前受け金2兆3千億円の互助会には法改正が必要です、お互いに助け合うという大義名分は時代にそぐわない

右肩上がりのコインタワー
右肩上がりのコインタワー

昨年、放送されていた互助会についてのニュースを最近偶然に見ました。評価とシステムを混在して放送しているので、内容的には少し間違っているためその説明と補足を兼ねて記事を書いています。わかりやすいように他所からの引用が多いので、長文になりますがお付き合いください。

まずは互助会のおさらい、それは積立金じゃありませんよ

冠婚葬祭などの「急な出費」への不安をなくし、安心してこれらの儀式を行えるようにと事前にその権利を購入する互助会の会員システムですが、これは「積立金」ではなく購入した「商品代金」を支払う行為です。

この商品とは、互助会が提供する冠婚葬祭の商品プラン(○○コース・プランなど)の満期相当額で設定されたサービス内容(役務)を前もって分割購入するもので、これを前払い式割賦販売と言い、二ヶ月以上、三回以上にわたって支払うのが割賦販売法の適用になります。なお、一括支払いや二回払いは割賦販売法の対象にはなりません。なので、相当高額な解約手数料を取られても文句は言えません。

加入後、加入者の手元に1枚の会員証が届けられますが、この紙切れが唯一あなたの権利を証明するものになります。これを加入者が家族に伝えていない。特に離れて暮らす子供に伝えていなくて、死後、遺品を整理していたら出てきてなんてのがよくあるのです。

で、当然のごとく解約となって、やれ名義が違うから名義変更をしろ(有料)とか、死亡した事実を証明しろと死亡診断書や火葬・埋葬許可証などのコピーを出せとか、印鑑証明まで提出しろと言って、解約してほしくないから時間と手間のかかる事を強要するのです。(もっと、遺族の身になって利便性を計らないといかんよ、互助会さん)

商品サービス内容とは

通常の割賦販売とは後払い式で、互助会は前払い式割賦販売です。この両者の違いは先に商品を手にするか、将来に利用するその商品サービスの「権利」を購入するかという大きな違いがあります。互助会に加入されたあなたは会員証という紙切れは受け取っていますけど、「まだ商品を受け取っていない」状態なのです。(ここ重要です)

その会員証に含まれる商品サービス内容を役務といい、会員証種別によるそれぞれの満期額で設定された内容でサービスが提供されます。含まれていないものは当然有料です。

葬儀の場合で言えば、仮に24万円満期の会員証があり、そこに含まれる役務は「祭壇・棺・棺布団・仏衣・ドライアイス一体分・霊柩車・寝台車・等々」となっていれば、これらは会員証込み分として「無料・セット内など」となります。

一応、これらの品目には会員価格と一般価格(非加入者)が設定されており、例えば加入時点での棺価格は会員5万円・一般8万円、霊柩車が会員6万円・一般10万円などとなる訳です。だからプランに含まれる商品を全て合計すると60万円以上するけど、会員は30万円で行えると言い、この価格差を打ち出してきたりするのです。

とは言え、これらの商品単価についてはその互助会が勝手に取り決めているもので、他の互助会や葬儀社と共通売価になっている訳でもない。だから「加入された方がお得ですよ」と言う根拠の元が、何をもって安いというのがよくわからないのです。

で、互助会の売りは、物価が上がっても加入時の内容を将来にわたって保証し、提供しますと言うのです。例えば、加入から30年経って当時の会員証満期額が24万円で、現在は加入時のプランに含まれる商品の原価と売価が上昇し50万円になっていても、差額を請求もしないし同じグレードの商品を提供しますから「お得で安心」とくる訳です。

 さて、その安心とやらが問題だと思うのですけど

権利購入者(会員)から互助会に支払われた会費(前払い金)は、1/2に相当する額を前受金保全措置を講じる事が義務付けられており、法務局・互助会保証株式会社・日本割賦保証株式会社・指定金融機関などへ供託し保全するように決められています。万一、加入している互助会が破綻した場合、1/2は返ってくる可能性があると言う事です。

これを積立金と勘違いしていると「なぜ、半額しか返ってこないんだ」となります。しかし、みなさんが加入した会員の権利は、まだ利用していない、形のない商品ですがすでに購入しているから半分だけでも返そうとなるのです。不十分な仕組みですが、この程度の処置でもしておかないと中には互助会システムを利用し、お金を集めてバックレる奴も出てくるからです。

で、残りの1/2は経営を進める上で自由に使っていいとなります。建前としては、会員の利便性を図るため、高度な充実したサービスを提供するために豪華な葬儀会館や結婚式場を建設します。お互い助け合う仲間のはずの会員への事前相談や報告なんて一切ありません。

それを監督する官庁である経産省も、

消費者保護の観点から、保全処置を講じる割合を引き上げるべきという一部の声がある事は認識している

前受け金を冠婚葬祭設備の整備・拡充に活用することにより、会員がより良質のサービスを享受できる

したがって前受け金全額保全をする事、制約を強化する事が会員の利益の向上になるとは限らない

と、以下に貼り付けている番組の質問の中で答えています。

互助の精神て、な〜に

そりゃそうですよね、当初は互助組織だったけど今や法人化を求められ、業界の競争も激化する中で会社の運営戦略の事ですから事業部外者へ情報を漏らす事はないですもんね。

一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会が2013年7月5日に経産省へ提出した資料より引用しますが、

互助会は、このシステムを管理運営する事業体である。本来は互助組織であるが、経営の透明化・健全化と前受金管理の確実化の要請から割賦販売法によって法人化が求められ、多くは株式会社となっている。

