直送と福祉葬について考える

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直送と福祉葬を専門に扱う業者がひどいと思う

昨今、直葬が業者側にも、消費者側にも大きなキーワードになっているような雰囲気を感じますが、この二つの葬儀はどう違うのでしょうか。葬儀業界に在籍する方ならば、この記事はまったくお役に立たないと思いますのでテキトーにスルーしてください。

これまで葬儀の価格設定と内容のバランスは、基本的に祭壇などを組み、葬送儀礼に必要な葬具一式は金額には関係なく揃えて行うスタイルで、大体、30万円前後(当時、交渉により値段が下がった)から設定がありそれに付帯する物は以下の葬具でした。

◯祭壇を含む葬具一式

  • 祭壇一式(三具足・香炉・燭台・二段盛・三段盛・棺前飾り・写真台・脇樒一対)
  • 棺(棺布団・佛衣)
  • 寝台車病院迎え
  • 霊安室安置料(自社会館)
  • 式場使用料(自社会館)
  • 表飾り一式(大樒・名木・時間案内板)
  • 他、室内幕張装飾・焼香道具一式・受付テント・記帳道具一式など

◯別料金となっていたのは

  • ドライアイス(祭壇グレードにより一体分10kg〜込み)
  • 出棺霊柩車
  • 出棺バス
  • タクシー
  • 粗供養品
  • 通夜・当日料理
  • 火葬料金
  • 献茶婦料金
  • 司会料金
  • 庭飾り
  • 祭壇生花装飾
  • 遺影写真(祭壇グレードにより白黒は込み扱い、カラーは差額負担)
  • そして、今は無き寸志一式(3〜4万円)

だいたい、こんな感じで商品構成もシンプルでした。
自宅であっても、お寺や集会所であっても幕を張る枚数に違いがあれど、とにかく目隠しの意味でもそこらじゅう張りました。定紋幕というのも必ず用意しまして、その家の家紋を印刷した物を二、三枚用意して内陣にあたるところで張ったりしました。

京都では、天井をまず白い布で張ってから、水引幕という一尺幅から四尺ぐらいまでの飾り幕で凝った装飾をしていました。たくさん張って、豪華に見えるように装飾すればそれが値打ちだとの感じです。新築の家でもバンバン押しピンで張りますから、天井や柱が穴だらけになります。当時は「仕方がない」との喪家の感覚でしたが、今では絶対にありえないでしょうね。

福祉葬でもちきんとやってましたよ

この金額以下になると、20万円以下になり、当時の福祉(民生)葬と同金額の設定になります。一般葬、福祉葬どちらで行うにしても内容は同じ扱いです。

福祉の場合でも祭壇も含んでおりましたし、施行する際に細かに使用しなければならない項目が決まっており現在よりも項目は細分化されていました。幕もピラッと1枚張るだけとかの感覚ですがちきんと張りますし、定紋幕も無しでしたが、忌幕というあらかじめ水引幕に「忌」だけを印字してある出来合いの物を張るのが定番でした。

祭壇は30万円前後の設定で使う物と同等で、室内幕張装飾や受付も用意するなどほぼ同じような内容で施行します。しかも、福祉から支払いされる金額の中には読経料(当日のみ)も含んでおりました。

ただ、この福祉(民生)葬を依頼される方は、恐縮されている気持ちと、何かをお願いすると費用がかかるかもしれないという不安がありますから、葬儀社が用意する内容でお葬式をされていました。

この心理を読みとって、業者の中には福祉(民生)葬ということで、祭壇を組まず、今でいう「直葬」のスタイルで行うところも多く、実際に福祉課なり、民生委員がチェックに来ることもなく、業者もやりたい放題でした。

逆に福祉から支給される金額をベースに、親族が追加料金を支払い、それはもう立派な葬式になることもありましたし、業者側も追加料金を容認していましたので、身内で葬儀代金を負担できるので本来支給されない条件にもかかわらず、福祉にかかっているからそのお金は当然貰っておこうとの考えでしょうか。

内容はともかく、葬儀の価格構成には、福祉(民生)葬以上のものについては、通常のお葬式の形態をとり、その中身、グレードが上がっていくとのシステムです。
棺のグレードが上がったり、祭壇両サイドに生花装飾を組んでみたりしました。

昔の価値観

この生花装飾、当時は縦に8から15本前後くらい、横に8本〜(金額に応じて増えます)の菊をスロープ祭壇として、現在のような色花(洋花)を使ったクネクネデザインした花飾りではなく、いかに真っ直ぐ挿せるかが値打ちで、縦横斜めから見ても全て感覚が一緒が素晴らしいとの価値観でした。そこへワンポイントとして中心あたりに胡蝶蘭とカスミ草をあしらって完成でした。

