実録! 親戚の葬儀から見える今どきの葬儀事情 第2部「葬儀編」

赤ちゃんの小さな手
赤ちゃんの小さな手

前回、警察の背景にある事情的な行動を、三日坊主なりに検証しました。今回は、直葬が増加する現在の葬儀における消費者の意識と、その対応を考慮する葬儀社の背景を垣間見る事象に、消費者側として遭遇したので記してみます。

警察から見ると、遺体ではなく死体なんでしょうね

前回、警察の背景にある事情的な行動を、三日坊主なりに検証しました。今回は、直葬が増加する現在の葬儀における消費者の意識と、その対応を考慮する葬儀社の背景を垣間見る事象に、消費者側として遭遇したので記してみます。

警察が引き上げてから伯母の状態を確認したらちょっと状態が悪い。電気毛布の電源が入ったままだった。遺体の保存に良くない電気毛布のスイッチすら、現場維持のためには切ることもしないのか? それとも気付かないのか。いや、肯定的に捉えれば、事件性があった場合、検分中に、現場の状況に手を加えることは御法度であるからそのままにしたのだろう。

しかし、医師の検証が済み、事案が解決したならば、仏さんを案じてやることはできないことでもない。むしろ気づいているなら、遺族に声をかけてやるべきだ。「電気毛布のスイッチを切ってください。ご遺体に良くないので」と。二階に上がった私が伯母に手を差し伸べただけで「おかしい」と感じるくらいだから、彼らも気づいているはず。

警察から見れば「死体」かもしれないが、遺族からすれば「ご遺体」なんです。公務員はこんなものかと、悔やんでも仕方がないので1階に下すことに。予定している部屋は全て断捨離によって片付けたので場所は確保できている。きれいになった部屋は、思った以上に広かった。これが次のポイントにもなった。

さぁ、どこで葬儀をするの?

従兄弟と二人で小さな伯母を抱えて1階に下す。先に降ろした布団に寝かせて安置したが、まだ葬儀社も決定していないのでドライアイスの処置も出来ない。しかも、エンゼルケアもできていない。その両方を処置するために、知り合いの湯灌サービスを行っている社長に連絡し、一応、予定している葬儀社との付き合いがないかを確認してから、直接、依頼した。
(良心的な費用で対応してくださって、ありがとうございました)

葬儀を決定するポイントは、まず、費用の問題。これについては兄弟(子供)で話し合ってもらうしかない。次は、内容というか、規模。火葬のみの葬儀になるのか、それとも祭壇を組んで葬儀を行うのか。ただ、喪家の意向であっても、身内として直葬はお勧めできない。子供も3人いるし、自分たちでできる身の丈にあった内容でいいからきちんとやってほしいと願う。

宗派は神式なので、簡略化した祭壇を用いることも可能。三方を置く台だけあれば問題ないので、天板だけでも二段ほど組めばなんとかなる。仏式でもこれに準じて行うことも可能なので、葬儀屋さんの言うことばかりが正解ではありません。だから、最悪、火葬のみを選択するようなら、その費用で飾ることを考えていました。

伯母を安置したのが午後3時すぎだっただろうか、処置、湯灌サービスは午後6時ごろの予定になった。それまでに伯父の意向と従兄弟の話を聞くとともに、できるだけのアドバイスを行った。最終的に決定するのはこの4人。特に、長男が意思決定するべきである。

意見を言う先を間違ってますケド

このような状況でよくあるのは、自分の価値観で意見を通そうとする人。今回は久しぶりに遭遇しました。痴話話になってしまうので書かないほうがいいのですが、皆さんも喪主になった時に経験することでもあり、良くある話ですから参考になるならと暴露です。(笑)

今回の場合、私は葬儀業界の人間です。少なくとも、業界の事情や担当者が考えていることはわかります。葬儀社が持っている関係性やその背景事情も、一般の方に比べて理解しています。様々な情報も持っています。疑問に答えるために下調べもしています。

その上で、式場を選択する。葬儀の費用の参考になる情報を全て調べて、あとは決定を待つ状態で話を進めていました。もちろん、故人の子供の意見と決定権を尊重しての話です。何かを提案するたびに「どうする?考えられるリスクはこうだよ。その上で決めてね」と。

