火葬料金について

無ければ困るのですが、あたらに建設するのも難しい火葬場。建設賛成派・反対派の方も利用する、その火葬場運営のために結構な税金が使われている事はあまりご存じないと思います。何気なく説明されて支払っている火葬料金の仕組みを少々…

火葬場と火葬料金

火葬場や、火葬料金については各サイトで皆さんが説明していますので、ここではちょっと違う観点から火葬場や、その火葬場を利用するにあたって算出される火葬料金の問題、そしてこれから起きうるであろう事について考えてみたいと思います。

各自治体によって当てはまらない事もありますので、皆さんのお住まいの地区で一部でも同意できる部分があるならご一考いただければ幸いです。

この火葬場、関東では火葬料金によって使用できる火葬炉に違いがあるようですが、関西では火葬料金の違いによる火葬炉の差はありません。誰でも同一料金で火葬場を使用する事ができます。

火葬場の処理能力

現状は、自治体(都道府県単位も市単位も含めて)が管理する火葬場を持つところと、昔からの村(町)の墓地が火葬する施設を持ち、墓守り(葬儀社を兼業しているケースも多い)や、歴史の中で関わってきた業者がその火葬場を管理するものとに分かれています。

市町村の中には、自前での火葬場を持たないところもあり、近隣の火葬場を使用する事になります。いわゆる市外利用という事になります。また、火葬能力が死亡者数に追いついていないところも多く、他の火葬場を利用しながら運用しているのが実態です。

このため新たな火葬場を建設しようとしても、葬儀会館建設以上の反対運動が起きます。確かに昔からある火葬場の近くとか通り道に家を持っても、存在をわかって購入している以上、文句は言えないですけど、これから火葬場がやってくるとなると、そのお気持ちもわかります。

このように、現状でも厳しい環境の中、より一層の高齢化社会を見据えた時、新たな建設は難しいけど死亡者が増えていく問題にどう対応するのかが大きな課題です。

火葬料金の考え方

火葬場の使用に際して市外の方の利用を認めている場合、通常、市民サービスのための施設なので、市民の利用料金よりは高額に設定するのが普通です。

基本的には、市の人口と死亡率の統計を基に、必要な火葬炉の数を確保するために建設していますし、足らなければ新たに建設をするか、既存の施設を移転する際にでも大型の施設に変更するしかありません。そうなれば、また余計な支出が市の財政から出ていくわけです。

市民サービスなら、市民は無料か?とはいきません。火葬場運営に合理化のための仕組みを導入している訳でもなく、ちょっと無駄なところも多いと思いますが、誰もパンドラの蓋は開けれないのが実情かもしれません。

大阪市内の火葬場で考えてみる

一例として今回は大阪市内の火葬場と隣市の関係を基に火葬料金と火葬場建設費(県市税・国税)について考えてみます。

例えば、大阪市内の火葬場では、埋火葬許可証の届出人が大阪市内、八尾市内に住民票を置く者であれば、同じ料金で大阪市内の火葬場施設を利用できます。市内料金であれば1万円で、市外料金になれば6万円になります。その差、5万円あります。(執筆時点)

平成24年10月に報告された平成22年度の支出を見てみると、火葬場事業費として約10億7千万円ほどかかっており、そのうちの44%を料金等で確保し、56%を市税でまかなっているとしています。

・収支状況については、事業費(施設整備経費含む)の44%を料金等の収入で確保しているが、残る56%を市税でまかなっている。

・斎場の事業費を平成22年度決算額で見てみると、燃料費や施設整備費などの物件費が約6億8百万円で57%、人件費は約4億6千万円で43%となっている。

・また、今後の火葬需要予測については、高齢社会を反映して、今後火葬件数が増加する傾向にあるとの観点から(財)厚生統計協会発行「日本の将来推計人口」の死亡人口の推計資料を基に大阪市が算定したところ、大阪市の火葬件数が平成51年にピークを迎え、39,000件を超えると予測している。

一覧にまとめてみました

火葬件数と収入

大阪市火葬件数
大阪市火葬件数

収支内訳

大阪市火葬場収支
大阪市火葬場収支

22年度の火葬場運営のために必要な支出金額は合計で④約10億6800万円。これを賄うための火葬場収入は、①の約4億6千万円しかなく、6億円の市税投入(赤字)になり、一体火葬するたびに約2万円の市税負担が発生しました。

現在、大阪市と八尾市は、ゴミ焼却などで協力関係にある都合上、八尾市民が大阪市の火葬施設を利用する場合でも、便宜を図って大阪市民料金となっています。

報告では、八尾市からの火葬数は報告がないので実数はわかりませんが、これまで市内扱いとして火葬してきたものを、ルールを厳格化して死亡者、使用者とも大阪市内在住者と限定とする事により、差額5万円×八尾市民の分だけ火葬場に関しての赤字が減るのですが…

大阪市長さん、いかがですかね。

火葬場不足は全国的な問題だと思いますが

個々の概要がわからないので詳細は不明な点もありますが、実態に見合った火葬料金にしない限り黒字にならない事業でもあります。ならば、せめて現状の火葬料金の基準を見直して少しでも収入を上げ、建設コスト・ランニングコストは下げる努力は必要です。

国民健康保険料の名称を、国民健康保険税と言うのに火葬料金を火葬税とは言わないから、徴収される意識も生まれず、建設の必要性や、その運営コストに対しても、市民には関係ない存在のように感じるのではないでしょうか。

人生の中で、一度か二度ぐらいしか支払う機会がない料金(税)ですから、意識には無いと思いますが、間違いなく建設には数億円〜数十億円かけて行っています。

行政は、必要性を謳い文句と隠れ蓑にして不要な豪華なハコ物を建設し、「高性能な火葬炉」という、高価な設備を含めた施設にお金(税)をかけています。それも、競い合うように…

国の助成があっても、建設する火葬場の概要・仕様を決めるのは各自治体であり、その中の一部の人間です。頻繁に建設できないし、在籍中の功績のために「豪華」にするのかなぁ。ならば、もう少し、透明性が必要ですし、市民にも関心を持っていただかないといけません。

なので、葬儀社から「火葬料金のご用意をお願いしますね」と言われた時に、火葬料金の税負担(赤字)が発生している事を思い出していただきたいのです。

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