本当に大好きなんですよ公益社さん、だから、また書いちゃいます

喜ぶ子供二人
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燦ホールディングス株式会社の中期経営計画が発表された。それを受けて、その裏に隠された狙いを探ってみる。葬儀社では珍しい上場企業の行く末はどうなるのか?グループ売上180億円を誇る企業の思惑とは?

燦ホールディングスがグループ中期経営計画を公表

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 燦ホールディングス株式会社の売上は2015年3月期において18,437百万円。グループ会社の公益社での年間葬儀施行件数は約9,000件(公益社公表)。兵庫県明石市の株式会社タルイ、鳥取県米子市の株式会社葬仙、2014 年4月からテストマーケティングで事業を行っている「大阪あんしん葬儀メモリアス」を合計すると総施行件数は1万件前後ぐらいでしょうか。

単純にこれらの施行件数を合計して鑑みると、一件の葬儀施行で関連する売上(受注からアフターまで)も含めて180万円ほどが単価となってくるのでしょう(スンマセンざっくりで)。最近の施行単価の下落を考えると、かなり気張っている感じがするのですが、なのに減収傾向にあるというその背景にはどんな大人の事情があるのか気になります。

株式会社デフィ、関西自動車株式会社、株式会社ユーアイを株式会社公益社が吸収合併していて、他にエクセル・サポート・サービス株式会社(現在、大阪あんしん葬儀メモリアスを運営)も存在する。それら関連会社の売上も含めて考えると、高額な葬儀と低価格の葬儀件数の構成割合が変化しているのかなと推測します。

なかなか値段は張ったそうです(親族の実体験談)

三日坊主の母方のいとこ(二人兄弟の弟)が昨年亡くなり、大阪府守口市の公益社会館で葬儀を行った時、いとこ(故人/弟)の奥さん(喪主)が、兄(故人の兄)にも、母(私の伯母)にも一切相談せず決定し、お通夜の前にその二人に対して「葬儀費用をお願いしますね」となり、「えっ?」っとなってちょっとモメるという、葬儀の現場でよくある話が勃発しました。

私が通夜に参列した時に「ちょっと、聞いてぇ。あの祭壇も含めて葬儀費用で◯◯◯万円って安い?」と聞くので、どうしたのかと尋ねると上記の事情で勝手に段取りが進んだらしく、勝手に高い金額で決定してどうかと。親族一同としての花は別、祭壇は感覚的にそんな金額には見えない。キリスト教での葬儀ですから、特に飾りがない。供養もなし、食事もなしです。

詳しい明細は見せてもらえなかったが、「結構、値段とるねぇ」というのが、三日坊主の素直な感想でした。こんな感じで施行単価の底上げを保っているなら、そこそこ売上を確保できそうなものだが、同じような施行件数で600億円のベルコと比較しても、ちょっと売上を上げる仕組みが少ないのかなと感じるのです。

先が見えないというのが本音かな?

このところの収益悪化を受けて、公益社では営業収益の伸びを目指すのではなく、収益性を高めた構造改革に舵を切ったのだが、ちょっと意味がわからん。要は現状の施設、売上システムを維持したまま、利益の取りこぼしを精査し、経費の無駄を省くぜ!って事でしょう。でも、その先には、昭和の後半から建設を進めてきた葬儀会館の改修工事が順にやってくるのです。

前中期経営計画では、営業収益の伸びよりも、収益・費用構造を転換し利益を出すことを重視した。この方針に基づき、公益社大阪本社を中心にBPRに取り組むとともに、全社的な経費管理の強化、葬儀後の顧客が抱える問題解決のサポートによる手数料収入の向上等を図った。

その改修・改築費用の調達をどうするのか。その増加するコストに施行件数、売上がついてこれるのかの問題を、多くの葬儀社が抱えています。会員募集事業による潤沢な資金を持つ互助会(一部だが)、上場により資金を集めることが可能な公益社以外は、まず、その資金を用意できるかどうかが問題です。

そして、互助会の自社エリアへの会館建設ラッシュに耐え、ようやく銀行融資を受けて建設した建物も間もなく老朽化を迎えようとしている中堅の葬儀社にとっては、真の死活問題になるポイントです。財務的に体力のない中小事業者にとっては、対処を間違えば、事業継続すら危ぶまれるトリガーでもあるのです。

このリスクを今回の中期経営計画に組み込みんでいるが、要は、利益を食いつぶす補修を前期3月期決算では計上せず、どうせ手をつけるなら件数を伸ばすために会館を新設するのと、経費のかかる補修を一気にやっちゃえって事でしょう。その先、軌道修正をかましながら、決算期までに経営状態を改善しようという”先送り博打”に出たのかと、三日坊主は見ました。