そんな時に限って、その場にいなかった人、遅れてやってきた人が時系列を遡って(すでに協議を終えて決定した事案)意見を言ってきたり、自分の場合はこうだったからこうできないのかとか、ちょっとかじった事を言ってみたりするのです。

もちろん、葬儀は遺族、親族のものですから皆んなが納得する事が大前提です。そして質問や疑問を投げかけるのが、情報を共有するという行動であればいいのですが、ただ自分の不満や、自分の価値観の上にある意見をぶつけるだけではダメなのです。

お互い様の気持ちが大切です

愚問は、答える方(通常は喪主が)に負担をかけるだけです。何度も同じ事を説明することになり、質問者の疑問と不満を解消するためだけに負担が増えるのです。今回は、私がその負担を背負いました。

説明するという行為は構わないのですが、質問者は、その説明と配慮というエッセンスを混ぜて状況が理解できたのなら、時間をかけてここまで決定してきた事を尊重するべきなのです。
施主として全ての費用を負担しない限り、決まった事を煮え繰り返さないことです。そんなに気になるなら、仕事がとかの都合を言わず、最初から立ち会うべきです。

今回は、私が説明するという役を背負いましたが、若い喪主の場合、このような状況に身を置かれるととても負担が大きくなります。また、娘だが、嫁いだ人間なんで台所には立たない。それは、喪主の嫁が世話をするべきだとかを言う方もいます。できないから気が利かないと酷評する方もあります。

喪主であっても、娘であっても、遠い親族であっても、どなたも体と時間を取られ、葬儀代金を負担する人もあれば、少なくともいくらかは香典という形で金銭的にも負担がかかる人もいる訳ですから、その意見を言う権利はあります。でも、権利をぶつけ合うと、自分の不満を解消するだけになってしまうのです。結果、後味の悪い事になるだけです。

こんな経験を一般の方がすると、葬儀は面倒だとなって簡素化する一因かもしれない。だから、限られた家族でしようと考える。結局そうなると費用を全て自分たちで負担する事になるから、当然出せない。で、選択肢が狭まり、現在の葬儀社の商品構成の網にかけると最安値を選択する事になるのだろう。そして、それが直葬という事になってしまうのかもしれない。

まず、自分のポジションを考えましょう。そして、この葬儀で自分が置かれている立場をよく認識することです。お世話をしないといけない立場なのか、それともお手伝いをする立場なのか。または、黙って側にいる立場なので、積極的に買い出しに行ったりと用事係に徹するのか。それらに決まりではないですが、皆が率先すれば、その行動が潤滑油となるのです。

限られた予算の中での選択肢の難しさ

ふんだんにお金をかけれるなら悩むことは少ないと思いますが、多くの方は、予算に限りがあります。その中で、精一杯の事を行いながらも、無駄を避ける。葬送儀礼はもちろんの事、集まる親族にも失礼がない配慮も必要です。

そんな中、今回は、以前に行った葬儀会館での家族葬プランと巷にあふれる家族葬プランの金額を葬儀基本費用の目安にして、供養品、飲食、雑費は別として進める事になった。ここに至るまで、従兄弟には再々の業界事情や費用面などを説明してきた。この家では過去に二度、地下鉄今里駅近くの葬儀会館で葬儀を行っているので、第一候補はそこで行う意向。

この葬儀社は、九州地方から大阪に進出してきて、あっという間に撤退した葬儀社。その後、大手互助会に買い取られ、名称はそのままで運営を続けている。引き継ぎ直後は、前者のやり方をなぞって、近隣住民へのアピールということに重点を置いていたのか、比較的、低価格でも葬儀を受けていたし、ある程度、柔軟に対応していたような記憶がある。

だが、今回、サイト上のホームページを見てみると、どうも雰囲気が違う。家族葬の設定が、50万円〜か、80万円〜となっていて、結構、強気なイメージを感じた。

もう一つの候補は、自宅でやってしまうか、集会所・貸し会場などを利用して行うかになった。自宅は、先ほどのように、祭壇を組んでしまうと奥行きがなくなり、スペースを取ってしまうので、最悪、六尺ほどの天板を二段組めれば可能であり、二階を控えとすれば、40人くらいは収容できる。なんせ、古くはどんなに狭くても、自宅でやっていたんですから大丈夫。

