障害者のための冠婚葬祭のあり方を考えさせられる

膝をついて座る女性のシルエット
膝をついて座る女性のシルエット

平成28年4月1日から施行された「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」について考えてみた。まだまだ、冠婚葬祭の現場では、十分なサポートができる環境は整っていない。大変難しい問題ですが、業界としても真摯に受け止めて取り組む必要性があると思う。

内閣府:障害を理由とする差別の解消の推進

国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、平成28年4月1日から施行されました。(内閣府:障害を理由とする差別の解消の推進より引用)

障害を理由とする差別の解消の推進 - 内閣府

障害を持つ方への社会の対応、個人における対応は、決して十分なものとは言えないと、自戒も込めて思っています。電車だけでなく、道路を通行するにしても、段差は多いし、安全とは言えない環境です。また、私たちが、プライベートでもビジネスの現場と同様の意識と行動を、勇気を持って行えるのかという事も検証すべきところかもしれません。

障害者用の駐車場でも、空いているからとか、入り口から近いからとの理由で、駐車する健常者が後を絶たないともSNSではよく見ますし、最近の電車でのマナーの悪さは、外国人旅行者を非難する前に、我々がまず襟を正さないといけないのではとも感じます。

仕事とプライベートの差を無くさないといけないですねぇ

葬祭業界に勤める私たちは、身障者の方が自身の葬儀会館に来られた時には、車椅子を持ち上げて階段を上げるとか、式場での着座場所の確保や、焼香への誘導などでも、恐らく、多くの方が親身になって、積極的にお世話に努めると思うのですが、この行動を、普段の生活でも同じだけの積極性と自然な発心で行えるかも大切な事だと思います。

ビジネス上の、パフォーマンスとしてのサポートではなく、健常者、障害者共にお互いに気を使う事なく、同じサービスを受ける権利を守ることも事業者は配慮するべきでしょう。また、そのための設備投資も、社員教育も同様で、企業責任として取り組むべき問題であり、今後の事業者としての姿勢を評価するポイントになると思います。

でも、そう考えると、資本力がない限りなかなか実現できないよね。町の個人葬儀社や巷の直葬屋なんかは、バリアフリーなんて無理でしょうし、その事業を専門としない限り、取り組もうって気にはならないよね。人手はかかる、設備費はかかる、だから取り組めないのかな。

なら、葬儀紹介業者に頼って商売するよりも、障害者の皆さんのために立ち上がってビジネスモデルを創造すれば、独自性を持つ、世に役立つ事業となるし、何より、胸を張って仕事をできるんじゃないかなと思うんですが。

冠婚では取り組んでいる事業者がいます

障害を持つ方が安心して結婚式を挙げることができる、介護付きバリアフリーウェディング事業を進めている会社があります。この会社の代表者は、ご自身が障害者になって初めて気付いた事がきっかけになって、この事業を始めたそうなんですが、やはり、自分がその立場にならないと気付かない、取り組めないのかもしれないですね。

誰もが公平に幸せを手にする事ができる。そんな、当たり前を実現する事の難しさも感じさせられますし、葬儀の場合も、健常者、障害者、すべての人が安心して命を終える仕組みが、費用も、システムにも必要なんでしょうが、その手間のかかる、費用のかかるところにはスポットライトを当てることは少ないですね。

http://barrierfree-wedding.jimdo.com/

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現在は、結婚式を中心としての事業ですが、今後、葬儀に対するサポートも自社で賄うのか、障害者対策をビジネスとして利用しない葬祭業者と連携していただければ、多くの方の役に立つ事業となるのではないかと。障害者の雇用促進に関する、税制優遇処置は多いのですが、障害者が代表を務める事業には、税制上の優遇処置をもっと設けてもいいのでは。

また、現在の葬祭業者も、身障者に対する環境を整える事に、もっと利益を投入していただければいいのですが、行政の指導程度しか対応しない事も多い。障害者用の駐車スペース一つとっても、限られた場所では積極的に複数台確保しようとはしない。

これぐらいの事って、複数の、関連会社の役員を務める創業者の方、事業継承者の方が、役員報酬を少しご辛抱くだされば、社会環境はかなり変わると思うんですケド。

葬儀会館を建設する事を歓迎してもらえるように

豪華さを競う葬儀会館を建設するのもいいのですが、障害者の方の専門式場を、新しく葬儀場を建設する際に併設すれば、地元の皆さんも「建設反対!」はやりにくいと思うんだけど、どうでしょうか。

いくら反対運動をしても建設を止めることはできないのをいい事に、強引に建設を進めるよりも、障害者の利便性を考慮する、良心的な業者さんになれば、地域と分かり合えると思うんですけどね。

しまった、こんなこと言えば、反対運動を押さえ込むためのツールに利用されそうだ… 安易に、障害者を理解したよという雰囲気をイメージ戦略で使われそうだな。なんて、色々と考えると、大変、難しい問題だと改めて考えさせられました。

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