懐のあったかさはどうでっか、公益社はん

互助会の売上が大きいのは、やはり会員募集による「先に得るお金」がデカいと考えます。大手なら全国規模で毎月、億単位で会費が集まってくるのですから、この売上を元にその会員の冠婚葬祭(冠婚は赤字ですが)の施行売上が加算される訳です。毎月の投資(会費)を会員(投資家)口座からから自動的に集金している構造です。

一方、一般の葬儀社の場合、誘致にかかる経費は先出しです。終活セミナー、葬儀見学会などをいくらやっても売上は見込めません。経費がかかるばかりです。互助会の場合、これまでそこで新規会員加入をターゲットにやってましたから、顧客確保と新規会員収入を得られます。

会館を建設するにしても、互助会では会員収入を先に使って会館を建設し、会員の利便性を高めて相互互助のためにという謳い文句でやってきました。株式上場から資金を調達できるところはこれを充てることがきますが、他は、これまで貯めてきた資産をぶち込んで会館を建設した葬儀社か、銀行融資でようやく建設した葬儀社になります。

この違いが、補修・建て替えのリスクヘッジの差になります。既存の葬儀社の中にも、施設の老朽化による雨漏りや様々な不具合が出ているけど、資金を調達できないから先送りしているところも結構あります。先送りすることで、逆に改修時に費用がかさむ可能性が高くなりますし、見劣りすることで施設を売りにはできない。(すでに、そんな時代ではないが)

互助会最大手のベルコ

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ベルコ決算状況(少し古いですが…)

一方、公益社は?

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公益社決算状況(左から平成23年・24年・25年・26年・27年)
ベルコの平成25年3月期と公益社の2013年3月期を比較してください。 

さて、本音を読み取ってみよう

公益社は上場企業なので経営指数は公開されているが、ベルコは非公開なので独自に入手した資料で検証すると、両社共、施行取扱件数はそれほど差がないと思っているのですが、売上、経常利益共に大きな差があります。やはり収益構造の違いがスケールメリットにより増幅されていると感じるです。

公益社の経営計画そのものを読み解いていくと、現施設や収益構造は改善を行ってきたが、これ以上の経費節減と枝葉までの収益追求には限界が見えてきた。人員を整理すると、その優秀な人員が売りなので他社との差別化に繋がらない。まして、退職なんてされちゃうと、これまでかけてきた経費がまったくムダになる。

高額な葬儀、特に社葬を得意としてきた公益社だが、現在、その市場は冷めきっている。唯一、可能性があるのは東京エリア内で、そのためのブランド構築に力を入れているように感じるのです。大阪本社の基盤整理を行って経費を削減しながらも、東京は経費のかかる南青山に置くところから見てもその意図が感じられるのです。

直葬が多いのも東京だが、やはりまだ青山葬儀場や築地本願寺などでの著名人・有名人による大型葬は皆無ではない。特に、築地本願寺での施行を公益社が専任受注を持っているとも聞くので、高額な葬儀は東京で狙っていこうってところですかね。最近、大阪は大型葬なんてまったく見かけませんから、大阪公益社に対しては、その市場に魅力を感じていないのだろう。

みんれびさんでも買っちゃえば、公益社さん

東京オリンピッックの2020年までが見所です。国内外ともに一部の市場も活性化しますし、ミニ都市バブルが大好きな東京ですから、その勢いに乗って投資を促し、今後10年、20年先の経営基盤の安定化を狙っているのかと感じます。その上で老舗が生き残っていくためには、もっと原点に帰るべきではないでしょうか。

大阪で行っている”大阪あんしん葬儀メモリアス”、これ火葬式専門事業なんですが、中期経営計画にもあるように、そのビジョン設定の文言に公益社さんのちょっとした迷いを感じてしまうのです。

【参考】当社グループのビジョン(2013 年5 月13 日に新ビジョンとして公表、下線部は今回改訂)

1. 顧客に提供する価値

―従来からのコア・コンピタンスである「個々のお客さまに応じた質の高い葬
 祭サービス」を進化させ、東西の大都市圏を中心に有機的成長を目指す。

―また、これまで公益社ブランドでは提供が困難であった、いわゆる「直葬」
 を含む簡易型・低価格な葬儀のサービスを提供する。

(改訂前)これまでは戦略的にターゲット市場から外していた小規模葬儀市場
(直葬や低価格・簡易型の家族葬の市場)に対し、営業努力を強化する。

―さらに、葬祭サービスのみならず、葬祭サービスで長年培われた顧客との接
 点を活かして、ご遺族や高齢者層のライフエンディング・ステージにサービ
 スの範囲を広げ、高齢者向け生活支援事業を開発するなど、事業の多角化を
 推進する。

