今の時代、互助会って必要性はないかもしれない、もっと葬儀の選択肢を広げて見るべき

昭和の台所の写真
昭和の台所の写真

互助会の成り立ち

戦後の復興を乗り越えて団塊の世代(昭和22年〜24年)が所帯を持つようになり、子供を育てる時代の昭和40年代に始まった冠婚葬祭互助会システム。当時は所得も低く、冠婚葬祭を相互扶助の精神で地域で助け合い、安価で安心して人並みの事が出来るようにと始まったものです。

設立当初の主な事業は「冠婚」です。古く、自宅で結婚式を挙げていた時代には花嫁が着る衣装がメインであり、高価な白無垢を一度着るために購入するより互助会で安価に借りれる、そのシステムが受けました。

その後、自宅での結婚式から神社等での挙式に移り変わり、白無垢からウェディングドレスへ人気が移ると、教会で結婚式を挙げたい方も増えてきます。しかし、本格的な教会で結婚式を挙げる慣習などがない時代、それを提供できる場所も少ないことから、結婚式場・チャペルを建設することがメインになります。

それまで神社などの結婚式場を手配する立場から、専門の式場を持つようになり、その演出と提供する料理、引き出物にこだわるようになっていく互助会。皆さんの中にはご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ゴンドラに乗りドライアイスの煙幕に包まれながら二階から降りてくるなんて事をやっていました。

消費者庁→国民生活審議会→冠婚葬祭互助会の現状において、互助会の始まりを次のように解釈しています。

我が国においては,無尽講,頼母子講と呼ばれる相互扶助制度が存在してきたが,互助会もそうした相互扶助理念のもとに戦後の所得水準が低くかつ物資も乏しい時代に,冠婚,葬祭という不時の出費に備え加入者が月掛金を拠出し,衣裳や祭壇等を共同で購入し,利用することを目的として始まったものである。

互助会の監督官庁は経済産業省ですが、互助会契約におけるトラブルが多い事から消費者庁でもその問題解決の為に約款問題の中で取り上げているものを引用しました。

消費者庁 III 冠婚葬祭互助会約款 1冠婚葬祭互助会の現状

時代背景的には、当時の生活環境において「将来に備える」ために互助会へ加入し、子供達の結婚式はともかく、自分たちの葬儀を初めて考えるきっかけになった時でもありました。

事実、私が中学生くらいの頃に母親が「互助会に入ったから、これでお母ちゃんの葬式もできるから安心しいや」なんて言ってましたし、ご近所の方も加入された人が多くそれがブームにもなっていました。

加入したコースは、500円掛け×60回の3万円満期コースを二口で、一口は私の結婚のため、もう一口は自分の葬儀のためにとの考えだったようです。子供なりに、「3万円で葬式できる訳ないやろ」と思うくらいでしたから、互助会がいかに会員を増やすため、加入しやすい事に重点を置いていたかがわかります。

昭和から平成までの互助会の躍進

「死に備える」という概念が無かった時代と、冠婚葬祭を慣例に従って行ってきた時代に一つの変化をもたらした互助会システムですが、この後、平成に入るまでの間に急成長をします。

その流れの中で、結婚式が互助会の式場でする時代から、ホテルへ移り、海外へ行き、やがて簡素化の道をたどるにしたがって、冠婚部門より葬祭部門が事業のメインとなり、新規会員入会と売上を支えるようになります。

時代の移り変わりに流されるように、会員証の役務、約款は迷走を続けます。現会員証には付いている役務が、次の会員証には含まれない。満期額が同じであるにもかかわらず内容が変化する。この辺りを見てもアバウトな経営感覚が見て取れます。

葬儀売上の狙いどころと不便な互助会システム

勢いのある時代、互助会の葬儀に対する売上構成の基本的な考え方は、会員証満期額・役務に含まれる葬儀商品を、高額な物に上書きしてしまうというものでした。

主な対象品目は、祭壇・供花・棺・遺影写真・湯灌・霊安室使用料・会館使用料・法事室使用料・料理・供養品などです。これらをターゲットに別途追加項目も含めて会員満期額の3〜5倍の売上を目指し、また実現してきました。

ところが、昨今の葬儀の簡素化や費用の低額化による影響から、これまでのようなやり方が通用しなくなってきており、売上の頭打ち現象が起きています。また、弱小業者による直葬の推進が互助会経営を揺るがそうとしています。

