私が知ったのも宗教界の方の批判的な意見でのSNSですし、どうも安易に葬儀に結びつけすぎで、結局、その行為の本義は何かという事を多くの新規参入者の方は見失っていると感じるのです。

葬儀は、いつでも、誰でも始めることができる商売です。特別な資格も必要ありません。互助会事業を除いて許認可も不要です。つまり、基本的な物事を無視しても始めることができる事業です。

大手と低価格を売りにする事業者の二極化が進む中、まだまだ隙間を狙える事業であり、市場規模も大きく参入しやすい。葬儀紹介業者や終活資格事業者などのニュースや賑わいを見て、「おっ、いけるんちゃうか」なんて、おいしそうな業界に思えるんでしょうね。

なので、他業種の方からすれば非常に魅力的な事業かと思いますが、やはり葬送儀礼という文化を販売する仕事ですので、ある程度の節度というものは企業として必要ではないかと、私は思っています。(まっ、既存の葬儀屋も節操のないところは山ほどいますケド)

他業種の葬儀進出はご自由ですけど、儀礼という言葉はご存知でしょうか?

温故知新という言葉があります。また、私の師である方の言葉を借りれば守・破・離の原則というものもあります。どちらの言葉にも共通すると思いますが、基本というか、まず受け継がれてきた先人の知恵なり、その源があり、それを学び身につけてこそ、自分なりのスタイルを確立できると私は信じています。

「奇をてらった」ものは世間から受けるかもしれませんが、やはり葬儀は大切な儀礼です。儀礼とは、宗教的な儀式や、一定の法にのっとった礼式を指す言葉で、日本人の生活の中にも根付いてきた行為です。

朝に礼拝、夕べに感謝などと申しますが、太陽を見てありがたいと感じ、無事に一日を終えられた事に対しては、ご先祖様はもちろんの事、森羅万象、全ての物事に感謝を捧げてきた生活で育み、根付いてきたのが儀礼ではないでしょうか。

今回の会社がという事ではなく、これからも新たに葬儀事業に進出される皆様にはお願いとして、どうか葬送儀礼の文化について専門家の方とレクチャーを行ってから、儀礼の原点の延長線上にある、世の中に役立つ便利なものを提供していただければ幸甚に存じます。

※ご注意ください

葬儀業界新規参入のみなさまへ

葬儀の専門家と称するものは、大阪風に言うと「アホほど」います。終活関連・葬儀アドバイザー・儀礼研究者・三日坊主など、特に国家的な資格を有するものでもありません。おいしそうな話を見つけて一山当ててやろうって奴なんか、吐いて捨てるほどいます。何せ、魑魅魍魎はお金の匂いには敏感ですので。

そんな中から協力者を見つけるのも一苦労とは思いますが、葬儀を専門とされる学者や教授もいらっしゃいますので、そういった方にアドバイスを求めるのも一つかと思います。

正き者に出会うも縁。まがいものに出会うも縁です。私は、その商品への思いが正しいものであり、本当に多くの方の役に立つものなら、きっと良い方とご縁をいただけると信じておりますが、まがいものと出合うなら、その商品コンセプトが間違っていると考えておりますので、一考をお勧めいたします。

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