近くにある集会所や貸し会場は、思ったほどの大きさもなく、自宅で行うのとそれほどキャパは変わらない。体調の悪い伯父を思えば、自宅が一番の選択肢かもしれない。どちらでするにしても、とにかく、葬儀社を呼んで見積もりを行うことにした。

葬儀屋さんに電話を入れてみたら、強気な商売してました

当初、利用したいという葬儀会館に電話を入れて、葬儀の相談を行うことにした。

三日坊主:「もしもし、ちょっと葬儀の相談をお願いしたいんですけど」

葬  儀  社:「ご葬儀の相談ですか? ちょっとお待ち下さい。お待たせしました。今からでしょうか? こちらの会館に来れますか?」

三日坊主:「はっ? こっちから行くん? おたくはいつもそんな対応をしてるの?」

葬  儀  社:「お伺いすればいいんでしょうか?」

三日坊主:「普通でしょ。そんなん。」

葬  儀  社:「今からでしょうか? ちょっとお待ち下さい」

しばらく放置。長い… 三日坊主は、少しイラっとする。そして、違う人間が電話に出る。

葬  儀  社:「お待たせしました。ちなみに、お亡くなりになっているんでしょうか」

三日坊主:「そうやけど?」

葬  儀  社:「そうですか。私どもの会員様でしょうか? それと、どのような内容のお葬式をお考えでしょうか」

三日坊主:「うん。伯父は入ってると言ってるけど、調べたらわかるんちゃうの?で、親族40人前後の家族葬。これまでに二度、そちらを使わせてもらってます」

葬  儀  社:「会員様でないと、180万円位かかりますので。ただ、会員だと色々と割引もありましてそこまでいきませんが…」

三日坊主:「180万?!。おたくとこすごいな。勢いあるね。ま、詳しいことは直接、喪主に相談してくれますか。時間は8時ごろで、そちらを出る前に電話を入れてくれたら助かります」

提言します、こんな電話対応の葬儀社なら、絶対に利用しない方が身の為です

ま、葬儀業界でなくとも、電話での対応を大切にしている会社ならこの内容には驚かれるかもしれません。ある意味、骨董品級の「神対応」です。葬儀屋さんに電話が入るという事は、「ひょっとすると?」という状態が必ず背景にあるという事を、この方は思っていません。
油断大敵状態です。この対応では、年間でかなりの数の施行を逃しているでしょうね。

業務連絡用の番号と、会社代表番号を使い分けているところは普通でしょうし、亡くなった
事を伏せて電話をかけてくる方もあります。空気を読めない奴は、どの業界にいても使い物になりません。代表番号にかかってきた電話に注意と配慮を持てないと、依頼を逃します。

一言、「どうかされましたか?」と聞いてみるだけでも、相手から言葉を引き出せるものです。亡くなったという事実がわかった時点で、間髪入れず「ご愁傷さまでございます。ご負担の中、申し訳ございませんが、少々お伺いしてもよろしいでしょうか」と対応するのは当然です。これもできていません。

そして、違和感なく、速やかに相手の名前、電話番号を聞きださないと、試しにかけてきているケースも含めて、携帯電話で連絡を取る事が多い時代に、電波状況が悪く、少しばかり対応に不満を感じていて運悪く電話が切れた場合、そんな方が次にかけてくるでしょうかね?

そこ以外にも、同じような内容、同じような立地条件でやっている葬儀社はいくらでもありますから、私が喪主なら、わざと電波が悪く電話が切れてしまった雰囲気で話を終えて、違うところにかけますね。お金を払ってまで、いや、無料でも、こんな対応のところで葬儀を行ったら、絶対、気分の悪い結果になっちゃいますから。

実録! 親戚の葬儀から見える今どきの葬儀事情 第3部「見積り編」に続きます。(現在、葬儀が進行中なのと、執筆を同時進行していますから、まだリンクできません。しばらくお待ち下さい)

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