これがやがて生花の装飾にこだわるようになり、デザインを施したアレンジ祭壇なるものがどんどん派生し、それが進むと、デザインされた生花装飾には釣り合わないと三具足などがまず外され、燭台も木製から金属クローム仕様のものに変わり、遺影写真も大きくなりLEDで光る物にへと変わっていきました。祭壇も葬具を用意するために必要な意識ではなくなり、ただ、花をあしらうための「段」として使う意識へと変わっていきます。

すると、葬儀のプランも変化して、これまで葬送儀礼を大切にしてきた内容が変わり、低俗化していくことになります。

そこにまず「密葬」が始まり、次に「家族葬」のワードが出ると密葬の言葉に連想される、ちょっと隠密なイメージで、簡素に葬儀を行っている雰囲気から、家族で故人を大切に送るというほんわかした感じと、費用も安く抑えれるイメージが家族葬にはありますので大いに受けて今日に至っている訳です。

業者が固定概念を植え付けているのでしょう

その施行を取り合いといいますか、「私どもはお安い葬儀を担当しますよ」的なイメージを訴えかけて、あわよくば高級なところの家族葬を誘致したいためでしょうか、福祉(民生)葬と直葬をごっちゃまぜにしたような内容、商品構成になってしまい、祭壇を組まない低価格な葬儀は、すべてが火葬のみという概念を葬儀業者が定着させてしまいました。

ひとつ疑問は、福祉(民生)葬で支給される金額はほぼ変わっていないのです。最近は、福祉の支給条件がかなり厳しくなり、これまでのようには追加料金を払ってする事はまずできません。

直葬の金額は10万円を切っているところもあります。これらの業者の一部で、自己負担0円の福祉葬と格安料金の直葬の両方をアピールして施行を誘致し、民生福祉課への申請を手伝い福祉葬へ誘導する業者がいます。

彼らは、福祉(民生)の方が売上は高いので、支給条件を満たしているならば積極的に行政に手続きを進めます。ネットでもご負担なしでお葬儀ができますよとのワードで表記しています。

お国のためにとは言いませんが

このような業者が福祉に頼らず、それよりも安い費用で内容は変わらない葬儀をできるなら、ネット上でアピールしている以上、国民の負担を少しでも減らし、お国のためとは言いませんが消費者に福祉の請求を無理に進めるのではなく「ご事情があるなら、私どもでご負担を下げて施行させていただきます」何て事は言わないのでしょうね。

直葬との金額差は10万円近いのです。7万円や8万円で葬儀をできるなら、その金額をご用意できるよう事前にアドバイスしてあげれば行政に負担をかける事なく、表彰物の葬儀社になれるのですが…

身寄りが全くない方、複雑な家庭事情があり、体も悪く仕事ができない方など、どうしても事情がある方は致し方ないと思いますし、そのような方は葬儀に至る前に福祉から生活保護を受けてらっしゃるでしょう。

亡くなってから条件を満たしにくい人まで、半ば強引に請求する事を進める事があるとすればいかがなものでしょう?

福祉(民生)葬は以外と利益率が高いのです。手間もかかりません。病院から搬送して、霊安室に安置する。特に原価のかかる高い棺も用意する必要はない。お通夜も無いので、残業も発生しない。翌日、出棺してお骨上げには同席しない業者も多いので人件費、ガソリン代、その他の経費もかからない。ややこしい事を言ってくる方には、追加料金で対応する。

20万円前後の葬祭費用の支払いがあり、そこからかかる経費は、棺と寝台車、少々の消耗品程度でしょう。ドライアイスの追加は「ご遺体の保全のため」と業者側から行政へ申請も可能ですし、一体しか使ってなくても、また、昇華した小さなものでも二体使ったとなれば元の原価もまかなえる訳です。

人件費と考えた時にひと施行で10万円以上の利益を得れるのなら十分では無いでしょうか。これを月に20件扱えば… 十分ですよね。会館建設費もいらないし、必要なのは寝台車と車庫・倉庫代わりになる建物があればレンタルでも可能ですし。

これらの施行誘致に躍起になる業者を見るたびに、まるで、還付請求に躍起になっている弁護士とカテゴリーでは同じような感覚に思ってしまうのですが、いかがでしょうか。

権利を主張するのは理解しますが、やりすぎはどうかなって思います。

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