Amazon「お坊さん便」に注目が集まってます

祈りを捧げる僧侶の集団
祈りを捧げる僧侶の集団

う〜〜〜ん、頭の痛い問題ですなぁ

Amazonで販売されている「お坊さん便」について、消費者を中心に、仏教会、また、仏教会に関連する方々も含め、賛否両論の意見が飛び交っている。
そもそも、このサービスは「みれんび」が提供していたものを、2015年12月5日にAmazonから販売することになり、大きな反響となった。

インターネットで購入できる定額のお葬式「シンプルなお葬式」を運営する株式会社みんれび(本社:東京都新宿区、代表取締役:芦沢雅治、以下「みんれび」)はこの度、総合オンラインストアAmazon.co.jp(以下、Amazon)が運営するAmazonマーケットプレイスに出品し、法事・法要の際に全国一律定額・追加料金なしで僧侶を手配するサービス「お坊さん便」を2015年12月8日(火)より販売開始いたします。

お坊さん便
定額でお坊さんを全国どこでも手配できます。交通費や心づけなどの費用は不要。今後の付き合いも必要ありません。

発売を受けて、同年12月24日付で、全日本仏教会が理事長談話として、マスコミ各社へプレスリリースが流された。

そして、今回、全日本仏教会(齋藤明聖理事長)は、アマゾンに対し、僧侶手配サービスの販売中止を求める文書を送りました。

【魚拓】アマゾンに僧侶手配サービス中止要請文 - ニュース:中外日報
- 2016年3月9日 07:55 - ウェブ魚拓

Amazonの商品レビューにも、様々な意見が飛び交って、軽く炎上気味?の様子。

Amazon.co.jp:カスタマーレビュー: [お坊さん便] 法事法要手配チケット (移動なし)
Amazon.com で、 法事法要手配チケット (移動なし) の役立つカスタマーレビューとレビュー評価をご覧ください。ユーザーの皆様からの正直で公平な製品レビューをお読みください。

と、問題を考える事は大切です

身近にお寺様と付き合いがない場合に葬儀が発生すると、多くの方は葬儀屋さんに紹介をお願いするか、葬儀社の担当者から「紹介できますよ」と言ってくる。

このシステムの背景には、当然、仕事として発注する側の葬儀社と、読経、供養を依頼されるお寺様との間に金銭のやりとりが発生する場合もある。(全く紹介料を受け取らない葬儀社、紹介料を支払わないお寺様も存在する)

正直、私も担当時代にいただきました。給料の一部として紹介料がありましたので。そのところはこの記事で書いています。

お寺さんの紹介料について思う事
お寺さんを紹介してリベートを得る。個人でこっそりやっていたヤツもいたし、会社が堂々と「別収入」と認め、いざ問題が起きると、そのリベートがなければ成り立たない仕組みを強要しながら関わっていない立場ですよなんて言う。なんじゃそらの世界の話です。

紹介にしても、金銭的な事情でお布施を一般的なところより低くしてほしいと願う方も多かったので、会社に入るリベートギリギリのところでお寺さんに依頼していました。

当然、担当者に紹介料は入りませんが、自分の心を痛めないためには、これぐらいしかできることはなかったのです。変に知り合いのお寺さんを紹介すると、何か不正を働いていると勘ぐられますので。

紹介料をいただいていた身分で、このような事を申し上げるのもどうかと思いますが

これまで葬儀の際に、葬儀屋さんがお寺様を紹介する権利といいますか、優先権を持っていたのですが、そこに目をつけて、”葬儀屋が紹介する”という部分を切り取り、それのグレーなジャンルを引っ剥がして事業にしたのが「みんれび」であり、ソフトウェア会社が始めた「お坊さん.jp」や、他の葬儀に関連する紹介業社でもあります。

これらIT起業家はネットを使って、「不便を便利にするという理念の元始めた事業だ」と彼らは言いますが、これらの便利(利益)のために葬送儀礼の文化がおざなりになっているのも事実です。

そして、彼らに新規事業のテーマとして”死”にまつわる部分がターゲットになってしまった。また、そこに目をつけられてしまった各業界の脇の甘さが現在の事態を招いているのではと思っています。

確かに頭もいい。現在のビジネスを、日本経済を引張っているIT事業家としての能力も素晴らしい。ほんと、六本木ヒルズでオフィスを構えるような「勝ち組」になっているんでしょうけど、日本人ってそんな民族だったっけ? 金儲けのためなら、文化も伝統も、そして人間の尊厳すら捨て去ってしまえるのが、貴方達の「成功」なの?

