実録! 親戚の葬儀から見える今どきの葬儀事情 第1部「警察編」

警察の人形
警察の人形

病院での死亡と違い、自宅死亡の場合は警察の鑑識がやってきます。死亡事案の背後には何があるのか?警察の事情とは?その時、どのように対応すればいいのかを考えてみます。

伯母が逝去、その経験を生かすことが供養になると信じて

三日坊主が、小さい頃から子供同然にお世話になった伯母がひっそりと亡くなりました。伯父も体調が悪く、一階で寝ていたのですが、朝になっても降りてこない。二階で寝ている伯母に声をかけても返事がない。酸素吸入器を付けているため、階段を上るのに無理がある状態でようやく上がってみると、寝たままの状態で亡くなっていた。

救急車を手配したが、隊員が到着後に死亡を確認し、消防から警察に連絡が入る。二人住まいの伯父夫婦には三人の子供がいるが、この時点で実家に向かっているのは三男のみで、高齢の伯父一人で対応するにはかなり無理がある。

午前10時ごろ警察が到着し、状況検分が始まった。午前11時を回ったところにようやく三男が実家に到着する。連絡を受けていた私が、到着したのが正午過ぎ。状況を聞くと遺体を警察に連れて行くという。いわゆる検視に回されるとのこと。その了承を得るために高齢の伯父の判断だけでは具合悪いと考えた警察は、子供、特に長男の到着を待っていたのです。

警察の判断を肯定してはアカンでぇ!

親族などからも電話が入る中、三男は、「今から警察に連れて行くらしい、で、引き取りは明日になるみたいだ」なんてことを、二階で検分中の警察に聞こえるような大きな声で話しているのを見て、手招きをし「警察に連れて行かれる事を、容認する言葉を言うな」とアドバイスをした。こんな状況は、検視に回すなんてないのがこれまでの現実だから。

同じ言うなら、「おふくろは、一人でひっそりと亡くなっていた。警察は連れて行くと言うけど、かわいそうやから、そのままにできないものかなぁ」と、こっちを聞こえるように言えと。そりゃそうです。そんな大層な状況でもないから。何か警察の事情があるからさ。と。
警察が事件と思っているなら、有無を言わさず、もう連れて行ってるからさ。と。

警察が絶対ではないのです。警察は、事件性を疑い、検挙する事が前提であって行動します。事件性があるかないか。彼らはおおよその判断においては間違っていないとも思います。ですが、抱えている背景事情によっても、その判断が左右される事は、警察においては無いと言いますが、私の数少ない事件現場の経験でも「?」と感じる場面は多く見てきました。

そんな中、死因を検証する事が大切だと言われます。日本には、怪しい案件でも検視、検案に回されないケースも多々発生していると。その背景には監察医制度を導入していない地域もあり、解剖されずに死因が不明な死亡者が多くいると。そして、一般の死亡診断書が発行されていると指摘されていますから、警察の判断を鵜呑みにするなとアドバイスしたのです。

何か、ちょっと無理あるんちゃいます、その判断

伯母は透析を20年以上続けており、二日に一回は病院へ通っていたし、前日も透析を受けている。体調の変化、悪化は精密検査も受けていたので医師は把握している。死亡の状態は、寝返りを打ったままの状態で亡くなっている。前日の午後6時頃までは三男が実家を訪れている。私も別の要件で午後8時に電話を入れている。そんな状況でなぜ警察へ搬送するのか。

実は、大阪府警と公益社の間で、警察が管理する身元不明遺体、行旅死亡人などの引き取りと火葬における随意契約を大阪府・大阪府警と結んでいる(遺体取り違え火葬事件を参照)との情報を聞いていた私は、警察の判断にその背景を疑って、検分中の警察官に「首に絞められた後でもあります?何か出血しているなどの事件性はありますか?」と疑問を投げかけた。

どうしても警察に連れて帰りたい事情があるんでしょうか?と思える行動。検分に来た警察の車両は搬送車。もちろん搬送を行う事は日常茶飯事の事なので、警察も無駄な行動を避けるために搬送車で来るのは理解できる。

しかし、数年前までは通常車両で検分に来る事が多かったし、現場を検証後に事件性あり、またはグレーと判断した場合には警察の搬送車を手配して、大阪なら大阪大学、大阪市立大学、森ノ宮の監察医事務所などへ搬送する事が通常だった。

はなから搬送車で来ても、その死亡者の病歴、通院歴、死亡状態、現場の状態などを経験豊かな警察が事件性なしと判断できる状態だと思える、今回の死亡状態。結局、こちらの申し立てに対して警察が下した判断は、かかりつけ医の来診を待って判断を仰ぐこととなった。
警察が到着して、ここまでにかかった時間が2時間ほど。で、現在、午後12時30分。

午後2時にかかりつけ医が来るのを待つことになった。警察は1時間30分、その現場ですることなく、一応、検分中のため現場を離れることもできないまま、一同が無言のまま時が過ぎるのを待つことに。その事情も、とりあえず警察に搬送するとの判断に影響を与えているかもしれない。連れて帰れば、医師が来た時に対応するだけで済むので、それまでは自由だし。

ようやく、かかりつけ医が到着

午後2時にかかりつけ医が到着し、検分。数分後、死因を特定し死亡診断書を発行することが決定。警察が撤去準備を始める。朝からお昼過ぎまで、昼食も食べれず、警察官の皆さんは4時間以上をこの現場を離れることなく、お茶の一つ飲むことなく過ごしていた。あまりに申し訳ないので、4人分のペットボトルのお茶を届ける。

「いや、公務中なので」と遠慮するが、同じ人間ですやん。長時間立ったまま、水分も取らなかったら身体壊しますよ。二階の方にもお届けしたが、最終的には皆さん飲まずでした。
別に怪しいもの入ってませんし、お茶ごときが賄賂に当たるとも思わないし、こちらの突っ込んだ質問にも絶対口を割らないし… さすが、日本の警察は優秀だ。

用心していただきたいポイント

現在、ほとんどの方が病院で亡くなる事が多いと思うのですが、今回のような救急事態に遭遇し救急車を呼んで、例え心肺停止であっても病院へ搬送され、その病院で死亡が確認されれば、その病院で死亡診断書が発行されますので特に困ることはありません。

自宅で死亡や、人知れず亡くなってしまった場合、明らかに死亡していると判断されれば、救急車は生きるための車両ですから病院へは搬送してくれません。

持病や体調に不安がある方は、普段から自宅近所や勤務先の近くでのかかりつけ医を持つようにしてください。高齢のご両親がいらっしゃる方は、特に注意をしてください。お薬手帳もきちんと管理して、薬についてくる処方箋シールを貼っておきましょう。

家族にもかかりつけ医がある事を周知し、万一の事が起きた場合でも、「その時、どうするのか?」を家族で想定しておくべきです。「いや、今は体調も万全だし、病気もないし、大丈夫」なんて思ってる方は大概診察には行かないでしょうけど、面倒でも、そうしておくことによって不要なストレスを感じることもありませんし、葬儀・死にまつわる「背後関係」に左右される事も防げます。

葬儀の内容とか、金額には関心をお持ちの方も多いのですが、自分がどのような死を迎えるかを考えることも大切ですし、素人が太刀打ちできる環境にはないのが、この国の司法です。
その注意喚起のために、今回の記事を書いています。

実録! 親戚の葬儀から見える今どきの葬儀事情 第2部「葬儀編」に続きます。(現在、葬儀が進行中なのと、執筆を同時進行していますから、まだリンクできません。しばらくお待ち下さい)

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