公益社さん、何回も書いてすみませんね

新聞で包まれた人形
新聞で包まれた人形

3月10日報道の「公益社、遺体取り違え事件」IRニュースがリリースされた

燦ホールディングス株式会社「子会社で発生した不祥事に関するお詫びと対応について」

前回、取り上げた「公益社が遺体を取り違えて火葬した件」について、2016年3月17日付で大きな動きがあったので改めて再考しました。「子会社で発生した不祥事に関するお詫びと対応について」のIRニュースがリリースされたのですが、この事件報告書、ちょっとわかりにくい説明なので整理すると…

2016.3.23追記(敬意を表する仏教関係の方よりご指摘を受け追記しております)

IR報告書及び本ブログでも故人名称として「ご遺体①」など、または「遺体1」などと表記しております。当初、公益社よりリリースされたIRニュースでの
「ご遺体①」などの表現に若干の違和感を感じておりましたが、取り違えが起きる背景、その事案に関する企業姿勢を読み解く事を主眼にしたため、その点に関する指摘を掲載する事が欠如しておりました。

故人の尊厳という観点では、本来、A氏 、B氏などと敬称で表記すべきでありますが、当方も公益社の文章を読みまして分かりにくいと感じ、混乱をさけるため公益社のIRと表現を合わせております事をお許しください。

諸御霊のご冥福をお祈りいたします。合掌。

❶ステラ事業所の事業目的

ステラ事業所は、㈱公益社の他の葬祭施設とは異なり、大阪府内の警察が所管する身元が不明のご遺体や事件・事故に巻き込まれた可能性のあるご遺体、あるいは、病院や介護施設等で亡くなられた身寄りのない方などのご遺体に関係する業務に特化した施設です。

と、施設の設立趣旨があり、

当事業所でお預かりしているご遺体の数は、常時5060 体、多いときには100 体を超えることもあります。日々ご遺体の受入れ、火葬場等へのお送り等があり、平均して1 日当たり23 体、多いときは1 日で5 体以上のご遺体の受入れ、お送りの業務があります。

このような施設の性格上、お預かりするご遺体は氏名が不詳の場合や、ご遺体の状態からお顔等を確認できない場合も多くあります。また、ご遺族が居られるかどうかが判明せず、行政機関からのご指示を受けて火葬を行うケースが多数を占めております。

その業務の特異性を説明しています。

❷問題の遺体引き取り時期と火葬日

【平成27年06月15日】
大阪府河内長野警察署より、身元不明とされた「遺体2」を引き取り。

【平成27年06月19日】
大阪府河内長野警察署より、身元不明とされた「遺体1」を引き取り。

【平成27年07月21日】
「遺体1」と間違って「遺体2」を火葬後、遺族の元へ「遺体2」の遺骨を返還。

【平成27年07月21日〜平成27年07月25日頃までに】
事業所内で、遺体を間違って火葬した事実が判明するが「隠蔽」される。

【平成27年09月02日】
「遺体2」を火葬する予定日だが、遺体が無いので残っている「遺体1」を代わりに火葬

【平成28年01月09日】
河内長野市生活福祉課と遺族を経由して遺骨を引き取ったと言われる方(遺体1の遺族)から、燦ホールディングス株式会社に対して、渡されているのは「遺体2」の遺骨ではないのかと間違いを指摘される。

(ア)平成27 年に大阪府河内長野市で死亡された方のご遺体に係る事案

本年1 9 日、河内長野市生活福祉課様とご遺族を経由してご遺骨を引き取ったと言われる方から、弊社に「引き取った遺骨は実は他人の遺骨と入れ替わっているのではないか」との照会がありました。

❸事件収束へ向けた動き

【平成28年02月08日】
取締役会において、平成28年04月01日付の「役付取締役の異動(社長交代)に関するお知らせ」についてをリリース。代表取締役社長を古内 耕太郎氏から野呂 裕一氏への変更を告知。

【平成28年03月10日】
子会社で発生した不祥事に関するお詫びと対応について
子会社の代表取締役および役付取締役の異動(会長・社長の交代)に関するお知らせ
のIRニュースを告知。朝日新聞他、各マスメディアで事件が報道される。