 戦後の大阪で、老舗の駕友が葬儀業者で幅を利かせてきたところを当時では珍しい株式会社として設立し、「葬儀は十円から」というキャッチフレーズでの受注方法を考案し、社員教育にも厳しい服務規程を設けて、当時の「葬儀の近代化」に大きく貢献した公益社さん。

この窮地をすり抜けて、新たな葬儀の価値観、ビジネスモデルを考案して頂けそうなんですが、やはり、原点が大切だと思うのです。火葬専門窓口なんて安易な事せずに、そんなチンケな事業をするぐらいなら、小さなお葬式を互助会が買い取ったように、いっその事、みんれびさんを買収した方が早くないですか?

そんな専門外の事業をやったところで大した売上を期待できるとは思わないのですよ。しかも、そのジャンルでトップでも取ってやろうって気概でもないんでしょ? IT起業は魑魅魍魎にませといて本業を頑張りましょうよ。「餅は餅屋」っていう言葉を、葬儀の老舗業者の公益社さんが忘れている訳はないと思うのですが、江戸に行ってから忘れちゃったのかな?

老舗の看板と近代葬儀の変革に悩む公益社さんへ

やはり、根っこを大事にした思い切った改革が必要と感じます。
以前にも、全くの部外者が老婆心で申し上げたのですが、事業が拡大すると、その品質レベルの統一や、末端の社員にまでトップの意思決定とその理念が行き渡る事に大きな懸念があります。誰かが気を緩めても気付かないのです。

「公益社さん、阿波弥さん、老舗葬儀社としてもう一度、業界のイニシアティブを取って下さい」の記事より

公共的な事業観を持って業界の適正化の範となれる、それを実現できる土壌が老舗の看板にはあると思っております。いい土にしか、いいモノは育たないと思うのです。

公益社の場合、資金的にも互助会に対抗出来る環境ですし、他の葬儀社さんは直葬販売業者に脅かされ、自社の施行を守るのに余裕がない状況ですから、なんとか現状の社員さんたちに頑張っていただいて素晴らしいリーダーを輩出していただければと祈念いたします。

ただし、土は毎年使っていると痩せてきます。もう一つ同じ容量の土壌という余裕を持っていないと、栄養分を使い切ってしまいます。

そうなってしまってから早急に立て直そうと、エゴ、欲、自己保身という化学肥料を使ってしまうと、二度と豊かな土にはならず、貧素な土壌となります事はご存知だと思いますが、大企業に対し、大変失礼ながらも老婆心で申し上げてしまいました事をお許しください。

危機感を持たない社員の比率が、どれほどの割合で占めているかによって加速度が違います。モチベーションが上がる社内構造が構築されない限り、古くからある親子事業の葬儀屋さん、既存の家内家業の延長でしかない大手葬儀社と何ら変わらない社員が蔓延する事になります。

昔から公益社さんは鋭い先見性をお持ちなんですが、少し、足元を見る事が苦手だと私は思っています。社葬がめっきり減った時、ふと周りを見渡したら「町会と付き合いがないじゃん」という事に気付いて、慌てて大阪市内だけでなく、本社から遠い大阪府の小さな町会にまで「お値段はいくらでも受けますんで葬儀を紹介してくださいな」と回ってましたよね。

火葬式専門事業をチマチマとされるその言動に、既存の流れにまず乗ってという、安易さを感じてしまい、発想が変わっていないと思うのは三日坊主だけでしょうか。そんな市場に飛び込まなくても、得意の先見性を活かして、老舗ならではのブランド力で勝負して欲しいと願っております。

上場した事で抜擢人事がやりにくいのかもしれませんが、血縁、資金縁、しがらみといったものをぶっ飛ばした思い切った人事も必要ではないでしょうか。「俺も頑張ったからここまで来たんやでぇ」と、夢を見れる環境ですよ。そんな事を考えながら、またまた老婆心で書いてしまいました。

僭越ながら、公益社さんの益々のご隆盛を心から祈念しております。

公益社さん、阿波弥さん、老舗葬儀社としてもう一度、業界のイニシアティブを取って下さい
昔から仕事のできる葬儀社、経験上の主観です 私が最初に入社した葬儀屋さんは小さなところでして、月間に自分が担当する件数がとても少ないの...

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