互助会の脅威と、互助会だから業界を改革できるのではと思う、若干の期待

恐るべし、互助会の資金力

一般の葬儀社では、お葬式を施行する事で始めて売上を得ることができますが、互助会は、施行を行う前に会員に加入させる事によって事前に、毎月売上が上がるシステムですからこれは強い。

前払い式割賦販売という方法で、これは満期額に含まれるサービス内容を明記して、将来に渡って内容を変動する事なく提供する事を約束し、実際に葬儀や結婚式を施行する際に会員で無い一般の方よりお安く提供しますよとのパック商品です。そして提供する事を約束した内容を契約役務・約款と言います。

これ以外に必要ならば、オプションとして別注しますが、この販売価格も一般価格、会員価格に分かれており、当然、会員の方が安くなるという話です。

最近の結婚式では、この役務・約款に含まれる内容が現代風にそぐわないことも多く、結婚式場が独自に設定したプラン内容に、会員満期額を充当、もしくは金券扱いとして使用します。

そりゃ、未だに役務に含まれる新郎の衣装が、ねずみ色の燕尾服なんて誰も着ないでしょう。新婦のドレスに合わせたタキシードで新婦を盛り上げるか、もっとシンンプルでもデザインが違いますよね。

葬儀の場合

葬儀の場合も祭壇・棺・ドライアイス・寝台車・霊柩車・人員などが含まれ、とりあえずお葬式ができそうなのですが、葬儀会館でする場合には「会館使用料」がかかってきます。

これが結構な曲者で、請求される事は当然といえば当然なのでしょうが、どうも設定に疑問があります。どこのサイトでも「互助会の満期額だけでは葬儀はできませんよ」と煽ってますが、確かにできません。

  • 会館使用料
  • 病院から搬送した距離の超過料金、深夜作業料金など
  • 病院から直接会館に遺体を預けた場合の霊安室使用料(自宅帰りの場合は不要)
  • 自宅安置後、会館まで搬送する場合の霊柩寝台料金(会館直接の場合は不要)
  • ドライアイスの追加料金
  • 親族一同・祭壇写真周りの花飾りなどの供花代金
  • 湯灌料金・遺体処置料金
  • 献茶婦(サービス人員)の人件費
  • 司会者料金

等が主な追加品目の商品になります。

これ以外には、供養品・香典返し・通夜、当日の飲食代金となるのですが、これらは参列者の人数によって変動しますし、その原資は香典で賄う性質のものですから、基本的には喪主・施主が全額負担する訳でもありません。

でもね、これでは儲からんのですわ

棺も、佛衣も、会員証に含まれる物が多いのですが、担当者は「ハイ、ハイ」と言っていては売上が上がりませんので、当然、ガンガン売り込んできます。
でも、会員証に含まれているので、喪家としては「?」となるのですが、躊躇していては売り込めません。喪主を納得させられないため、説明を端折ったり、嘘をつく者もいます。

と、まあ、このような状況で現場の担当者がせっせと売上を上げてくれる事で、会員証加入口数における満期額及び、支払い途中の会費額が自由に使えるわけです。

大手互助会が保有する資金はどれぐらい?

その金額は、大手互助会のベルコで、加入口数として約200万口と自社ホームページで述べているところから考察していきましょう。

会員証満期額の違いもあり、古い会員証では3万円、7万円、12万円などもあります。また、会員種別による割合を公表していないため満期額の平均額は不明ですが、仮に満期額を30万円として200万口で乗算すると、6千億円の会員証の満期売上額が見込める事になります。

これはあくまでも一口3千円の前払式割賦販売における、会員販売の総売上予定額です。一件づつのお葬式における売上は入っていません。200万口を施行で消化するたびに満期額とは別に売上が発生します。これが、先ほど申し上げた葬儀施行発生時における担当者が上げてくる売上です。

互助会と一般葬儀社の資金調達の違い

こんなバケモンみたいに売上を上げてくる互助会に対抗できるところはないでしょう。一般の葬儀社で、法人格を得て、上場することで潤沢な資金を用意する。そんな会社、葬儀業界では数社です。後は、日々の売上が発生しないと前に進まないのです。

自社で会館を建てるにしても、金融機関から融資を受けないと建設できない。建設できても、負債からのスタートです。

ところが、互助会は、上場しなくとも毎月、個人が3千円なりの投資をせっせと行ってくれる訳です。新規会員が10人で3万円。100人で30万円。千人で300万円の売上が、既存の会員証の販売売上に積み上がっていく訳です。

さて、これだけのエンジンを持つ互助会の行方は?

爆走中です(笑)

互助会の社長さんたちは欲張りですから、まだまだ物足りないと思っているのではないかと思います。

しかし、全国の小さな葬儀屋がその足元をすくうために躍起になっています。彼らには、モラルもありませんし、ライオンに戦うためにあらゆる戦法を使ってきます。ゲリラ戦です。消費者を巻き込んでの戦いを挑んでいます。

その結果、現状は値段を売りにして、直葬を平気で販売する業者やその葬儀社を紹介するサイトが乱立しています。このような状況が続けば、いずれ葬儀社なんて無くても葬儀が成立する。そう、昔の葬儀のスタイルの戻っていくのではと感じています。

ただ、昔と違うのは、隣保が無く、誰もお隣の葬儀に仕事を休んでまでも手伝わないという事で、では、何が必要とされていくのか? 葬儀社ではない、葬儀社を退職した葬儀の知識を持つ人にサポートを依頼するだけになるのではないでしょうか。

葬儀社が将来にわたって必要とされるかどうかは、葬儀の文化を適正な価格で提供する事ではないかと思っています。

葬送儀礼を大切にしなければいけないと思える考えが、消費者に根付く事が必要なのですが、その活動のための投資を行ってくれるのかどうか。

何千億円、何兆円という潤沢な資金の中から、文化という儲からない事に熱意を持って、資金を打ち込んでくれるのかどうかによって業界の将来は変わるのではないでしょうか。提灯持ちばかりのスタッフにさせるのではなく、人選を間違わず、強くNoと言える人間に資金を託す勇気があるのかどうか…

そんな現状をぶち破る意識が互助会の二代目、三代目の社長にあるのか?

ないな… そんな遠い将来を見据えてくれるような人、見た事ないし…

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