【平成28年03月17日】
代表取締役および役員の異動に関するお知らせ
子会社の役員の異動に関するお知らせ
子会社の組織変更および人事異動に関するお知らせ
等、役員の交代人事、サービス本部付部長(玉出営業所・ステラ事業所担当)就任についてのIRニュースを相次いでリリースする。

とまあ、平成28年1月9日に遺族側からの告発を受けて、約一ヶ月後の同年2月8日には社内調査を終えて取締役会を開き、警察関係者・役所関係・マスコミ対策・株主対策・人事・懲罰までの対応策を決定し、その後、同年3月10日には「子会社で発生した不祥事に関するお詫びと対応について」のIRニュースをリリース。そしてマスコミ報道となった。

さすが、一部上場企業ですなぁ、私がいた某大手葬儀社とは対応の素早さが違います。
大多数の葬儀社は、法人といえど、創業者もしくは創業者一族の私有物ですから、下っ端のちょい責任者の首はバンバン切るけど、代表者の交代なんか一般の葬儀社では中々しませんからね。ま、上場企業だからそうしないと株主の理解を得られないでしょうケド。

公益社さんも結構、慌てて処理した雰囲気がするんですが…

ただ、「なぜ遺体を間違ったのか」、「なぜ、遺族は間違いを知ることになったのか」、「遺族への対応は(詳しい対応は不要だが、現在、きちんと遺骨が手元にあるのかが見えない)」などについては全く説明がなされていないため、今後も同様の問題が発生する可能性も感じ取れるのです。

上場企業として投資家への説明としては、少々、物足りないと感じるのは葬儀関係者株主だけでしょうかね。ま、一般投資家は、その辺のややこしいところって分からないからいいっすね公益さん。

ところが、説明が複雑すぎてわかりにくいんです。その辺も、結構アタフタと対応している雰囲気が出てるんですけど…
この説明で皆さんわかります?

この結果、火葬場を経由して河内長野市にお渡ししたご遺体①のご遺骨が、実際にはご遺体②のご遺骨であるとの判断に至りました。

という事は、①の火葬後の骨壺に②の遺体の遺骨が入っていて、②の火葬後の骨壷に①の遺体の遺骨が入っているんですよね? で、①を遺族に渡したら「間違っとるやんけ」となったので、②を渡したんですよね? 何度も言いますが、①の中には②が入っていたんですよね。

となると、以下の「ご遺体①」って表現は混乱しませんか? 元のご遺体って意味ですよね?間違ってはないのでしょうが、私は「?」となって、文章の最初に戻って、再度、経緯を読み返して確認して戻りました。

なんか、数学とまではいきませんが、算数の問題みたいに感じるんですケド。
「誤って火葬したご遺体のご遺骨が…」でよくないですか? 
すみません。三日坊主は頭が悪すぎて理解できないのですが、皆さんはご理解できます?

弊社の調査結果を受け、すでに河内長野市役所様および大阪府河内長野警察署様には今回の事態についてのご報告をさせて頂きました。今後、同市にて現在も保管されておりますご遺体①のご遺骨が、ご遺族のもとに返還されるよう努めてまいります。

 もう、どっちがどっちみたいな話にも聞こえるんですが、ひょっとして公益社さんは一休さんと相談して、禅問答みたいな表現方法を選択したんですかね?
こんな、ややこしい書き方してたら、また火葬を間違うんじゃないかなと心配で。

なんか、大阪府警や役所とのお付き合いを詳しく書けないのか、同業者に感じさせたくないのか、奥歯に物が挟まったような感じを文章全体から感じるのです。
もちろん競争入札だと思うんですけど… 営業上手なのか、結構、固いところとお付き合いしてはりまんなぁ。

もっと驚いた事実があった

【平成26年02月01日】
 大阪府西成警察署より、行旅死亡人の氏名不詳「遺体3」を引き取り。

【平成26年04月25日】
 大阪府西成警察署より、行旅死亡人の氏名不詳「遺体4」を引き取り。

【平成26年07月08日】
「遺体3」の火葬予定が、間違って「遺体4」を火葬する。

【平成26年08月04日】
「遺体4」の火葬予定だったが、先に間違っているため遺体が存在しない。
そのため”残っている”「遺体3」を代わりに火葬した。
「遺体3」及び「遺体4」は、引き取り手がなく合祀された。