競争相手の増加により、新規の会員加入者を増やす事が難しい状況の中で、いかにリピーターを作れるかが課題なのですが、これも価値観の多様化に対応しきれていない経営感覚が邪魔をして思った成果が出ない。

金券として使えない互助会会員証

互助会の会員証内容は限定されたプランとなっており、例えばその満期額を下回る葬儀を施行したいと思っても差額の返金はもちろんなく、掛け途中の会員証などでは満期にして初めて、その施行内容(役務)が提供されるシステムのため不具合が起きてきます。いわゆる「金券」として利用できない訳です。

葬儀を行う際、死亡者や喪主、親族名で会員証の検索をかけて調べてくれます。その時、仮に30万円満期の会員証を9万円まで掛けて放置しているものが出てきて、その掛金だけを使用したいと思ってもできません。

仮に9万円支払っている会員証に1万円を加算して、10万円の葬儀をしてほしいと言っても、火葬のみの葬儀には対応できないのです。会員証コースに含まれる役務(祭壇・棺・花・葬儀備品など)は、30万円の支払いで初めて提供される「パック商品」なのです。

また、40万円コースの会員証を持つ人が、30万円満期の会員証のコース内容を選択する事は出来ません。金額の低い方から高い方へアップする事は追加金を支払えば可能ですが、できるだけ費用を抑えたいと40万コースの会員が30万円の葬儀を選ぶ事は出来ないのです。

なので、40万円の会員証金額で30万円の祭壇を選択して、残り10万円を料理代金に回す事が出来ないのです。(コース満期額は、互助会会社、販売時期などにより全て違いますので仮定です)

また、40万円コースと30万円コースを二口加入している人が、40万円の会員証を祭壇に使い、30万円の会員証を料理や供養品にと思っても使えません。40万円と30万円合わせて70万円の祭壇からスタートしちゃいます。一方を金券としては取り扱ってくれません。

えっ!互助会会員証って金券なの?

そして、それぞれの会員証には棺、霊柩車など含まれるのですが、2枚使用する(喪家は使用したくないのだが)場合、棺を二つ、霊柩車を二台用意してくれません。

二口の会員証を使わされる時には上級の役務を一つだけ提供されて、もう1枚の会員証は祭壇に限りなぜか「金券」扱いと説明されるのです。ここ、おかしくないですか?

最初に述べたように会員証は金券として使えないと説明しながら、自社の売上のためには金券にして、もう一つの役務を勝手に放棄するのです。「会員証を二口利用される場合、追加使用の会員証は金券に利用できます(させられます)」こんな事どこにも書いてません。

確かに霊柩車は2台も要らないと思いがちですが、実は病院死亡→自宅安置→霊柩車で通夜前に会館へ移動→霊柩車で火葬場へ出棺と2回利用する事もあります。

この時、「出棺用霊柩車は会員証に含まれますが、自宅から会館への中送り霊柩車は5万円かかりますので」と正々堂々と言ってきます。会員証を二口使用している場合でも、余った霊柩車をあてがってくれません。同じ霊柩車、同じような距離にもかかわらずです。

互助会が成長してきた時代には「葬儀はお金がかかかるもの」だったので、こういったやり方も通用したのですが、葬儀に対する意識の変化、価値観の多様化に対応しない、自社都合の強いエゴなシステム(経営者の欲望)が根底にあるためトラブルになります。

そして一言「互助会は意外と高い」と言われるのは、お客さんに優しくないからです。優しくすると売上が減るからです。

葬儀に対する互助会の価値観

皆さんが互助会で葬儀をされる際、上記のような点に注意してください。約款がなければ請求して施行役務内容を確認するべきです。

実際に「満期後の割増金を提供」と書かれた会員証もあります。なので、当時の謳い文句のように「物価が変わっても契約時の内容を提供します」というなら、きちんと割増金として葬儀代金から割り引いてもらわないと損をしますよ。

様々な葬儀社が乱立する現在では、どうしてもそこでなければという時代でもありません。葬儀の資金を残すためならば、他にも方法はいくらでもあります。

現在、互助会に加入されている方は、もう一度、役務内容と約款を見直してください。再確認が必要です。申し出れば生前見積りも可能なので、その際に提供される内容の確認と、葬儀費用の概算を知っておくべきです。

また、これから加入を検討している方は、事前に地元の葬儀社や、互助会数社から生前見積りを取り、納得のいく会社で互助会もしくは会員制などのプランに加入するべきです。いい葬儀を行うためには、比較検討を事前に行うのが一番の方法だと思いますので。

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