遺骨を郵送する時代

遺骨の郵便不在届なんて嫌ですね

最近、遺骨を郵送で受付し、納骨と供養を行うサービスが静々と人気とか。うがった見方をすれば、これまで檀家制度を中心として運営してきたお寺も、それを支える檀家そのものが減っていき、十分な資金を得る術を失いつつある環境が拍車をかけているのでしょうか。

菩提寺と檀家の関係が崩壊しつつありますし、古くからあるお寺は檀家数が少ないと、住職もその寺だけでは生活ができない。二つ三つお寺の住職を兼任されている方がいると思えば、自坊を持たないお坊さんがおぼうさんドットコムへ登録し、派遣を受ける方もいます。

普段は別の仕事をしていながら、登録先から依頼があればお経を上げに行く。料金(お布施)もこれまでと違いお手頃な金額が受けています。

ある意味、宗教を必要としながらもそのシステム自体に違和感を持つ方が多いのでしょう。
私も長年の葬儀業界の中でいろんなお寺さんを見てきましたが、やはり経営センスを持っているところしか生き残っていけない現状があります。

古くは、葬儀社への営業、接待を行い仕事を紹介してもらう。お寺はその見返りとしてお布施の中から葬儀社へ謝礼を支払う。この詳細は、「お寺さんの紹介料について思う事」に書いています。

営業上手なお寺さん

同じ営業をかけてくるお寺さんでもやはり担当者に人気が有るか無いかによって依頼頻度が変わってきます。特に多い、浄土真宗のお寺さんなどはその人柄とか、無理を聞いてくれるか、偉そうで無いか?が基準になることも多く、A寺よりB寺の住職の方が言いやすいからなどとなります。(夜中の枕経の依頼でもかなり対応に違いがありましたから)

希少な宗派の場合、嫌が応にもそこにしか依頼することができないので、嫌味なお寺さんでも来てもらわないといけない。実際、このお寺さん紹介しても大丈夫?って方も多かったですから、会社がいくら紹介寺グループ以外は依頼してはダメと言っても、担当者としては避けたい気持ちです。

八宗を名乗り、どの宗派でも行きますよっていう真言宗のお寺さんもおりました。住職曰く、真言宗こそが仏教の本義であり、だからこそ他宗も読経することができるのだ!と言ってました。その真偽はともかく、何でも仕事にしてやろう的な野心には感心しました。

だってこのお寺さん、宗派が変われば装束も変わる。しかもお経や作法もその宗派に合わせてお勤めするんですから、モノマネのコロッケさん以上かもしれない。あ、ちなみにお布施はどの宗派でも統一でしたが…

家族葬や直葬など、葬儀の簡略化が進み葬送儀礼がおざなりにされていく現状を憂うのですが、例え紹介坊主であっても、葬儀や法事に必要として呼んでくれる方がまだいることに安堵を覚えました。

派遣坊主であっても、儀式をきちんと勤めてくださるならありがたいです。大きな自坊を構えて、その維持のために必然的にお布施が高くなっていくよりは安心です。

由緒ある寺院の場合

お布施が高いといえば、大阪には歴史上の遺産として大阪城の周りにお寺が集まり、現在の中央区、天王寺区を中心とするあたりに寺町が形成されてきましたが、この周辺のお寺さんはびっくりするほどお布施が高額です。

この寺町のお寺さんを直接、依頼すると宗派にもよりますが導師だけで50万円と言われる世界です。導師、脇導師、役僧と三人入ると100万円は用意しといてねって感じです。(実際に、私の友人の奥さんがこの周辺では有名な商売人の娘さんで、父の葬儀の際に三人で100万円支払ったと言ってましたので)

特に日蓮宗や禅宗(一まとめですみません)などは敷居が高く、これまでの檀家も古くからの商売人(商人)が多いことからお布施もびっくり金額になるようです。ところが、このお寺の中で経営が苦しいから代替わりしたという話は聞きませんし、潰れたという噂も聞きません。以外と堅実に運営されているようなのです。

納骨できる施設が少ないのか

大阪には「四天王寺」と「一心寺」という有名なお寺がありまして、どちらも宗派を問わず遺骨を預かってくれます。どちらも1万円から納骨を受けてくれます。

四天王寺は最終的に合同での埋葬を行い、一心寺では遺骨を集めてお骨佛を作ります。このような施設が身近にあれば、お墓のない方、お墓が中々手に入らない方、予算に制限がある方でも一律に納骨し、折につけお参りすることもできます。

ところが、先の郵送による納骨サービスをお寺が行うという事について、住職は葛藤があったそうですが寺の維持管理のためには致し方ない決断をしたとの事。

依頼される方は、近くに手軽に納骨を受けてくれる寺院が無いのでしょうね。意外なのは、同市内の方もいる事にびっくりです。どちらにしてもそれぞれの事情があるのでしょうが、せめて納骨には自分の手で収めてあげていただきたいなと思います。

宗教との付き合い方、宗教界の今後の行方は益々厳しい状況になっていくでしょうし、料金と言いますか収めるお布施が適正である、現実に沿ったものであることが大切なんでしょうね。
葬儀業界にも言えることです。

調子に乗っていたら、消費者からそっぽを向かれて葬儀の簡素化に歯止めがかからなくなり、結果、どんどん葬儀費用が下がりますし、そのうち郵送で遺体を送ってくるかもしれませんよ。って無理か…

シェアする

トップへ戻る