本件に係るご遺体③およびご遺体④は現在も氏名不詳であり、いずれのご遺体のご遺骨も、一定期間経過後に合祀されております。

 4月25日に引き取った遺体を7月8日に火葬する。2月1日に引き取った遺体を8月4日に火葬する。前者は約2ヶ月半、後者は約6ヶ月もの間、火葬せず冷蔵施設で保管していたんですよね。そんな長い期間、保存するのもすごいなと思いますが、それだけ期間が空いたらどれがどれって分からなくなりそうですねぇ。あっ、そうか、だから間違ったんだ。

前回のお詫び

前回、納棺した方と出棺する方が同じだったら、せめて男女の差、ガタイの差、その他の要因で出棺する時に確認すれば、間違いを防ぐ可能性は高くなりますと書きましたが、私が間違っておりました。遺体の状態も良くない環境では、拝顔する必要性もないのかと思い、ひょっとして、棺も顔窓なしのタイプだから確認できないのかとも思いました。

50〜60体、多い時は100体も預かれるほどの冷蔵機能を持った施設の大きさに見えなかったものですから、結構、早いスパンで火葬を行い、遺骨として保存しているのかと思ってました。

常時、それだけの遺体を棺に納めて冷蔵するとなると、流通業者の大型冷蔵庫を持つ倉庫ぐらいの大きさがないと、安置できないんじゃないかなと、拙い経験で思っていましたので、公益社さんは、倉庫管理業務に関してもかなりのスキルをお持ちなんですね。

設備、システム、人的スキル、そして公益社さんが冒頭におっしゃていた理念が揃わないとヒューマンエラーは防げないですよ。

弊社は、故人を尊厳あるかたちでお送りするとともに、ご遺族や故人の友人・知人の方々の悲しみをケアすることを社会的使命と認識しており、従業員一人ひとりがこの使命を果すべく日々の業務を遂行すべきところ、今般かかる不祥事を惹起しましたことを、重く受け止めるとともに、行政諸機関をはじめ、関係者の皆様には多大なご心配とご迷惑をおかけいたしましたことを、衷心よりお詫び申し上げます。

創業当時を思い出してください

人は必ずミスをします。今回は、たまたま遺骨を引き取る遺族が存在したから発覚した事で、26年度内に起きた間違いのように、引き取り手もなく、合祀されるようなケースだったらおそらく露呈しなかったでしょう。だって、26年度は黙っててセーフだったんですから。

遺族があって、社内からの勇気ある声が遺族へ届き発覚しただけの案件だと私は思っています。会社が大きくなれば、それだけ管理も大変だと思います。大阪と東京という気風も風習も違うところで統一したスキルを持つ人材育成を行うのは難しいとは思いますが、それが出来る会社だと、業界で長らく一緒にお仕事させていただいて思っておりますので。

大阪で公益社を創業された当時の事を振り返ってください。「公益社は宣伝を活発に行うとと同時に、10円の葬儀でも、15円の葬儀でも精魂込めて施行する」姿勢を持った稀代の葬儀社だったじゃないですか。当時では初めて料金体系の明確化、明瞭化を取り入れ、葬儀をわかりやすくした「葬儀カタログ」も、昭和の初めには実践されていた会社じゃないですか。

同じ轍を踏まないように頑張っていただかないと、足元フラフラしている場合じゃないんですよ。葬送儀礼を大切にしていただきたい、模範となっていただきたい会社ですから。

会社のアイデンティティの上に立ってますよね

そうそう、新体制になる役員の皆さん、子会社の各責任者の皆さんは、当然、御社の社史とも言える「葬祭五十年: 株式会社公益社の步み」ぐらいは読んでらっしゃいますよね。

綺麗なオフィスにいて、最先端の経営理念を取り入れても、葬儀屋がきちんと葬儀をしなかったらダメですよ。葬送儀礼を大切にできない葬儀屋さんは、もっと消費者の目線でお仕事してください。

体裁を繕う事にばかりに目がいくと、今回のような問題が起きた時のクレームを避けようとしますし、最短、最小限のダメージに抑えようと、本質とは違った趣旨で物事を収めようと考えがちですが、本当の声はクレームの中に存在します。お客様の生の声を聞いてください。

老舗の心意気を忘れず、葬儀社の原点を間違わず取り組んでいただきたいのです。
そんな声を聞ける人間をたくさん育てていただければと願っております。
創業者の意思を紡いでいくのは数字ではなく、人間ですから。

シェアする

トップへ戻る