もうちょっと、後世に残せるような大志を持った事業をテーマにしろよ

彼らが起業しようと考えた時、すでにネット上には、Yahoo・Google・フェイスブック・LINEなど、その他の先駆者がいたため、「何を売り物にするか」を相当考えたと思うのです。

雨後の筍のように、第二、第三の漁夫の利を得ようと、魑魅魍魎が集まっているこのネットの世界で、一旗上げてやろうと思った時に、彼らは金儲けの手段として死を選択してしまった。

これに先駆けた葬儀紹介会社のアクトインディ株式会社が行なっていた葬儀サポートセンター(現在は終了)もそうですが、「結局は費用で比較して葬儀社を選ぶという文化を根付かせてしまったことに悔しさと責任を感じております」というコメントを残して事業を終了しました。

ほったらかしにしたその責任は大きいと思うのですが、まだ、責任を感じた理由を述べているだけ、マシかと思う程度。これも、同業者に負けたきれい事であり、”言い訳”と私は見ています。

彼らのコメントやメッセージの中に「利便性の追求」はあっても、「文化を継承する」との言葉は全く見かけません。ここに根っこがない。葬送儀礼をおざなりにしても良いと考える、死にまつわる事業者に問題があると思いますし、それを許容している宗教界、葬儀業界も問題だと思うのです。

反面、今回のように問題定義になる事は大切な事ですし、彼らの動きがなければ、このゆる〜い業界に刺激を与える事もなかったでしょう。そういう意味では良かったのかもしれないが、それにしても、もっと他に偉大なテーマはなかったのかねぇ。世界中の人たちが笑顔になるからBIGになれるんだと思うんだけど、目先の利益を追いすぎじゃねぇ。

そんな事を事業にしている人、この問題に苦言を呈する人、様々な場所で意見を発信する人、皆んな、いずれはあなたの親や、自分も死ぬんですよ。その時、家族に「葬儀は直送で、お寺はAmazonでいいよね」なんて言われて本望ですか?

本山がサイトを作れば問題は解決するのでは?

登録するお寺が悪いとの意見もありましたが、お寺さんにしても維持するために自分で誘致しないといけない。割り切れない気持ちを持ちながらも、本山はそういったシステムを作らない。自分のことは自分でしなさいではなく、宗門で考えるべきだと思うのです。

各宗派の本山が、どのような事情があろうとも、宗門に生きる者として対応する使命があるのならば、そのような紹介相談窓口を24時間体制で設けるべきで、葬儀社にもその旨を伝え、そこを介して来る寺に関しては本山は責任を持つが、独自に紹介されてきた寺については本山は一切の責任を持てないと言い切れるシステムが必要だと思うのです。

各宗派合同でもいいと思うのです。サイト上での申し込みでもいいと思うのです。消費者が、このような事情で、このような葬儀を行いたいが、金銭的にこう言った事情があるのだが、来てくれるお寺さんはあるかどうかを、気軽に相談、依頼できる窓口があれば、Amazonのシステムなんて必要ないのではないでしょうか。

それを周知徹底すれば、お葬式は葬儀屋さんに、お寺さんは本山紹介相談コーナーにと、消費者の方で依頼先を変えていただけますし、葬儀社に頼らず、また、ネット事業者にも頼らず、法を守りながら生活スタイルに合わせた教えをお伝えする機会が増えるのではないでしょうか。

お布施の負担を減らす場合もあれば、後は、それこそお気持ちでの世界ですから、出せる方は、親の葬儀のために100万円のお布施を支払おうが、一千万円の院号をいただこうが、その方がそれを実行できて、なおかつ、納得されていれば、それも供養でしょうと思います。その教えを守るために土地を提供した方も、昔話には存在したのですから。

そんなことを、レビューを見て思いました。

神聖なものだからお布施を値段で測るものではない!ではなく、神聖であるがために自分たちで世間の目線に合わせて、規律を守る組織が必要なのではないかと… 時代に合わせた接点が必要なんじゃないかと…

神様、仏様って、もっと寛容な世界ではないんでしょうか。
もし、お釈迦様とお話しできる機会があったら、もっと気さくに話をできるんじゃないかなと思います。

私もお世話になった、自分では”先生”と呼べる方の前に座っただけで、スラスラと悩んでいる事や、心にある思いが勝手に出てきた事がありました。その方の前に座れば嘘をつけない。そんな方でした。

毎日、毎日、朝から晩まで、神棚の前に正座して、食事を取る時も正座。よく、足が痺れないもんだなぁ、なんてくだらない事を思ったりしましたが、来る人、来る人が笑顔になって帰っていく。本当に素晴らしい宗教者の方なら、対座するお相手の方はそんな安らかな気持ちに包まれるのではないかなと。

視野を、教義を狭くしているのは、人間の価値観で物差しで測るからだとその先生によく教えられました。そこに気が付かないから、浮き世離れした世界になっていくのではないでしょうか。

「神さん、仏さんには口はない。人を通じて教えてくれはる。自分に向けられた言葉をありがたいと思うか、嫌事を言われれてると取るかは、あんた次第や」なんて、よくおっしゃってました。

IT起業家の皆さん。宗教界の皆さん。死や葬儀に関わる関連業者の皆さん。
こんな愚民の、三日坊主の言葉ですがいかがですか。

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