あれっ、でも、確か互助会の始まりって、その互助会が集まって創設した「一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)」の「互助会の歴史」の中で「少しのお金でもみんなが互助の精神で助け合い、力を合わせれば立派な結婚式やお葬式もできるはずだと、始まったのが冠婚葬祭互助会の起源であります」と言ってましたよね。

昭和23年に日本で初めての冠婚葬祭互助会である横須賀冠婚葬祭互助会が設立されました。冠婚葬祭互助会の名称は冠婚と葬祭の二大儀式を「互いに助け合い」の礼をもって送りたいという相互扶助の願いを込めたものです。
 終戦後、焼け野原となった横須賀で物資が不足する中、親たちは子どもの結婚式の門出を祝う花嫁衣装を買ってあげる事もできませんでした。そこで隣近所のみんなが少しずつお金を出し合い、1着の花嫁衣装を購入。その1着の花嫁衣装をその地域の花嫁さんがみんなで大切に着回しをしたそうです。少しのお金でもみんなが互助の精神で助け合い、力を合わせれば立派な結婚式やお葬式もできるはずだと、始まったのが冠婚葬祭互助会の起源であります。この相互扶助の「一人が万人のために、万人が一人のために」という考え方が、当時の戦後のすさんだ人々の共感を呼んだのです。
 また、当時、生活の改善、合理化を進める新生活運動とともに、互助会の合理的で利便性の高いシステムが当時の世相に迎え入れられ、深く根を下ろしていくことになりました。

一般社団法人 全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)より引用

となるとですね、設立当初は相互扶助の精神で、みんなで助けあってと言っていたけど、いつしか会員は蚊帳の外に置かれて、その託した資金を元に親元組織だけが立派になっていると表現した方が正しいのだろうか。

金融商品取引法で考えるべきではないかな

全互協から経産省への報告では、

互助会は、集団を維持拡張するための募集、会費納入管理、会員管理、前受金保全措置、問合せ対応等のシステム維持のための経費支出がある。しかし、前受金は預り金であり、施行役務の提供があって初めて売上になるので、それまでの経費支出は先行的支出となる。

いやいや、前払いの半分は自由に使えるんですからそこから経費を支出するって言う考え方が普通だと思うんですけど。

この先行的支出は、システム維持の経費として基本的には会員が負担するものであり、契約どおり会費を完納し施行役務の提供を受けた会員については、売上金から得る粗利益から回収されることになる。

保険の場合はその考えに共感できる。また、互助組織の時代ならそれもありでしょう。でも法人となって事業となれば、その経費は互助会が負担する性質ではないかな。

互助会契約は、契約から施行までの期間が長期に及ぶのが通例であり、この先行的支出は各年の損益計算上損金として経理される。従って、施行時に得られる粗利益 は損益計算上収益として経理されるので、施行年度の決算のみを見ると外見上、大きな利益が計上されている様にみえる。

いやいや、今や互助会の預り金総額は2兆3千億円以上と言われ、そんな潤沢な資金を持つところに利便性を図る必要ってあるのでしょうか。この預り金の中にも利付国庫債券なども含まれますから、預けるだけでどれだけ資金が増えると思ってますか。経産省さん。

しかも、「しかし、前受金は預り金であり、施行役務の提供があって初めて売上になるので、それまでの経費支出は先行的支出となる」との報告に対してツッコミを入れないのもおかしい。逆に言うと、自由に使えるお金が2兆3千億円あったと言う事ですよ。会員募集経費や施設建設など無茶に使いすぎて自己資本バランスが崩れている互助会が危ないって事です。

無計画に設備投資を行い、ほとんど利用されてない葬儀会館や結婚式場。そんなの日本全国の互助会でどれだけあるかって調べているんですかね〜、経産省さん。まず、そういった経営状況を把握するべきです。

銀行が互助会ファンドを販売すればいいんですよ

毎月、加入者から積み上げられる前受け金は利息も支払わなくていいし、株式のように配当も必要ない。このシステムを考え、トップに上り詰めた方は賢いんです。時代の寵児です。ですが、あくまでも庶民の互助の精神から始まったものが、今や事業として稼働し、これだけ大きな資金を預かっている事実を鑑みても、そろそろ見直す時期だと私は思います。

もはや時代も変わり、当初の互助精神ではなくニーズに沿った金融商品として規制するべきではないかと思うのです。割賦販売法で規制される規模を超えていると感じるのです。金融商品であれば元本保証はないけど、リスクとメリットがある商品を考えればいいと思うのです。期間の経過とともに利回り代わりのオプション品が無料で利用できるなどです。

いっその事、金融機関が互助会ファンドを販売し、消費者が自由に好きなどこの互助会でもその権利を利用できるようにして、互助会はそのファンドから資金を借り入れて世の中の法人がやっているように「普通に経営」をすればいいんですよ。そうすれば経営・人事などなど、世間を騒がせる問題なども改良されるんじゃないですか。葬儀屋の大将がここまで大きくなったら、そりゃ、どこかにひずみが出てきますよ。

通信や電力・ガスなども自由化され消費者が自由に選択できるこの時代に、一度加入したらその互助会が気に入らなくても利用しなければならない。しかも、施行時にはそこで販売される商品単価や販売システムに強制的に従わないといけないこの仕組みってところが、今の時代には無理があると思います。

なお、以下のリンク内容については肯定も否定もしません。あくまでも過去に放送されたニュース番組の映像と言うだけですので。ご了承ください。

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