会社のセレモニー研究から弾き出された通夜の時間って… なんじゃそれ⁈

アメフトの審判員
アメフトの審判員

先日、フェイスブックで勉強させていただいているお寺さまのタイムライン上で、他のお寺さまの通夜に関するコメントに思わず目を惹かれました。どんな考え方をすればこんな葬儀社が生まれるのかと、呆れてしまった…

事の起こり

とある葬儀会館での通夜の出来事。

以前から何度か導師を勤めた喪家の通夜での事。予定していた人数よりも参列者が増え、導師が配慮して読経時間を延長したところ、その葬儀社のスタッフがやってきて、打ち合わせの予定時間を過ぎたため「お時間です」と終了するよう促してきた。

しかし、まだまだ焼香に訪れる方も途切れないし、ご葬家も参列者と故人を偲び泣いている状況なので、少し伸ばすと導師はそのスタッフに伝えました。すると、葬儀担当者がやってきて、「困ります、段取りがあり、私どものセレモニースタイルには合いません」と。

通夜を終えてから、導師はその言動について確認したところ、担当者曰く、「会社理念やセレモニースタイルの素晴らしさを話し、打ち合わせで決めた時間の長さこそ、ご葬家様の故人に対する辛い想いを癒す最高の長さと、会社のセレモニー研究から弾き出された数字だ」と話したそうです。

facebookタイムラインで見た、この話に思わず「なんじゃそれ⁉︎」と突っ込んでしまいまして、こんな考え方で葬儀を施行しているところも多いんでしょうけど、どれだけ自分たちの存在に驕りがあるのかと感じたのです。

事が起きる背景

この葬儀社がホールでの通夜に終了時間を決めているのは、おそらく通夜法要から食事(通夜振る舞い)へ流れる時に、それらのお世話に関わる女性スタッフの勤務時間の問題があり、そこから決定した時間内に終了するように考えているんでしょうね。いわゆるケツカッチンな現場なんです。ここ。

現在は、施行担当を分業している事が多いので起きる問題です。これ、互助会などで多いパターンですが、まず見積り担当者から引き継いだ葬儀担当者が、終始メインで担当します。担当するのは営業担当者であったり、デビュー前のサブ専門のポジションにいる者などです。

彼らは、見積り時に同行したりして顔をつなぎ、見積り担当者が取り決めた内容に沿って喪家との打ち合わせを行い、火葬許可証の届け・納棺・通夜・葬儀・後祀り・集金など、葬儀全体のサポートを担当します。

ホールでの人員を管理するのは、館長という名称などで女性責任者が担当している事も多く、この責任者の管理の元、自身も含めて、コンパニオンやホールスタッフとして働く女性アルバイト・派遣の人員を、葬儀の規模に応じて人数を調整して現場に入れます。

当然、時間制なので、通夜の1〜2時間前に現場に入り、4〜5時間ほど拘束します。例えば7時通夜なら5時に現場入りし、粗供養を準備したり、控え室の準備を確認し、通夜前の喪家との打ち合わせなども行います。

勤務終了時間が9時なので、7時から始まった通夜は8時までに終わって欲しいのです。8時からは通夜振る舞いがあり、その担当を同じ女性スタッフがするので、通夜がズレ込むとお世話できる時間が短くなってしまう。

食事が落ち着くまで1時間ほどかかりますから、途中で退社されると人数が足らない。すると、葬儀施行担当者に負担が行くのです。一人で切り盛りしないといけなくなるのです。

会社のセレモニー研究ってなんやねん

このようなケースが全てではないですが、多くのところではこのような事情が背景にあり、そのために通夜の開式時間を決めている事も多いのです。7時通夜を6時開式にしたところで事情は一緒で、4〜5時間を超えた残業代は誰も支払いたくないシステムなのです。

そんな自社の都合を「会社のセレモニー研究」なんて表現する葬儀屋って馬鹿じゃないの。それも言うなら、「会社の利益を研究した死のビジネスの効率なんです」って、正直に言えばいいじゃん。

こんな考え方を持つ担当者。そのような担当者をチェックできない葬儀社は多いのです。なので、事業者も色々な縛り(罰則)を設けて、良い葬儀担当者を維持しようとするけど、これがまた逆効果。そんな会社は社員(委託事業者)のモチベーションやスキルが高い訳がない。

で、出来上がるのが「楽して儲けよう」と考える担当者なんですよ。自分がしんどい、負担になる、自分だけ損なんて事を基準にしちゃうから、もう一歩踏み込んだお世話ができない。喪家に真摯に向き合って、今必要としている事(空気)を読み取れない。自分にとってヤバい!って事だけは嗅覚が発達しているんです。

余禄ですが、配慮のできる葬儀社の目安

結局は、そんな葬儀社では葬儀をしなければいいのですが、実際にそこでやってみないと葬儀社の評価はわからない。たまたま、いい担当者に当たればそれは見えてこないし、受け取る側の評価基準も違う。

まして、葬儀は初めての事が多いので、葬儀社の言われる事全てを鵜呑みにしている状況では判断できないでしょうね。

見積りに来た人はいい人だったけど、それを引き継いだ担当者は最悪なんてザラです。しかも、葬儀社のいい担当者、良くない担当者、両者とも奥ゆかしい微笑みができるので、表面では区別できないのです。

こんなところに注目!

細かなところに配慮できる葬儀社は、その施設の温度管理を肌で感じていただければすぐにわかります。葬儀会館の温度調整を的確にできないところは、配慮なんて言葉は存在しません。

担当者たちは動き回っているので、参列者が感じる温度と違うのですが、夏は寒いくらいの温度で、冬は寒いくらいの温度で設定する。そうなると、特に夏のエアコンの吹き出し口にあたりに座っている方にとっては寒くて仕方がない。

これを「ちょっと寒い(暑い)んですが…」と皆さんが訴える前に、「寒くないですか」と膝掛けなどを準備して、先に声をかけてくるところは、通夜の時間が少々伸びても文句は言ってこないと思います。これが配慮であり、葬儀を担当する者の務めです。

ただし、バカのひとつ覚えみたいに「気を遣ってますよ。私どもは」なんてやる人間もいますので、求めようとする人が、求めようとする寸前のタイミングでピンポイントで当ててくるのが正解です。空気を読めていないと行動できません。

葬儀を行うのは葬儀社ではありません。故人を中心として縁者と法(教え)を結ぶ宗教者の三者です。葬儀社はあくまでも、その場所を貸している業者であり、葬儀を行う三者がスムーズに儀式を行えるようサポートするのが本義です。そして、あくまでも黒子でありながら、マニュアルに存在しないサービスを提供するものと私は思っています。

皆さんも、お知り合いの方の葬儀や、葬儀見学会などで訪問した時にその葬儀会館の温度や、それを気遣うスタッフの動きに注目してください。一番わかりやすい方法だと思います。

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